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放送日 平成18年4月5日(mp3形式音声ファイルはこちら→)
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 放送内容は、著作権の保護を受けますので、個人でお聞きになる以外のご利用は出来ません。
ちょびっと
タイトル: 「千本コーポラティブ物語(その5)」
テーマ: 京都市 都市計画局住宅室 住まいまちづくり課 高杉 学氏と千本定借コーポラティブ住宅建設準備組合代表 平井 斉己氏をお迎えし、京都市の挑戦しているパイロット・プロジェクト(マイクロPFI/ミニPPPと位置づけられる)について熱く語っていただきました。
出演者:
高:高杉 学氏 京都市 都市計画局住宅室 住まいまちづくり課 課長
平:平井 斉己氏 千本定借コーポラティブ住宅建設委員会委員長
絹:絹川 雅則 (公成建設株式会社)
ちょびっと
 放送内容については、無断使用を禁止させていただきます。この件についてのご連絡はこちらまで。  
絹: :まちづくりチョビット推進室!
************************************************************************
絹: 皆さまこんにちは。
まちづくりチョビット推進室の時間がやってまいりました。
この番組は、地元の建設屋から見た、京都の元気な“まちづくり人”の紹介や、その最前線をご紹介しております。
いつもと違いまして、今日は松岡千鶴さんがおられません。
私、まちづくりチョビット推進室、絹川が今日はお送りします。
それと、まず、今日の特別ゲストをお二人紹介します。
この番組としては、記念すべきゲストをお迎えしております。
なんとなんと、京都市 都市計画局住宅室 住まいまちづくり課 高杉 学さんであります。どうぞ。
高: 高杉です。本日は出演の機会をいただきまして、本当にありがとうございます。
よろしくお願いします。
絹: 来てくださって嬉しいです。
そして、平井さんは3回目のご出演になるんですね。
平: はい、そうです。
絹: 千本北大路、千本“まちづくり”のまちづくり組織と言いますか、“まちづくり”をされています、平井斉己さんです。
平: こんにちは。三回目の出場と言うことで、又お話しさせていただきます。
よろしくお願いいたします。
絹: ありがとうございます。お二人ともよろしくお願いします。
高:平: よろしくお願いいたします。
絹: はい、今日のタイトルですが、「千本コーポ物語」なんと「その5」なんです。
続き話が「その5」までまいりました。
高: あぁ、すごいですね。
絹: はい。では、復習からまいります。
平: はい。
絹: 私の方から復習をザッとさせていただきますので、たらんとこは、又たしてくださいね。
平: はい。
絹: 京都は仏教大学の側。大徳寺の側。
非常にロケーションの良いところに、千本北大路と言う場所があります。
その北東の角、京都市のもたれてる土地、600平米ほどでしたか・・
高: そうですね。660平米ですね、はい。
絹: その土地の上に、定期借地権で7戸のコーポラティブプロジェクトが発進しています。
これを私は勝手に、「千本コーポ物語」と呼んでおりますが、私はこのプロジェクトが「すごい!」という風に、注目をしておりました。
そしてなんと、去年の8月頃から、この番組で取り上げさせていただいております。
何故すごいのか?
何故すごいんだ?と言うことを、今日はお二人に・・京都市の高杉さんと、それから平井さん・・千本まちづくり組織の平井さんに語っていただこうと思います。
プロジェクトの進行段階と合わせて、皆さんにお伝えください。
では、よろしくお願いします。どちらから行かれます?
