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放送日 平成19年1月10日(mp3形式音声ファイルはこちら→)
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 放送内容は、著作権の保護を受けますので、個人でお聞きになる以外のご利用は出来ません。
ちょびっと
タイトル: 「まちづくりの最終形って何なの?」
テーマ: 嵐山、東山という京都を代表する観光地の二大スポットの交通問題から、まちづくりに取り組む、京都市都市計画局交通政策室の岩本主任に語っていただきました。
出演者:
岩:岩本 剛氏  京都市都市計画局交通政策室 主任
絹:絹川 雅則 (公成建設株式会社)
ちょびっと
 放送内容については、無断使用を禁止させていただきます。この件についてのご連絡はこちらまで。  
絹: :まちづくりチョビット推進室!
Give me thirty minutes,I will show you the frontline of “まちづくり” and “まちづくり” people in KYOTO.
************************************************************************
絹: 皆さま、こんにちは。
まちづくりチョビット推進室の時間がやってまいりました。
この番組は、地元の建設屋から見た、京都の元気なまちづくり人の紹介や、その最前線をご紹介しております。
本日の、ゲストコメンテーターは、京都市都市計画局交通政策室の岩本さんにお越し頂きました。
岩: 岩本です。よろしくお願いします。
絹: よろしくお願いします。
岩本さんは、京都市の別の友人知人に言わせますと、「京都市の暴走列車」と言うあだ名を持っておられるそうです。
岩: (笑)
絹: ですから、「暴走しないように、絹川さん気をつけてね」と言う、アドバイスを頂いておりますが、さてさて、どのようなお話が聞かせていただけますでしょうか。
岩: ありがとうございます(笑)。
絹: それと、加えて私は、公成建設まちづくりチョビット推進室長、絹川と申します。
この番組は、公成建設の協力でお送りいたしております。

さて、本日のゲストコメンテーター、都市計画局交通政策室の岩本さん。
岩: はい。
絹: 友人を介して岩本さんに紹介していただいたわけですけれども・・・
岩: はい。
絹: 今日のテーマ・・ですね。
基本的に、「まちづくりの最終形って何なの?」と言うところを、岩本さんに熱く語って頂きたいんですが、リスナーの皆さんに、岩本さんを紹介するにあたり、初めから「暴走列車」なんて言ったら、失礼ですよね。
岩: あっはっはっ(笑)。いえいえ、よく言われておりますが。
絹: では、まず初めに、岩本さんに語っていただきます。
嵐山・・観光地であります、京都の嵐山と、東山。二つの場所がありますけれども、交通政策室と言うところで、「交通社会実験」と言うような事を、担当しておられるって言うのが、本来のお仕事ですね。
岩: はい。「交通社会実験」と言う形じゃなく、やはり嵐山、東山・・そう言った観光地、京都を代表する観光地の二大スポットであるわけですから・・・
絹: はい。
岩: そこの交通渋滞がかなり酷いと・・・言うところで、その交通問題を何とかできないのか、と言うことで・・そう言う切り口から、まちづくりに取り組んでいっていると言うのが、私の仕事だと、私は思っております、はい。
絹: かなり・・やっぱり渋滞ってきついんですか?
岩: そうですねぇ。今年も、11月の25日ですねぇ・・・が、ピークだった訳ですが、若干天候の加減も有りまして、昨年よりは観光客数が少し減ってるのかな?という感じもしましたが、やはり25日の天気の良かった日につきましては、かなりの方が京都に訪れられまして、渋滞もすごいー・・・まぁ昨年以上に伸びたと言うような・・・京都の交通が麻痺しているような状態でございますし・・・
絹: うーん。
岩: また嵐山、東山と言った、その周辺につきましては、全く車が動かないと、言うような形で・・・地元住民の方々の足も奪ってしまっている・・
絹: うーん。
岩: まぁ、そう言った状況でございます。
絹: そう言うことを問題だととらえて、何とか知恵が出せないか?って言うことをやってられるわけですね。
岩: はい。
絹: 確か・・・私も記憶がありますが、ライトアップなんかがございましたですよね。
岩: はい。
絹: その時・・・うちの会社が五条にあるんですけども、五条から京都駅の向こうの七条・・八条・・向こうの辺にホテルが有って、そこの会場で会議があって向かおうとして、タクシー飛び乗ったら動かなかったと・・・
岩: そうですねぇ。タクシーもそうですし、公共交通でございます京都の市バス・・・
絹: はい。
岩: そうですねぇ、バスで五条坂から京都駅まで・・・シャトルバスが、ピーク時には出ておるんですが、観光ピーク期におきましてはシャトルバスが京都駅まで、約1時間ぐらいかかると・・・
絹: はい。
岩: まぁ、普通車で行くと、約10分ぐらいで行ける距離なんですが、1時間もかかってしまうと、言うような状況にもなっております。
絹: その困った状況を、何とか打破するために、岩本さん達、京都市の人達が、出している知恵と言いますか、試しておられることは・・どんなことを試しておられるんですか?
