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放送日 平成27年9月26日(mp3形式音声ファイルはこちら→) 
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 放送内容は、著作権の保護を受けますので、個人でお聞きになる以外のご利用は出来ません。

タイトル: 京都移住計画」ってご存じですか?
概要: 京都に想いを持って移住してこようという人たちに向けて、求人広告づくりや住まいの情報発信など、情報を伝えていくことの大切さについて、「京都移住計画」のお二方にお話しいただきました。

左から 絹川 片桐直哉氏、岸本千佳氏
 
出演者: 片:片桐 直哉氏 京都移住計画(行政書士 前京都市会議員)
岸:岸本 千佳氏 京都移住計画(空き家プランニング 宅地建物取引士)
絹:絹川 雅則 (公成建設株式会社)
平:平野 嵩之 (公成建設株式会社)
   放送内容については、無断使用を禁止させていただきます。この件についてのご連絡はこちらまで。
絹: まちづくりチョビット推進室!
Give me thirty minutes,I will show you the frontline of “まちづくり” and “まちづくり” people in KYOTO.
************************************************************************
絹: 皆様こんにちは。まちづくりチョビット推進室の時間がやってまいりました。
この番組は地元京都の建設屋の目から見た元気なまちづくりびとの紹介や、その活動の最前線のエピソードをお伝えしております。いつものように番組のお相手は当まちづくりチョビット推進室 絹川がお送りいたします。

■京都移住計画というところから、お二方お越しいただきました
絹: さて、本日のゲスト紹介から参ります。
今日はちょっと変わったお名前の方をお呼びしております。
京都移住計画、京都に移住する計画という、そのままですけど、京都移住計画からお二方、まず片桐直哉さん、片桐さんよろしくお願いします。
片: よろしくお願いします。
絹: それから岸本千佳さん。
岸: はい、よろしくお願いします。
絹: それから、ついでと言っちゃあなんですが、私どもの会社の若いヤツを1人連れて来ております。
平: はい、平野と申します。よろしくお願いします。
絹: 彼の後輩の龍谷大学の若い学生さんが、以前、インターンで来てくれたことがありました。
はい、ではゲスト紹介として、私と片桐さんとの出会いは、京都移住計画と言うよりも、その前の京都未来まちづくり100人委員会での出会いでありました。
片桐さん、何期でした?
片: 僕はちょうど第二期の事務局運営を、絹川さんと一緒にやらせていただいて、本当にその時に、いろんな書類を差し戻したり、どういうふうに運営していこうというのを、一緒に頭を悩ませながらやっていたのが、もう5~6年前になると思うんですけど、懐かしい感じがします。
絹: 私は100人委員会は、一期と二期が事務局で、三期は委員と・・・今は五期の人たちがやっておられます。
そして岸本千佳さんは京都移住計画の不動産部門担当と。
岸: はい、そうです。
絹: 岸本さんは、ハードリスナーなら覚えていらっしゃるかもしれません。二度目のゲストとしての登場です。
岸: はい、半年ぶりの登場です。
絹: この方は京都移住計画の仕事もされていますし、フリーランスの不動産業という変わった方で、空き家問題に対して、「京都の空き家をどないすんねん」という回の番組をした時に、京都市の行政マンでありながら、ジャズシンガーという戸倉理恵さんと来て下さいました。
二度目の登場です。
岸: はい、よろしくお願いします。
絹: さあ、ゲスト紹介をちょっと補強するために、片桐さん、岸本千佳さんの人となりを短く述べよ(笑)。
片: 短くと言われると、結構難しいんですけど(笑)。
やっぱり不動産をずっとやっていらっしゃるなかで、空き家の話だったり、普通の感覚ならこういうのはあまり目がつかないなと思うものをみつけてきて、それをどういうふうに教えることができるんだろうという発想で、いろんな事を教えていただくので、そこは僕自身も「何か面白いものが出てくるといいな」といつもワクワクしながら、一緒にお仕事させてもらっています。
絹: ありがとうございます。片桐直哉さんの弁による岸本さん像であります。
さあ、今度は岸本千佳さん、片桐さんって、どんな人?
岸: そうですね、京都移住計画って、代表も私より1つ年上だったりして、結構30くらいの人が多くて、まだまだ社会的にしっかりしていないところが多かったり、細かい作業が苦手だったりとか、事務的なことが苦手な者が多いのですが、そういうところは片桐さんにバックアップしていただいているというので、本当に助かっています。
絹: 本職と言いますか、行政書士の資格を持って事務所を開いておられるので、いろんな対行政の書類とか、お得意ですよね。
岸: そうですね、まさにそういう部分が弱い部分でもあるので、本当にお力をお貸し頂いています。
絹: それでは本日の番組タイトルと言いますか、テーマを言うのを忘れておりましたので(笑)、言います。
実はちゃんと決まってないんですよね(笑)
「京都移住計画って、ご存じですか?」と題してお送りいたします。なんか、ありそう!って、思います。