平: では私の方から。
絹: はい。じゃぁ平井さんお願いします。
平: 三回目ですけども、事業推進している、或いはそのコーポラティブ住宅の建設組合・・今後管理組合になっていくと思いますけども・・その組合員であります、代表を務めております平井と申します。
三度目もよろしくお願いいたします。
これまでのお話で、大分進んでいるのは・・まずは・・実はかなり計画が進んでまして・・
絹: はい。
平: もう既に、個別の設計がほぼ出来上がる、ちょっと前なんですね。
絹: ハイ、そうですね。メンバーさんがやっとこさ集まって・・
平: そうです。
絹: 7名の方があつまってくださって・・
平: はい。
絹: 個別設計に入ってらっしゃる。
平: はい。
絹: はい。
平: 個別設計も、このままで行きますと、多分4月の上旬には上がりまして・・
絹: はい。
平: うまいこと行けば、5月から、もう既に工事に入れるかなぁと。
こんなところまで来ています。
絹: はい。
平: まぁやっぱりコーポラティブ住宅なので、7軒或いは6軒の方達の組み替えが、非常におもしろくって・・
勿論、集合住宅ですので、今現在1階から一部3階と、言う建物になっているんですけども、単純にマンションの集合住宅のような形では無しに、「積み木方式」みたいな形で・・・
一軒の上の方には、違う方の家が乗っていたり、或いはその横っ側、違う人の家が横っ腹から突きつけてくると・・・
絹: はい。
平: 言う風な形で・・入り組んだ形で、全体的に建物は「コの字」にはなるのですけれども、その中で、いろんな形の住宅があると言うことでは・・
外からではなかなか見にくいんですけども、中側からは良く判りづらい・・・
或いは、そう言う意味ではおもしろい建物になっております。
絹: みなさん、今のコメントから、なんか感じませんか?
平井さん・・これ入居者の代表的なお世話役ですけれども・・なんかねぇ、平井さんが生き生き喋ってる・・・
このプロジェクトが、非常に楽しみで楽しみで仕方がないって言うのが、僕には感じられます。
平: はい。
絹: 「コの字」型の平面計画っておっしゃいましたけれども、多分これは、皆さん・・6人なり7人なりの人が一緒に住むと、皆さんが「コの字」の中心に、なんか集まってきそうな・・・
お互いの関係性が生まれそうな、そんな予想がされますね。
平: はい。ちなみに私どもの・・・私の家自体も、もう既に15プランと言う形で・・・
設計士さん泣かせって言うんですかね?
「少しこれ変えて」「あれ変えて」と言うことで・・知らない間にもう15プラン目に入っています。
絹: 平井さん。
平: ちょっと泣かせてますかね?(笑)設計さんを・・・
絹: それ、思いっきり泣かせてますよ。(笑)
担当の設計士さん、かわいそうやな、と思いますけども・・
平: はい。
絹: だけど、それぐらい・・そう言うのにもつきあおうと言う人だから・・
平: はい。
絹: 誠実な設計士さんだと思いますよ。
平: またねぇ、おもしろくてねぇ。今回は・・前もお話をさせていただいたんですけども、兵庫県からの参加の方は、実は、たまたま少し後に参加されたこともあるんですけども、離れ的な一部で・・その方は1階のある区画を居住・・或いは住居に、普通のパブリックスペース取っているんですけども・・
絹: はい。
平: もう一つ、2階の端に、あえて離れて・・「離れ」みたいな形でもたれているという、おもしろい家も有ります。
絹: いやぁ、そりゃぁ珍しいパターンですね。
平: 計画を見ていると反対に、私もうらやましいなぁ、と思うぐらい・・・
まぁどの様に使われるかは、今後考えられるみたいですけども・・
絹: はい。
平: 書斎的な位置づけであったり・・・
絹: うーん。
平: 或いは、今後家族が少し変動有ったときの運用が出来るようなスペース、と言う形で考えられているようです。
絹: リスナーの皆さん。色々・・なんか毛色の違った集合住宅だなぁと、言うことを感じていただけましたでしょうか?