岩: そうですねぇ。やはり、抜本的に改善しなければならないというような形で動いておるんですが、やはり、まず原因を知ろう、と言うことで、昨年17年、16年、東山におきましては、東山の五条坂ですね。
絹: はい。
岩: そちらを封鎖すると・・・言うような、社会実験を実施させていただきました。
絹: えっ?えっ?五条坂、封鎖してしまったんですか?
岩: そうですね、封鎖と言いましても、公共交通と位置づけられております観光バス・・
絹: はい。
岩: あとはタクシー・・のみは、入ることが出来ますが、一般車両につきましては、「進入禁止」と言うような・・・
絹: 所謂、自家用車は駄目と・・
岩: そう言うことです。
絹: はい。それで、そこから何か、学ばれたと言いますか、判ってきた事って言うのは、有りました?
岩: そうですね。昨年の社会実験の結果を、簡単の紹介させていただきますと・・
絹: はい。
岩: 16年まで・・以前までは、東大路通りは・・・京都の方は、東大路通りを、たぶん避けて通られると思うんです。
絹: えぇ、そうです。そうです。
岩: ですから、この実験中は、五条坂を一般車両通行止めにして、比較的流れることは判りました。
絹: はい。
岩: 何故、流れたのかと言うことを考えますと、これは、今まで観光客が、駐車場を求めてウロウロしている・・・
絹: えぇ。
岩: そこの目的地の近くに、駐車場を探してうろついている車が、入れなくて、また次の駐車場を探す。
絹: うーん。
岩: その周辺を、ウロウロウロウロしている。それが、原因だったと言うことが判りました。
絹: ほーぅ。
岩: それと同時に、駐車場不足というのも、大変な原因になっております。
絹: はい。
岩: ただ、駐車場が不足しているというのも、なかなか難しいんですが、観光地京都・・・京都の観光地というのは・・・私は、日本を代表する観光地だという風に思っております。
絹: はい。
岩: 清水寺、嵐山。こちらは日本一の観光地・・一、二を争う観光地だという風に思ってますし、そこに来られるお客様は、渋滞に巻き込まれて、「何を見に来たんかな?」と言う風に帰られるんではないかなぁと・・・・
絹: はい。
岩: 駐車場が無く、そこを探してウロウロする。やっとの思いで寺迄到着した・・・大変な思いしますねぇ。そう言うこと考えますと、やはり京都の交通政策というのは、まだまだ未熟な政策やなぁ、と思っております。
絹: なるほど。やっぱり、折角ライトアップされて、美しいだとか、良い空気だとか、良い雰囲気に浸りにこられているのに・・その前後で疲れ果ててしまったり。
岩: はい。
絹: 人や車で、ガッカリしたりと言うことが無いように、お迎えしたいなぁって言う思いがあったわけですよね。
岩: そうですねぇ。そのために、我々として、社会実験と併せまして・・・
「パークアンドライド」って言うのを、皆さんお聞きになった事があるかどうか・・・
絹: はい。
岩: ちょっと離れた場所に車を停めていただいき、そこから、公共交通で、乗り換えていただいて、スムーズに観光地まで来ていただくような、そう言った施策をやっとるんですが・・・
絹: あのぅ、この間岩本さんに教えてもらったんですけども、大津市と連携して・・
岩: そうですね。
絹: パークアンドライドを試してられた・・と聞きましたが。
岩: はい。昨年から、本格的に大津市と連携し始めたんですが、大津市の浜大津の市営駐車場の方が有るんですが・・
絹: はい。
岩: そちらの方とパークアンドライドと言う形で連携しまして、浜大津の駅の中に駐車場があるような場所で、そこから、京阪電車又は地下鉄を乗り継いでいただいて、京都市内に約20分で来れると言う、便利なところなんですが。
