絹: |
“まちづくり”チョビット推進室!
Give me thirty minutes,I will show you the frontline of “まちづくり” and “まちづくり”
people in KYOTO. |
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絹: |
皆様こんにちは。まちづくりチョビット推進室の時間がやってまいりました。
この番組は地元の建設屋の目から見た京都の元気なまちづくり人の紹介や、その活動の最前線をご紹介しております。
本日は久しぶりにゲストの方をお迎えせずに、わたくし、まちづくりチョビット推進室長・絹川、一人で進行いたします。
さて、今回の番組のテーマですが「三年間ありがとうございました。四年目に突入します。」ということでお送りいたします。
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●延べ36名のゲストにお越しいただきました |
絹: |
早いもので、この番組の第一回の放送が平成16年の6月24日なんですが、まる三年が経ちました。この京都三条ラジオカフェさんが開局四周年ですので、我々は一歳年下なわけですが、今日から四年目に入ります。
三日三月三年と申します。初めの頃は、NPO法人京都コミュニティ放送の松岡千鶴さんに手ほどきをいただきながら、ゲストの方々をお招きして、京都のまちづくりに関る人たちの紹介を主にやってまいりました。
数えてみますとゲストの方々には(ダブル出演、トリプル出演の方もいらっしゃいますが)、延べ36名お越しいただきました。
もちろんその間には私と松岡さんだけで進行した回もあります。
その36名の内訳ですけれども、わが社の技術スタッフ(ご存知のように私は地元の建設会社の人間です)が4名、ゲストで現場の話をさせてもらいました。それから大学関係者が五人、建築系の設計者がお二人、土木系のコンサルタントの方がお一人、社会福祉の関係の方がお三方、それからコーポラティブハウスの住人がお三方、行政関係者が八人、企業人がお二人、それから学生さんと研究室の方が三人、NPO関係者が三人という内訳になります。
それぞれが京都のまちづくりに関わっておられ、地元の建設屋である私の目から見て、それぞれのコーナーを守っておられ、頑張っておられる方にご登場いただきました。
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●三年間を振り返って |
絹: |
ここで三年間の振り返りを少ししたいと思います。
この番組は、そもそも「まちづくりとは何ぞや」というところから始まりました。
私自身、地元の建設屋であり、施工が中心の会社でございます。ですからどうしても目が行くハードのところからスタートしたんですけれども、回を重ねるうちにゲストの方々のお話のなかから、ある種の通奏低音が聞こえてきたような気がします。
そこで、ちょっと冗長になるかもしれませんが、今までのゲストの方のリストをざっと読んでみます。
第1回放送(平成16年6月ですけれども)から第4回までは「センテナリオ物語その1〜その4」ということで、わが社のパイロットプロジェクトについてのお話です。
私の自宅を含む13家族のコーポラティブ住宅、かつスケルトンインフィルタイプの設計思想、かつ環境共生住宅、かつ定期借地権住宅(つくば方式)という京都府で始めてのパイロットプロジェクトをやってみましたということをお話しました。
それから第5回は、地域福祉の最前線ということで、小規模多機能福祉施設を頑張っておられる社会福祉法人「七野会」の広末先生に来ていただきました。
それから第6回は「プリウス(トヨタ自動車株式会社のハイブリットカー)の性能をもつ住まいが京都にも有るんです!」ということで、外断熱をとことん追及した、これもわが社のパイロットプロジェクトでありますが、これについて語りました。
それから第7回は、珍しく土木技術の現場からの報告です。
平成16年に京都府北部に大きな被害の爪あとを残した台風23号、その現場に緊急出動した、うちの高屋所長の恐怖の体験を語ってもらいました。
それからまたもう一回、超省エネルギー外断熱住宅について、当社の中村元紀所長に、現場の苦労について語ってもらいました。
それから堀川の水辺環境整備について、二回番組をつくりました。
そして第12回は「さくらコート物語」ということで、これは上京区にあるコーポラティブハウスである「さくらコート」の建設裏話です。
それから、わが社では鳥人間コンテストの発射プラットホームをずっと造り続けているんですが、「バードマンラリーを支え続けて29年〜鳥人間コンテストの裏話」ということで、この舞台裏の話を現場の所長にしてもらいました。
また、14回、16回、17回、そして18回と20回、都合五回、「千本コーポラティブ物語その1〜その5」という特集を続けました。
千本北大路にある、京都市の土地に建つ定期借地権型コーポラティブ住宅「千本コーポラティブ」の現状を特集しました。
この特集には入居者集めの応援という意味も含んでおりました。
それから第21回と、第29回は「まちの縁側」ということに注目し、上京区にある「まちの縁側 とねりこの家」さらには「まちの縁側 クニハウス・ハルハウス」を取り上げました。
それからちょっと変わったところでは、第30回「京都大原野 よみがえる荒廃田とコッコちゃんの物語」ということで、NPO法人「京都土の塾」の森川惠子さんに来ていただき、300人という大所帯のNPO法人の方々の活動、荒廃田を人力で蘇らせられたというお話を伺いました。
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●人と人のネットワークを紡ぐ活動 |
絹: |
ざっと見てきましたが、皆さん、いったい何が共通すると思われますか?