コーポラティブって言うのは、そう言う性質を持ちます。
平: はい。
絹: さて、平井さんに口火を切っていただきまして、次はですね、京都市の住まいまちづくり課の高杉さんに・・
高: はい。
絹: 継ぎ足していただきましょうか。
高: そうですね。ちょうど、この一年ぐらい前ですか・・からは想像できないような状況かな、と今思ってます。
絹: はい。
高: と言いますのは、ちょうど7軒ぐらいの方がですね、一年前に組合員さんとして「参加しよう」・・そう言う候補者の方いらっしゃったんです。
絹: はい。
高: その方の内、3名さんが辞退されるなど、なかなか人が集まらないという状況が有りました。
絹: ピンチがありましたね。
平: 有りました。
高: 組合員さんになる候補者を集めるのは・・そこまでは行政として、何とか募集をしていきたい事で、その分の責任を感じてましたし、なかなか事業が進められないと言うことで、平井さんの方にも相当、ご苦労かけました。
絹: はい。この番組でもですね、「ピンチなんです」と・・・
「入居者が集まらないとこのプロジェクトは消えてしまうかもしれません」
平: そうですね。
絹: SOSの放送をしたこと有りましたね。
平: 有りましたねぇ。
高: 8月ぐらいでしたかねぇ。
絹: そうですねぇ。
高: 「まちづくり学習会」なんかもですねぇ、開催したりして、実際にコーポについてのイメージを皆さん持っていただこうと言うことで、とりあえず参加者の方集まってもらって、イメージを作って、膨らましていただいて、それを・・ウリをみんなで考えようと・・・
絹: はい。
高: そういうものを・・チラシを作って募集をかける。ここまではですねぇ、地元の方がやっていただいた・・
絹: はい。
高: って言うのは、行政としては、本当にもう・・一歩踏み出してね・・
絹: はい。
高: 自分達の事業として取り組んでくれたなぁと・・
募集の段階から取り組んでくれたなぁ、と言うのをすごく感じています。
絹: はい。
高: はい。
絹: またまたリスナーに呼びかけますが・・
平: はい。
絹: 高杉さんの今の喋られた口調から、なんか感じません?皆さん。
この方、市役所の・・行政マンですよ。
高: そうですね。
絹: なんか今までの行政マンのステレオタイプとちょっと違いませんか?
平: この間のお話もさせていただいているように、今回のコーポラティブ住宅は、当然入居者が一つの主体となるんですけれども・・
絹: はい。
平: 大きくやっぱり違うのは、行政が全面的にバックアップをしている。
絹: はい。
平: サポーターでは無しに、むしろ事業計画者の一人である、と言うことが、大きな違いだと思います。
絹: はい。誤解を恐れずに言ってしまったら、プロデューサー・・
平: はい。
絹: 或いは、もっと悪い言葉で言ったら「胴元」?
平: はい。
高: はははは(笑)
絹: 仕掛け人?
平: そうですね。
絹: 私はですね、地元の建設屋の立場から見て、この番組で前も語りましたけれども、「千本コーポ物語」は、京都市住まいまちづくり課の冒険であると・・
京都市さんとしては、非常にこれは先進的なパイロットプロジェクトを・・・
しかも静かに・・粛々と、宣伝もせずに、大変なご苦労を、パイロットプロジェクトに突進してると。
だから皆さん、「注目して。」「応援してください。」って言うことを申し上げました。
高: ありがとうございます。
絹: そう言うことを感じさせるお仕事ですよね、平井さん。
平: 今回のねぇ・・やっぱり一つ違うのは、お話をさせていただいているように、一緒に造っていくと言うよりも、事業者の一人である。
勿論入るのは入居者なんで、住んでいくのは入居者なんですけども、そのシステム作りであったり、呼びかけ方法・・・実は、なかなかここで語りきれないんですけども、定借の考え方であったり・・・
絹: 定借って、定期借地権のことですよ。
平: 定期借地権の考えですね。一定期間、所謂、公の土地を民に貸し付ける・・
絹: はい。
平: これはなかなか・・初めての取り組みなので、この理屈づくりと言うのが、何年もかかって、やっと進んだ。
そう言うサポートしておられるのが、まず京都市の行政の方々です。
高: そうですね。平成8年ぐらいから、地元の方からそう言う御要望いただいて・・・
絹: なんとなんと、平成8年?