絹: はい。
岩: その駐車場をですね、一日、24時間停めていただいても500円と言う形で、格安で、大変便利になっとりますんで・・・
絹: へぇー。
岩: 私が観光客で来るんであれば、まぁそこを使うなぁ・・と。言うような施策です。
絹: 私がいただいた、事前のメモに「大津市と連携して、サービスエリアのパークアンドライドを五倍」ってキーワードをいただいているんですが・・・
岩: そうですね、サービスエリア等でかなり周知、広報活動をしっかりやった訳です。
その中で、やはり大津へ降りていただこうと。
高速道路で来られる方につきましては、例えば南インター、東インターの渋滞・・これ出口でものすごい渋滞するわけですよね、まず。
絹: えぇ。
岩: それで市内に入って渋滞。駐車場を探して渋滞。こりゃ大変なことになります。
絹: はい。
岩: ですから、渋滞に巻き込まれる前に大津で降りていただき、そこからスムーズに京都市内に入っていただく。そう言った施策を、狙いとしてやっていったわけです。
京都市内にも、我々が用意したパークアンドライドの駐車場は有るんですが、なかなか「パークアンドライド」と言う名前が、ネーミングが悪かったのかどうか・・・
皆さんのニーズにマッチしてなかったのかどうかも有るんですが、なかなか伸びなかったというのが有るんですが・・・
絹: はい。
岩: 今年は「のりかえ駐車場」と、判りやすくネーミングも代えましたし、又料金の方も、京都市内で用意したパークアンドライドの駐車場・・のりかえ駐車場ですね、そこにつきましては「料金無料」と言う形で、設置させていただきました。
絹: あのぅ、「パークアンドライド」改め、「のりかえ駐車場」。
岩: はい。
絹: いま、お話しに出てきました、大津市の浜大津のところを、一日使っても500円。
岩: はい。
絹: それから、市内の方ではどういうところに、幾つぐらい有るんですか?
岩: 今回は4箇所、用意させていただきました。簡単に場所だけ・・皆さんちょっと判るかな?
京都南エリアとしまして、くいな橋周辺に・・・
絹: 「くいな橋」。はい。
岩: そちらの方に一箇所と。
絹: 地下鉄の駅で「くいな橋」って有りますね。
岩: そうですね。その周辺です。
それと、丹波口ですね。我が市の第一市場ですね。卸売市場の・・・
絹: 中央卸売市場。
岩: はい、はいそうです。市場の駐車場を利用させていただく。
絹: はい。
岩: そこで二箇所と。
絹: はい。中央卸売市場の駐車場って、KRP・・京都リサーチパークの駐車場じゃなくって・・
岩: そうです。卸売りでこられるお方の駐車場を、利用させていただいています。
絹: あのぅ、上にあがっていく、屋上の駐車場・・?
岩: じゃなく、ちょっと横にあるんですけどね。
絹: 有るんですか?
岩: そこを利用させていただいて・・また三条口。これは毎年、いつもお世話になっておるんですが、島津(製作所)さん・・の職員駐車場の方を利用させていただく。
絹: はい。
岩: 今年新たに、設置しましたのが、天神川四条ですね。そちらの方に、三菱自動車さん・・・
絹: 有ります、有ります。天神川四条、はい。
岩: そこと、日新電機さん。
絹: はい。
岩: ・・の、駐車場を利用させていただいて、パークアンドライドを実施させていただきました。
絹: それは、その企業さんが協力されているんですね。
岩: そうです。無償でお貸しいただいて、させていただいていると言う様な状況です。
絹: 観光客のパークアンドライドと言うか「のりかえ駐車場」に来た方は、お金をお支払いにならないんですか?