■第一章  京都移住計画って、何?
 ●京都に住みたい人って、実はすごく多いんです
絹: それではエピソード1、そもそも京都移住計画って何?というのを教えていただけますでしょうか。
岸: まず京都移住計画と言うのは、名前そのままで、京都に移住する人を応援するプロジェクトになっています。
手法としては、今はウェブサイトとかフェイスブックなど、ウェブ上で情報発信をするというのと、リアルなイベントとして、京都移住茶論(サロン)という、“茶論”と書いて“サロン”と読ませているんですが、それを定期的に、移住者、最近移住した方、もしくは移住予定の方等を対象に月一ペースくらいで交流会を開いていまして、そこで情報交換をしたり、ワークショップをしたりといったことをしています。
最近は京都移住茶論めあてで京都に旅行に来るという人もいたりするくらい、盛り上がりを見せています。
絹: では、京都移住計画について、最初の質問です。
そもそも「京都に住みたいな」と思われる人って、結構おられるのでしょうか。
岸: 結構、います(笑)。
私自身は京都出身で、5年くらい東京で仕事をしていて、帰ってきていて、田村篤史が京都移住計画の代表をしているんですが、代表も同じように京都出身で東京で仕事をしていて、帰ってきたという、メンバーはそういうUターンの者が多いんですけど、東京とか関東圏では京都へのあこがれが異常なほど、皆さん・・・。
絹: 今、異常という言葉を使われましたけど、かなり強いんですか。

 ●30代の女性が憧れる京都暮らし
岸: そうですね。かなり強い、多いですね。
多いだろうなというのは、思っていたんですが、特に女性が多いというのが特徴で、すごく若いというよりは、30代の方などが多いですね。
絹: ちょっとメモっておきます。片桐さんもその辺、コメントありそうですね。
片: はい。実際、移住してきた方の話を聞いていると、半分以上は、元々京都と言うよりは、Iターンで、京都にゆかりのない方が京都に来られているケースが半分以上で・・・。
絹: UターンとIターンの比率をみると、Iの方がでかいと。
岸: はい。移住茶論でも最初に手を挙げてもらっているんですが、本当にUターンは運営の私たちしかいないという状況なので、全くゆかりがなくて、京都が好きでという人も多いですね。
絹: リスナーの皆さん、どうですか?
京都に住んでいる、京都で生まれ育った私としては、なんかすごくうれしい感じがしますね。
東京で、京都移住計画の代表の方たち、キーマンの方たちが、すごく京都に住みたいという人たちに直接会っている、そしてIターンが多いというのは、知りませんでした(笑)。
片: そうなんです。エリアとしては東海もいらっしゃるんですが、圧倒的に比率としては、東京を中心に関東圏の方がIターンで京都に住みたい、暮らしたいと来られる方が多くて、しかも何か「これがしたい」ということではなく、まず京都暮らしというところに対しての思いを持って、京都で自分が何か仕事をして暮らしてという、そんな人生の歩み方ができたらいいなという思いで来られている方が多いなという印象ですね。
お話していると。
絹: そうしますと、女性比率がどうも高いようだと。
京都の独身男性諸君、ちょっと明るい風が吹いてくるかもしれない(笑)。
岸: はい。チャンスですね(笑)。
自分の身の回りとかを見ていても、震災以降、東京、関東圏の人たちは東京ではない所に住むことを考える方が増えたなというのは、思いますね。
絹: 僕はそれは特異な現象ではなくて、ひょっとしたら生物としては、健康な感覚なのではないかと。
あまりに東京に、首都圏に一極集中し過ぎていて、それを誰も今のところ止められない。
でも若い層の30代くらいの方から、動けるところは動きだしているのかもしれない。
岸: そうですね。やっぱり疑問を感じたきっかけではあったんだろうなというのは、見ていてすごく思う事はあります。