高: 10年ほど前ですね・・
絹: 今何年ですか?平成・・・
平: 18年ですね。
絹: ありゃぁー
高: それから京都市の方で、この事業を進めるという方針が立ったのが、平成10年の終わり頃だったと思うんです。
絹: はい。
高: それから国の方の制度もですね・・要は補助金を負うという制度がですね、立ち上がったのが、大体・・11年ぐらいということで・・・
絹: はい。
高: まぁそれから、徐々に進んできたという・・・
絹: ホントに息の長いプロジェクトですね。
平: はい。
絹: それが、まさに、発進前夜にあると、言うことで・・・
途中でつぶれなくて良かったですね。
平: でも危機は沢山ありましたから・・
絹: (笑)
平: 有る意味、コーディネーターしてる方が・・おっしゃっていただいているんですけども・・・
絹: はい。
平: 「建つまで判らないよ、コーポは」と・・・
絹: あっはっはっは。
平: 「まだ安心しては駄目だよ」と・・
絹: そうそうそう・・
平: まだ、有る意味で、脅されているんですけども・・
絹: はい。
平: 実は、計画の中で、ついこの前ももめて、ホントに組合員の方がそのまま入居できるかという、ちょっと危ない部分もありました。
絹: うーん。
平: でもそれも乗り越えて、今一緒にやっていますから・・・
なかなか・・・気持ちを緩めてはいけないんですけれども、やはり現実に近づいている。
ちょうど先週の土曜日なんですけれども、積み木の模型を、それぞれの設計士さんが作ってきた物を合わせて、より現実味を帯びたものに仕上げてきました。
絹: はい。
平: 段々段々、こう・・実感をしているところなんで・・ホントにこのまま突っ走っていきたい。早く入居したいなぁって言うの、ちょっと手前でがんばっています。
絹: そうですね。
あの・・高杉さん、ねぇ。
行政のお立場で、言うに言われぬご苦労が有ったと思うんですよ。
高: わはは。(笑)そうです。
絹: 行政マンで・・影のプロデューサーというか、表のプロデューサーというか、こういう新しいことにトライされていた中で、今一番記憶に残ってられる事は、何かありますか?
高: そうですね。やはり、参加者が集まらないという時にですねぇ、事業を・・止めよかと・・勇気ある撤退もあるよと、いう声もですね、実は、行政内部でも、何度か出てた場面があったんです。
絹: はい。
高: それを支えてもらったのが、「地元がやる気が今あるんだから、これをサポートしていきたい。」というね・・・
それを・・市役所の中・・行政としても、「あっそれだったら、一緒に汗かこうじゃないか」と言う風に、なれた事が一番・・仕事やっている上で励みになりましたし、良かったのかなぁと思っています。
絹: 組織の内部で・・私、御池城・・って言いますか、市役所の中入ったこと無いので、働いたこと無いので判りませんけども、多分色々想像しますに、大企業ですから・・
高: そうですね。(笑)
絹: 上や・・横や、いろんなところから、矢や石やつぶて、飛んできてたんじゃないですか。(笑)
高: そうですね。最初の内は時間稼ぎみたいなね・・
絹: はい。
高: もうちょっと待ってもらったら形になるって言うようなね・・感じのところもありましたけれども・・・
こうやって目鼻付いてくると、やっぱり注目もしてますし、先導的なね、やっぱりプロジェクトですから、何とか成功させていきたいって言うのは・・皆の願いですし・・・
絹: あの、ホントに山あり谷ありを乗り越えてこられた行政マンチームが、この高杉さんの背後におられるはずです。
平: はい。
絹: そして、皆さんにもう一度、あえて申し伝えたいんですけれども、この番組は・・・日本で初めてのNPOがやってる放送局でやってる放送では有りますけれども・・こういうところにですねぇ、行政マンが出演してくださると、言うこと自体、実はすごいハードルを越えてきてられるんですよね。
平: そうでしょうね。
絹: 僕にとっては初めての経験なんです。
私は一般企業の人間ですから。
と言うことは、それほど、思い入れがあると・・・行政の方にも、平井さんと同じ様な思い入れがある。そして私達のような、押しかけ応援団の者たちも・・地元の建設屋風情も、このプロジェクトを非常に応援したいと思っていると。
何故なんでしょう?
平: 大きな意味で行けば、僕はやっぱり、国の言っている構造改革であったり、様々な今までのシステムの再構築・・有る意味破壊にはなると思うんですけども・・
絹: はい。
平: それをやっぱり京都市は、コーポラティブ住宅の一つの考え方に基づいてですけども、突破してきている・・言うことだと思います。
だから僕は勿論、自分が入居者にも入りたい・・それもあるんですけども、これをきっかけに、もう少し違うレベルでも、何かの考え方の再構築・・これをしていきたいなぁと思うので、それをやっぱり京都市は、自らやっぱりしていこう。
理解者となるだけでは無しに、事業主体者となって行くという、大きな流れのスタートだと思います。
絹: あのぅ・・リスナーの皆さん・・・行政、或いは行政マンについて・・お役所と言い換えても良いかもしれません。
こき下ろしたり、文句言ったりする事多いけれども、平井さんのように褒め称えるというか・・
平: (笑)
絹: 応援する・・
高: ありがとうございます。
絹: ・・というような言葉を、聞くことは少ないんじゃないでしょうか?