岩: はい。一切いただいておりません。
絹: あぁ、それじゃぁ、企業市民ぐるみで協力されているパークアンドライドと・・・
岩: そうです。はい。
絹: あぁ、それは知りませんでした。
岩: そこから、電車賃は各自で払っていただくと、言うような形になりますが・・・はい。
絹: 皆さんどうです?交通政策って言うと、なんか難しそうですけども、お客様を・・京都に来られるお客様を気持ちよくお迎えする工夫を、色々なさっていて、しかも他の・・一般の民間企業と協力されたり、大津市と・・お隣の大津市と協力したりとか言うことをされています。その結果、観光地の交通状態が・・・
岩: そうですねぇ。スバッと減ってくれればありがたいのですが・・・
絹: はい。
岩: やはり、まだまだ問題点って言うのは多々ありまして・・・
絹: あっ、そうですか。
岩: やはり、地元での取り組みって言うのは、かなり一番の問題点となってくると思います。
絹: はい。
岩: これが今、私どもがかなり苦労してます、課題の・・・おおきな課題なんですが・・
絹: はい。
岩: 地元での取り組みと言うのを、やはりしっかりやっていかないと・・・外側でしっかりフォローしましても、中のコアの部分でうまく行かなければ、これはなかなか・・・
「渋滞を解消したら、全て良しなのか?」と言うことは・・・これが全てでは無いと思うんです。
絹: 内側に、地元に問題があると・・・
岩: そうですねぇ。地元に問題があるというわけじゃないんですけどね(笑)、地元の方々が、この問題・・渋滞している市民の生活道路を麻痺させている、この状態を見て・・
絹: はい。
岩: 地元の方が、将来的にもこれでずっと良いのかどうかと言うのを、やはりもっと声を上げていただきたい、言うのを我々公務員としましても持っておりますし、我々の役割としましても、地元の立場になって、どれだけ地元と議論を重ね、その上で・・・まぁ100点満点の策というのは、これはなかなか出てこないと思うんですが、やはり、より100点満点に近い施策・・地元でのルール作りを、しっかり地元の方と決めていきたいというのが、今、我々の望みでありますし、今がんばっているところでございます。
絹: はい。岩本さんが変わってられると言いますか、注目すべき方だなぁと思うのは、「地元の声無しには行政は進めないんだ!」と言うことを常々主張されている、と言うこと・・
岩: はい。
絹: です。「まちづくり」「まちづくり」ってよく・・“まちづくり”と言う言葉が一人歩きしているけれども、一体本当のまちづくりを、「みんなが判っているの?」って言うことを、いつも問題意識として持っておられるそうです。
岩: はい。
絹: そこで、その問題意識をお聞きするために、「街中」と言うことに、話題を転じたいんですけれども・・・
岩: はい。京都市・・・昨年、京都市長の方から、記者会見等で・・新聞等々もにぎわしておりますが、河原町・・四条、御池、烏丸。そのエリアの中を「歴史的都心地区」と命名されまして、その中の京都の魅力を引き出していこうと・・・
その中で交通問題を切り口とした、交通社会実験をしていこうと・・・そういう風な形で、発表されました。
絹: はい。
岩: まず、「交通問題」「交通問題」と言う形で、一人歩きしておるんですが、交通社会実験・・社会実験と先ほど絹川さんからもいろいろ、どんなことか・・・
私ちょっと、絹川さんにお聞きしたいですか・・
絹: はい。
岩: 「交通社会実験」とは、どういうものだと思われます?
絹: えーっと・・詳しくはないんですけども、今まで岩本さんや他の方に教えてもらった、口伝えの知識ですけれども・・・
たとえば、五条坂でしたら、交通公共機関だとかタクシー以外のものをシャットアウトしてみた時に、地元からどんな不具合が起こっているのか、と言うようなことを綿密にインタビューするだとか・・・
それから、街中へ、本当にいろんな人が立たれて、交通量を調査されたりして、パークアンドライドと言いますか、交通遮断が交通渋滞を緩和しているのか?いうなのを、地道に拾って、データ拾いをしてはるという様なイメージで良いんでしょうか?