 ●生きることに前向きな人が多いんです
絹: 京都移住計画について、2つ目の質問です。
先ほど少し触れていただきましたが、定例イベントの京都移住茶論でじかに接する人たちに、何か共通するところ、先ほど教えていただいたのは、まず住んでみたい、その中で京都で何ができるか探してみたい、そして女性比率が少し高そう、30代くらいというキーワードが出ましたけれども、他にどんなキャラクターをお持ちの方が多いですか?
岸: この前の茶論の時に、客観的に見ていて思ったことは、生きることに前向きな人が多いなという感じがしました。
絹: ほう、なんかこう、ゾクっと来たな。
岸: 本当に何か、バイタリティーがあるというか、私たち運営メンバーが知らないところで、会議とか、もう既にやっていたりとか・・・。
絹: というと、既存のパターンにはまりきらない仕事、ニッチなところ、あるいは自分で起業すらというエネルギーを持っているかもしれない人たち?
岸: そうですね。確かに。
片: やはり何でもいいから京都で仕事がしたいということじゃなくて、自分の働くこと、住むことが、自分自身でこういう思いとか理念で共感するからこそ、こういう働き方やこういう住み方がしたいという、自分自身のこだわりというのをしっかり持って、「京都に行きたい」という方が多いですよね。
絹: さっきの事前の打ち合わせで、なんで僕が京都移住計画さんに「この人たち何かある」と興味を惹かれたのかという話をしましたよね。
「すけべえ根性があるんです」という話をしましたよね。
うちの建設業界、たとえばうちの会社もそうですけど、無茶苦茶かっこいいベテラン、現場を仕切る指揮官、土木も建築もそうです。
「この人の背中、若い人に見せてあげたいな」という人たちが、いっぱいいるんですけど、なかなか若い人たちが入職してくれない。
この人たちの存在をどうにかしたいというところから、「京都に住みたいという人たちのなかから、そういう人たちに出会えないかな」という、下心がいっぱいあるんです。
移住計画に来ている人たちって、何をやりたいというよりも、自分の行き方として、京都に、あるいは日本に役に立つというのを探している、納得を求めている人たちが多いという感じがするんですが。
岸: そうですね。

■第二章  京都移住計画のとりくみ
 ●仕事とひとをつなぐ
片: 移住計画のサイトのなかで、京都の住むところや、働くところを移住者向けに紹介しています。
その中でも例えば働くところを紹介するのでも、普通の転職サイトであると、労働条件等の条件のことしか載っていないんですが、移住計画の情報発信で大事にしているのは、その仕事を今まで京都でやってこられた方の思いとか、その仕事を通して、その職場で働いている人が、どんなことを考えているかということです。
普通の求人サイトではなかなか得られない情報を集めて、それをレポートして、移住者の方に伝えることで、京都にはこんな思いで仕事をしている、こんな職場があるんだよ、だから京都に来るという一つの選択肢はどうですかという投げかけ方を、私たちはやっているんです。
住むところにしても、単にどんな部屋があるではなくて、住むところのストーリーがちゃんと伝わる情報発信を、私たち移住計画は大事にやってきているんです。
絹: すっごい珍しいと思うわ。
京都移住計画の主要メンバーは何人でしたっけ。
岸: 10人くらいです。
移住計画の組織も特徴的だと思うんですけど、基本的に自分で仕事を持っているんです。
ウェブサイトを作っている子も、フリーのウェブデザイナーだったり、私も個人で不動産の仕事をしていたり、片桐さんもご自身のお仕事がありますし、そういう割と個々の専門領域を持った人が集まって、移住計画という団体として運営しているというところがあるので、自分たちも移住者のモデルケースにもなっているし、「そういう生き方をしたいな」と思ってもらえるようにならないとなという思いもあります。