まちづくりという形で、私の目のフィルターに引っかかってくる方々というのは、職業としてはばらばらなんですが、ご自身の活動の中で、どうやら人と人とのネットワークといいますか、何か結びつける活動を一生懸命されておられるようです。
最近は先輩方の時代に比べて、あるいは私の父母、あるいはおじいちゃんおばあちゃんの時代に比べると、コミュニティの力が落ちていると言われています。
そのために色んな社会の軋みが出てきてしまっているということに、何とか竿を挿そうと、それぞれの場所で頑張っておられる方々、という意味での通奏低音なのではないかと・・・。
この四年目もそういうことに注目をして、ハードの部分からの接近ではありますが、ハードな製品、建造物、構造物を造る過程で、人と人が連絡しあい、顔が見える関係をつくることで、何かまちが暮らしやすくなる、元気になるという、そんな仕事の仕方をこの四年目も探していきたいと思います。
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♪小休止 Nob Kinukawa Prelude(プレリュード)♪
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●環境共生の視点から |
絹: |
四年目に突入いたしまして、今年は何に注目していこうかというところなんですが、一つは前半申しましたように、コミュニティ活性の視点から、何か仕事を通じてコミュニティが元気になるようなプロジェクトのつくり方といいますか、仕事の仕方、そういうゲストを探していきたいなと考えております。
それからもう一つ、私はしがない地元の建設屋でございますので、大企業のような技術研究所を持っているわけではございませんが、最近はどうしても、環境共生という視点を考えさせられております。
何度か報告しておりますが、私の自宅地下には20トン程の雨水の地下タンクが設けてあります。
しかしこれ、別にたいしたことじゃないんですね。うちは5階建てのマンションで13家族が一緒に住んでいる共同住宅ですから、それくらいの規模の建物を建てる時に、タンクにしようとすればできてしまう空間が、基礎の地下空間に必然的にできてしまうんです。
ですからこれはそんなに多くの費用がかかることではありません。
うちの13家族のマンションの敷地は、約798平方メートルの土地にあります。建築の投影面積が、建ぺい率50%弱だったと思いますので、400平方メートル弱です。
しかも、この面積の100%に水タンクを設置しているわけではなくて、約3分の1ぐらいだったと思います。
それで20トンとれるんです。
ということは、初めから徹底的に雨水タンクを使おうという形で敷地を使えば、50トンや60トン、ひょっとしたらもう少しとれるかもしれない。
駐車場もありまして、駐車場の地下にはタンクが入っていませんから、かなりのものがとれるはずなんです。
しかも、それにはそれほどお金がかからないと思っています。
岡崎のほうのマンションに住む私の知人は、去年(一昨年だったか)、梅雨の末期に集中豪雨で疎水があふれて、マンションの床下浸水の経験をしたそうです。
また、近年都市型洪水などということがよく言われますが、京都もアスファルトで蓋をされた都市です。
夕立や集中豪雨が降りますと、下水が短時間で処理できなくて、あるいはどっと雨水が流入して、重たいマンホールの蓋が14個くらい、圧搾空気で飛んでしまったという報道もかつてはありました。
それから夕立の時に地下鉄の駅からあがってくると、目の前が川のようになっていて、短靴では歩きづらいなということもあります。
もちろん京都市の公共の建物でも、京(みやこ)エコロジーセンターや西京極のプール(京都アクアリーナ)のように、雨水を初めから計画的に利用している建物はあります。
けれども本当に手の届く技術なのに、そんなにお金もかからないのに、雨水をためよう、それを積極的にトイレの流し水に使おうとされている方は、そんなに多くないんじゃないか。
私が知る限りでは、八幡市のノオト建築設計の乾さんという方が、取り組んでおられるようで、来週にもアポをとって、インタビューしてこようと思っています(なんと偶然にも彼もコーポラティブ住宅の住人だそうです!)。
このように、雨水利用に取り組まれる方はおられるものの、まだ大々的に常識にはなっていないというのが現状です。