高: あぁ、そうですね。
そんな風に言っていただくと、やり甲斐が本当に出て来ますし、やってて良かったなぁと言う風にねぇ、思いますねぇ。
特に、この事業につきましては、いろんな住宅政策って言う・・
絹: はい。
高: ・・絡みが、やっぱり京都市の中でございますので・・
絹: はい。
高: いろんな、住宅供給の在り方をお示ししていく、一つのそう言う意味ではパイロット事業かなぁと・・・
ただ、課題として、二つ難しい問題を同時にやると言うのがあります。一つは・・・
絹: ふた・・二つもですか。
高: 定期借地・・
絹: はい。
高: ・・を進めるというのは、なかなか難しい問題がねぇ・・
絹: はい。
高: 土地の所有意識というのが、我々強いですから。
絹: はい。
高: それを借りて、自分のものにならないと言うのがねぇ・・
絹: はい。
高: 有りますから・・・
やっぱり、一般定期借地権て言うのを普及していくって言うのも、一つの行政の役割かと思いますけれども・・
絹: はい。
高: それを、解っていただくのも一つのハードルですし・・
絹: はい。
高: あと、コーポラティブ住宅って言う方式もですねぇ、自分達で設計をして行くって言う、その・・いろんな・・・
まぁ土地の購入とかね、そう言うとこから始めていくわけですけれども、今回は土地はお貸しすると言うことですけれども・・・
そう言う設計から施工まで、すべてを、何人かで集まってされるというのも、なかなか難しい・・
絹: はい。手間がかかります。
高: ・・もかかりますし、時間もかかりますし・・ノウハウもね、無いところから進めていかないといけないと言うのがありますから、大きなハードルとなります。
絹: はい。
高: まぁ、そう言う中で、今回・・・先ほど、ちょっと・・この番組にも以前出られた、ケースまちづくり研究所の代表の寺川さん。
そう言う専門家を・・呼び寄せられたと言いますか、これも京都市の方で、パートナーシップで・・地元とのパートナーシップで、いろんな事業進めるという事で、「住まいまちづくり支援制度」と言う制度をですねぇ・・
絹: はい。
高: 平成13年度に創設しまして・・
絹: 13年に?
高: はい。で、15、16、17・・三カ年、寺川さんを派遣させていただいたという・・
絹: はい。
高: こういう制度的な裏打ちも有ったのが大きいのかなぁと思ってます。
絹: ちゃんと着々と、京都市さんは・・或いは都市計画局さんは・・住まいまちづくり課さんは、そう言う手をですね、着々と打ってられたと・・・
その結果として、こういうプロジェクトが浮上して、生まれ出でたんだと言うことですよね。
ここでね・・
高: はい。
絹: もう一度コーポラティブと言うことについて・・
平: はい。
絹: この番組をお聞きの方は、何度も言ってますから・・ご理解いただいているとは思いますけれども、コーポラティブの特長をザッとおさらいさせてくださいね。
平: はい。
絹: 普通の建物、共同住宅の場合は、お客様は建物が出来てから入居をされますよね。
平: はい。
絹: それの逆転をやってるわけです。
高: そうそう。
平: そうですね。
絹: 誤解を恐れずに言うと、お野菜で「産地直売」?「直送」?