 ●住まいと人をつなぐ
絹: 岸本千佳さん自身が・・・空き家が京都に何万戸だっけ?
岸: 11万戸。
絹: そうそう。京都市の仕事もしていたから、詳しいですよね。
これ、本当に大問題だと思うし、それから前の空き家の回で、私がコメントさせていただいたのは、11万戸以外に隠れているんですよね。
空き家予備軍があるし、その辺も何とかしたいなと思うんですけど、どこから手をつけたらいいのかわかりませんという話をしたんですけど、空き家にご自身で住まいをして、実験的に?
岸: 事務所をそうしています。空き家を借りて、やってみようと。
絹: セルフリノベーションと言うか、日曜大工と言うか。
岸: 主要工事だけ工務店さんにお願いして、他はできるだけ自分でやってみるというのを(笑)。
絹: 「困ったな、工務店あがったりやないか」という声がないではないですが、でもそういう建築と言いますか、工務店の技能者、技術者もどんどん不足していて・・・。
岸: あ、それは本当に今、必要としています。
私自身もやはりプロにお願いしないといけない部分はありますし、京都の町家とか色々と専門の知識がないと難しいところはあるので。
絹: 岸本さん達のように、できるところは自分でやろうという動きは出てきて当然だと思うし、そういう人たちが増えると、本当にプロの職人さんたち、技術者さんたち、技能者さんたちには勝てないなというのを、わかってくださるところはあるかもしれない。
ですから分け分けして、自分でできるところ、できないところと・・・。
岸: こういう人間が現れると、なかなか普通の工務店さんだと嫌だと思うんですけど。
でも面白がってくださる方もたまにはいてくださるので、そういう方と一緒にやったりはしています。
絹: つくるビル”なんかの仕事を見ると、本職の人だったらギョッとするでしょうね。
きっとね。本職の人なら、きれいにぴかぴかにするところを、こんな状態で、例えばタイルをひっぺがして、「糊がついた跡をそのまま出すんですか」とか、ねえ。
岸: 私も今、事務所の床は店舗用のシートをはがした糊の状態で、糊ででこぼことなっている状態でそのままにしています(笑)。
絹: 予算をかけずに、でも居心地の良い空間をデザインできる人たちがだいぶ出てきている。
岸: そうですね。本当に地道にやっているという感じですね。

 ●居場所や仲間づくり
絹: リスナーの皆様、京都移住計画の概要を少しわかっていただけたでしょうか。
もう少し補足があれば、お2人いかがですか?
僕は移住茶論のことをもう少し聞きたいと思うんだけど、何かエピソードはありますか?
片: エピソードと言うか、移住茶論をやっている意味合いというのは、移住してきた人たちが何を必要としているかということだと思うんです。
京都という全く知らない世界に来て、一緒に移住してきた仲間だとか、元々京都にいて、移住の人たちと一緒に何かできる人たちの居場所をしっかりつくっていく。
僕たちは「居・職・住」という言葉を使うんですけど、その居というのは、着る方ではなくて、居場所の「居」なんです。
京都という中で、移住してきた人たちが、引っ越してきたその時から、既に受け入れられる雰囲気がそこに存在するということを大事にしているんです。
受け入れるための移住茶論、場づくりというのが、私たちの取組みの一つの大きな柱になっているんです。
絹: お客さんやないんやと。エトランゼやないんやと。旅行者でもない。よそ者じゃない。
もちろん初めて来た人たちだけれども、受け皿と言うか、少なくとも数名、十数名の相談をかけたり、同じ思いを持っていたりして、「なんかコイツ、おもろいな」という人たちの輪がある。
岸: そうですね。
今、移住計画って、全国にあって、行政がやっているところも多いんですけど、私たちは本当に個人の思いからスタートしたところがあるんです。
ですから私たちのモチベーションとして、京都に面白い人が来たら、自分にも面白い友達ができたらいいなという思い、そういう人を京都に増やしたいし、来てほしいなという気持ちでやっています。

 ●移住者と古くから住んでいる人たちとの交流へ
絹: 片桐さんも僕も、問題意識として、地域の居場所づくりと言うか、片桐さんは“新大宮 みんなの基地”というのを長らく運営されていて、新大宮商店街の空き店舗を自分の事務所にして、地域に開放して、大学生が集ったり、ご飯を食べたり、小学生等の小さい子の勉強する場になったりと、そういう居場所づくりをすごく大事にされてきましたよね。
片: そうですね。
絹: まちの縁側という言葉も、サードプレイスという言い方もあるかもしれない地域の居場所。
それが今度は地域の居場所兼移住者居場所、片桐さんは面白い発展のしかたをしたはりますねえ。
片: さらに言うと、移住者のコミュニティだけじゃなくて、僕は京都出身だし、商店街だったら周りの人は割合京都に古くからいる人で、そこに若い人たちや移住してきた人たちが入ってきて、なかなか普通にやっていたら、古くからいる人たちと移住してきた人たちって、交わるきっかけがないんだけれども、そういう色んな活動を通して、移住してきた人もずっとここで暮らしている人も、すぐに仲良くはならなくても、「あ、こんな人がいるんだ」とお互いちょっと顔が見える場づくりをしていけたら、すごくいいなと。
それが京都の色んな場所で、その場所場所で行われていたらいいなと思っていますね。
絹: リスナーの皆さんにとっては、場づくりという言葉は耳慣れない言葉かもしれません。
でも都市計画分野だとか、まちづくりに関わる専門家、活動をしている人たちのなかでは、だいぶ定着している言葉です。
「場をつくる」これはひょっとしたら京都のまちの底力、基礎体力を上げる一つの柱になるかもしれないという仮説を、僕はなんとなく(研究者ではないのでレポートを書いているわけでもないのですが)思っています。