もうそろそろ、雨水利用の促進策をとらないでいるのは、施工業者・設計者・行政も含めて建設関係者の怠慢だ、と言われてもいいような時代が来ているのではないかと思うんです。
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●環境共生―我が家の試み |
絹: |
というのは、もう一つエピソードがありまして、私の母の実家というのが神戸にあります。
先の神戸の大地震の時に、やはり母の実家が心配になりましたので、神戸の中に入っていきました。
あちらこちらに亀裂の入った建物が倒れており、避難所でボランティアの人たちがいっぱい来て、というのを見て歩きましたが、やはり皆さん、トイレの流し水に一番困られていたんですね。
避難所でトイレがてんこもりになっているのに、それを流す水がないということを非常に困っておられました。
地震や災害というのは、近々起こるであろうという警鐘が鳴らされています。
そんな時に、我々京都市民は、水道局の人たちが手間隙かけてきれいにした、飲み水として十分使える高度浄水を、お隣の滋賀県には琵琶湖という大きな水瓶があるからと、トイレに無意識に流してもええのかなと。
そういう妙な違和感を、私は昔から持っておりまして、せめて我が家だけでも水道水を流さずに、何かでけへんかなとの思いで、その雨水タンクをつけました。
で、雨水タンクだけではなくて、さらにマニアックなことをしております。
土壌浄化というようなことをやりました。私のうちの洗面所とお風呂場と洗濯の残り水は、敷地の中の植栽の地下に通したパイプ(毛管トレンチ、または土壌浄化トレンチと言います)を通り、浄化をして、雨水タンクにためています。
このトレンチパイプの断面は、下半分は水密で水が漏れない、上半分は水が滲み出していくという構造になっています。理科の時間に毛細管現象というのを習った記憶がないですか? 水が下から上へ流れるというか、滲みあがっているのです。
これは人から習ったことですが、土壌の表面から60センチくらいのところまでは、好気性バクテリアというのが生きているそうです。
その好気性バクテリアに汚れた水をきれいにしてもらって、それをもう一回集めて再利用するという仕組みです。
駐車場のまわりに植栽があるので、その地下にそういうパイプを張り巡らして、その水を遮水シートでもう一回集めて、雨水タンクに導いています。
そういう水を再利用するという仕組みを3年間モルモットでやっているんですが、なんとかうまくいってます。
こういう仕組みをいろんな方に取り入れていただけたらと考えたわけです。
あるいは公共の建物でもやっているところがあるんですが、ただ、生活雑排水の敷地内浄化と雨水利用とを組み合わせている例は少ないかもしれません。
こんなことにこだわって、今年4年目は番組づくりをしていきたいなと考えています。
またコーポラティブについて語るかもしれませんし、「まちの縁側」について語るかもしれません。4年目に突入ですけれども、今年もアイデアの続く限り、企画が続く限り、皆様のお耳にかかりたいと思いますので、どうぞよろしくお願いいたします。
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●「まちの縁側」サミット開催します! |
絹: |
最後に告知です。
何度かこの番組でお話した「まちの縁側」。
このことについてあちこちで話しておりました。
一部の篤志家だけに「まちの縁側」をお任せしておいていいのかな、「まちの縁側」に興味のある人、「まちの縁側」的な活動をしている人を一堂に会して、「まちの縁側サミット」みたいなものを一度できないかななどと言っていましたら、京都市の若手の行政マンたちが拾ってくれそうです。
今年の秋になるか、冬になるか、あるいは来年にかけてか、そういうまちづくりに関する都市計画系と福祉系の方々が、「まちの縁側」という事例を通じ一堂に会して情報交換して、またつくっていこうよというイベントができそうです。
そんなときはまた告知しますので、興味のある方は覗いてください。
今日は珍しく、私一人でお送りしました。
この番組では、これからも元気な京都のまちづくりびとの紹介や、地元京都のまちづくりの最前線の情報等をお送りいたします。
どうもありがとうございました。
この番組は「心を建てる公成建設」の協力でお送りいたしました。 |
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