お百姓さんの、作られた方の顔が見える作物を、この頃・・・
高: 良くありますね。
絹: 消費者は求めますよね。
平: そうですね。
絹: それに近いことを建物でやろうと言う・・動きにも似てます。
高: はい。
絹: そして、中間マージンを省いて、出来るだけ透明な形で・・原価で、安く良いものを手に入れよう。
高: はい。
絹: ・・言うのがコーポラティブでもあります。
平: はい。
絹: そして、その分、間に入ってくるマンション業者さん・・マンション業者さんには悪いんですけれども・・勿論大切なお仕事なんですけれども・・・マンションデベロッパーさん達が、宣伝費用を掛けたり・・・
それからモデルルームを建てたり、広告を打ったり、と言うことの費用を外してしまうことで・・その分を自分達の思い入れのある設計に、自分達で汗かいて、入居者が造ってしまおうと・・
平: はい。
絹: 「始めに入居者ありき」のやり方を“コーポラティブ”。
コーポラティブって、みんなで協力して、組合を作って、それで建物を発注してしまおうと・・・簡単に言うとこういう事でよろしいですか?
平: そうですね。うちもそうですけども、同じ様な計画であって、なかなか本当に難しかったのが・・
広い土地に、
「ここに家を建てます。」「ここに集合住宅を建てます。」
「さぁ皆さん集まってください。」
絹: はい。
平: 「どんなもんなんねん?」
「幾らすんねん?」
と言うことから、なかなか御理解が難しくて・・いただけなくて、本当に前もお話しさせていただいたんですけれども、のべで言うたら30人近い方が興味を示していただいて、辞退をされた方、或いは残っておられる方も有るんですけれども・・・
なかなか今のシステムで・・初めてのものなので、その取り組みが、理解が難しかったと言うのが、大きな、やっぱりハードルだったのかな、と思います。
絹: はい。ですけれども、ここで京都市さんが登場されます。
私は・・私も実はコーポラティブの住人なんですね。
平: はい、そうですね。
高: はぁ、そうですか。
絹: 自分の自宅で、定期借地権型のコーポラティブを・・
高: えぇ。
絹: 二年半前に竣工させました。
高: はぁ。
絹: 13家族の方と。私も入れて13家族です。やっぱり人集め、苦労しました。
平: はい。
高: うんうん、そうでしょうね。
絹: ところがね、今回やられたプロジェクトが、何故・・何処がすごいのか、優れているのか。
絹川って言う一私人が・・個人が、自分の土地でそう言う計画をやるのと、京都市所有の土地で・・・まぁ私よりも京都市さんの方が信用有りますよね。
平: いやいや・・あのぉ・・・絹川さんも信用有ると思いますよ(笑)
絹: 信用有りますよね。京都市さんが持ってる土地で、京都市さんが声を掛けて、後押しをして、これをやる。
この意義はすごいと。
平: はい。
絹: 僕がやった時、「コーポラティブって何や?」「定期借地権って何や?」「“つくば方式”って何やろ?」「わからへんわ」
説明するのに、なかなか苦労をしたんですけれども・・・
高: はぁ、そうでしょうねぇ。
絹: でも、もしもこのことが広く知られて、京都市さんが手がけられた。
こういうのがあちこちで出来る、と言う風にして、平井さん達の動きが、いろんな人が理解されると、追随する人が出てくるかもしれませんね。
高: そうですね。それが大きいですね。
京都市として支援するときにですね、モデルケースとしてね、見ていただいたら、
「あれやってみよう」とか言うことでね、皆さんがいろんなところで事業化していただくと、それはいろんな、多様な住宅供給に繋がりますし、京都市としてもありがたいなぁ、言う風に思います。
絹: あのぅ、高杉さんがねぇ、ニコニコして、こうやって語って下さるのはね、何故なんだろう?と・・・
やっぱりね・・その・・勝手に僕・・すいません、高杉さんのことを想像しますね。
平: はい。
絹: 高杉さんも、なんか・・やる気になっちゃってるんですよね。
平: あのぉ、そのとおりであってね、実はこの事業の大きな一つは、勿論入居者ですけども・・
絹: はい。
平: 京都市の担当者の方・・お話さっきさせていただいた通り、10年間、有りますから、当然何人かの方が・・担当の方が代わられていますけども・・
絹: はい。
平: やはりこの取り組みって、おもしろいよね。
高・絹: うんうん。
平: 精神的にやるべきだという大きな理念、って言うか一本筋が通ってますので、皆さん積極的に・・・反対に我々以上に、いろんなところにコネクションを使っていただいて、宣伝いただいたりと言うことで・・
どんどんどんどん宣伝いただいたことを考えれば、多分その方達は入居しない・・入居者ではないんですけども、応援をしたいと。
勿論自分達が事業者なんですけど、応援をしたいと言うことが現れていると私はいつも思ってます。
絹: そして、何故、高杉さん・・平井さん達がこんなに一生懸命になるのか?