■第三章  京都移住計画の新しいこころみ
 ●京都おためし移住、やってます
絹: さて、ここで告知をちょっと膨らませましょうか。
また岸本さんが面白いことをやろうとしているという・・・。
岸: はい。移住計画で新しい試みをしていまして、今、「おためし移住」というのをやっています。
移住茶論で移住者の方のお話を聞いていると、移住を実際してしまうと、元に戻ることはお金も時間も含めて厳しいので、本当に京都でやっていけるのか試してみたいという声が多くて、やはりこの需要は結構あるなと思っているところでしたので。
絹: 先ほどもおっしゃっていましたが、京都移住茶論をめがけて、旅行という形でおためしで京都にどんな居場所があるのか、移住計画の人たちって、どんなのと、まあ言えば視察に来るような旅行者もいるよと。
岸: それを何回か時間をかけて来るようになり、1~2週間とか1ヶ月住んでみて、ご家族の方なども特にそうですけど、やっていけるのかというのを試したいという方が多くて、おためし移住というのをやる必要があるなと思っていたところ、知人でニューヨークに仕事で2か月行かれる方がいて・・・。
絹: そこを留守の間、使ってもいいよと。
岸: そうなんです。本人も家に人を招くのに慣れている方だったので、「使ってほしい」と。
そもそも移住計画の存在を知って下さっていて、「何かできないかな」というご提案をまずもらって、2ヶ月おためし移住というのを、今やっている最中です。
今、折り返しくらいですね。京都の伝統工芸のPRの仕事を個人でされている30代の女性の方なんです。
日本でも事務作業的な仕事が残っているので、それを手伝ってもらいながら、住んでもらうと本人もうれしいしと(笑)。
伝統工芸の仕事に関わりたいという人がめちゃくちゃ多いので、それも含め、貸す側の人にとってもプラスになることになるので、お仕事を手伝って頂く分、2ヶ月の家賃は抑え目にして、募集をかけたんですけど。
絹: どうですか、皆さん聞いてらして。普通の転職サイトじゃないですよね。
ここでは先ほども片桐さんがおっしゃっていましたが、勤務条件とか報酬とか後回しですね(笑)。
岸: 一応、そういうのも書いているんですが、それが多少ちょっと厳しくても「行きたい」という方が多くて、女性に限ったりとか、募集期間も急だったりとかで、結構無謀な条件だなと思っていたんですけど、6組くらい応募をいただいて・・・。
絹: 僕も相談しようかなあ・・・。
岸: 本当にそういうニーズはあるんだなと思いました(笑)。

 ●おためし移住と言えば、こんな話、突拍子もないかなあ。
絹: すごく今、突拍子もないことを思いついた。僕の実家なんですよ。
おふくろが・・・、82歳なんですけど、6人で暮らしていた家で、今、1人で住んでいるんです。
このおふくろさん、わがままなので、実現可能性はないと思いますけど、たとえばそういう高齢者と京都に住みたいという人とがルームシェアと言うか、ホームシェアできないかと。たとえば福祉系の人で、半年間試しに、研修的に、高齢者と暮らすというのがどんなことかやってみたいという人がいたりすると、お掃除も買い物もままならない高齢者にとってはありがたいかなと。
たとえ半年でも京都で暮らしながら学校へ通うとか、ありえないかなあ・・・?
岸: いや、あり得ると思います。
それを不動産屋さんがやると、やっぱり違うなと思うけれども、京都移住計画という存在が間に入ると、すごくうまくいきそうだなという感じはありますね。
絹: いかがでしたでしょうか。
私はこの京都移住計画の人たちのメンツ半分くらい知っています。
岸: ありがとうございます(笑)。
絹: 何かやらかしてくれそうなと言うか、期待を込めて、それからこの方たちのこういう触媒を京都に一滴二滴三滴入れてくださったことで、京都を思い、エネルギッシュに動こうとしている人たちに余波が来つつあるように思います。
ぜひぜひ、京都移住計画ご注目ください。
ありがとうございました。
一同: ありがとうございました。
絹: この番組は、心を建てる公成建設の協力と、そして我らが京都市・景観まちづくりセンターの応援でお送りしました。
ありがとうございました。
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