勿論平井さんは、自分の入られるお宅ですから・・
平: はい。
絹: 一生懸命になるのは解る。
平: はい。
絹: だけどそれ以上に、僕には何か・・意気に感じて燃えている・・姿が見て取れる。
平: はい。
絹: それは何故なのか?勝手に又言いますけど・・
高: ふふ(笑)
絹: 多分、この手法と言いますか、「京都市住まいまちづくり課の冒険」と勝手に銘打っておりますが、この冒険は、非常に先駆的であると共に、今後広がりを持つんじゃないか?ってお二人とも感じてるからじゃないですか?
高: あっ、それは当然ありますし・・・京都市が出来る土地は限られているんですよね。
絹: うん。
高: だから、「こんな風に出来ますよ」って言うのをね、見ていただいて、皆さんがあちこちでやっていただける、そう言う事態がね・・状況が生まれれば、それは素晴らしいことだなぁと言う風に思いますし、その為にも、突破口としてね、是非これは成功させて行きたいなぁと思ってます。
絹: なんか、お二人とも自分達のためだけにやってないって言うか・・
平: はい。
絹: 勿論、自分達のために、仕事としても自分のためにもやってんだけども、それをちょっとはみ出た部分があるよ、と言うのが、なんかひしひしと伝わってきますね。
平: そうですね。私自身も、勿論、自分のものですけども、それ以上にこれを違う地域で、或いは全国で、どんどんどんどん発信していけるような取り組みを願っていますので・・
絹: はい。
平: それに向けて取り組んでいきたいと思います。
絹: さぁ、皆さん。この音楽・・BGMが流れ出すとですねぇ、あと3分ですよ、って合図です。
そろそろ、まとめに入らねばなりません。
まとめ・・どういう風にまとめましょうか?
・・・じゃぁ、僕の立場で・・地元の建設屋の立場で、何故応援するのか、何故注目するのか・・・
平: はい。
絹: これは、京都市の建設投資・・平成7年が確かピークで・・
高: あぁ、そうですか。はい。
絹: で、今それが50%とか60%に下がってる。
平: はい。
高: うーん。
絹: 地元の建設業者って言うのは、仕事がない。どんどんつぶれていく。
平: はい。
絹: 発注者の京都市さん・・・色々仕事したいけども、お金がないから、無い袖は振れない。
高: うん。
絹: だけど、やらねばならん事はある。
で、このプロジェクトは、やらねばならんプロジェクトだけども、民間の人達のお金を持ってきて、京都市が土地貸すからそこでやってみろよと・・・
高: そうですね。
絹: 言う、プロデューサー的な仕事なんです。
高: はい。
絹: これは僕は、公の新しいタイプの仕事の仕方だと思います。
高: そのとおりですね。
絹: そして、我々地元の建設屋は、そう言う仕事のやり方に注目して、そう言うお手伝いをして行くことで、新たな市場が生まれるんじゃないかと期待しておりますし・・
高: はい。
絹: 意気に感じる人達がやる仕事を、一緒に手伝いたいと・・思ってます。
てな事で・・もうちょっと時間有りますかね?・・あと30秒。
平: 出来れば、この第6弾、7弾、8弾と言う形で、千本コーポの取り組みを、この場で報告できればありがたいですし・・
絹: はい。
平: そんな取り組み、或いは報告にしていきたいと思います。
絹: はい、解りました。では又、皆さんとお会いすることが出来ますように、このプロジェクトが成功するようにお祈りしております。
今日は、京都市都市計画局の高杉さん。
高: はい、ありがとうございます。
絹: 千本まちづくり組織の平井さん。
平: ありがとうございます。
絹: どうもありがとうございました。
平: どうもありがとうございました。
高: ありがとうございました。
絹: がんばってくださいね。
平: ありがとうございます。
高: はい、がんばります。
絹: 又、お耳にかかります。
この番組は、公成建設の協力でお送りいたしました。
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