岩: そうですね、たぶん皆さん、そういう風にお答えになられると、私も思います。
絹: はい。
岩: 私自身は、ちょっと違う風に感じております。
絹: はい。
岩: 交通社会実験と言いますのは、やはり皆さん「実験」と言うだけ有って、いろんなデータ取り・・今言われましたような・・そう言った部分だけ・・・で、終わってみたら、書類が山ほど・・データ取った書類がいっぱいある・・・
絹: 報告の分厚いやつですね。
岩: そうですね。それが全てと思ってる、我が市の・・京都市職員も多数います。
これは、間違うてます。それは行政のための、行政の主導の、行政のためだけの交通実験なんです。
絹: はい。
岩: 交通“社会”が付くというのは、やはり“まちづくり”は切っても切れない。
絹: はい。
岩: どういう実験をするのかというのは、町の将来を見据えた・・・これは将来のビジョンを持ってですけどね・・
絹: はい。
岩: 将来を見据えた、その将来形を一度シミュレーションしてみようと・・・
それが、交通“社会”実験だと思うんです。
そのシミュレーションした中で、この町を安心安全・・・また交通だけじゃないんです。
環境問題も含めて、住んでる方が住みやすい。
お商売されている方が儲かる。
又事業者が・・・駐車場関係されている方がスムーズに儲かっていく・・まぁ儲かるばっかりでねぇ、あれなんですけど。
何が正直言いたいかと言いますと、みんながビジュアル的に見て満足していただく。
絹: はい。
岩: で、良かったね、って言うのが「交通社会実験」の成功になると思うんです。
データ取りをするのが「交通社会実験」じゃないんです。それを・・・
絹: はい。言い直しますとね・・・ごめんなさい、邪魔しました。
僕が言っている、或いは一般の人が思っている「交通実験」と、「交通社会実験」とは、大きく違うんだ、と言う岩本さんの主張であります。
その交通“社会”って言う、“社会”が付くからには、町の将来像を見据えたビジョンが・・“まちづくり”のビジョンが要るんだ。
岩: そうですね。
絹: 例えば、駐車場関係者の人だとか、若者だとか商店街の人だとかお年寄りだとか・・・みんなが少しずつ我慢してなきゃならない部分も出てくるかもしれないじゃないかと・・・
岩: そうですねぇ。
絹: それでも良いのかいと・・それでもやるのか?というような事を突きつけたい訳ですよね。
岩: そうですねぇ。やはりビジュアル的に見ていただくことが・・・そこで地元はどう思うんだね?と・・・
これは京都市から、地元に対しての挑戦状やと思うんです。
絹: はい。
岩: これで、「やっぱりこういうとこは、こうしたらよいね」。
「良かったところは、もっとええ様にのばしていこう。」
そう言った意見をしっかり集約できる。意見がもしあれば、京都市にどんどんどんどん言っていただければいいんです。
京都市をもっと困らせて欲しいんです。
絹: うーん。
岩: 京都市の主体でやってしまいますと、これ、地元の方の為にならないですね。
絹: うーん。みなさん・・今聞いてられて、岩本さんを・・どう思われますか?
この・・都市計画局の交通政策室の岩本さんというのは、担当行政マンです。
それで、行政マンが「行政マンらしく仕事したらアカン」なんて言い切る行政の方が、ここに今日はゲストコメンテーターとしておられる訳ですよねぇ。
岩: はい。
絹: 「京都市に挑戦状をくれ」とまで言われて・・
岩: そうですね。
絹: 別名、さっき「京都市の暴走列車」とか言いましたけども、もう一つ別のあだ名もお持ちのようでして。
「地元にケンカ腰で向かうヤクザな行政マン」、なんて言われているんですね・・・(笑)
岩: (笑)えぇ、まぁ・・色々と地元のねぇ、嵐山等の商店街で、行くたんびにケンカになってしまいますが・・・。
絹: ふっふっふっ(笑)
岩: でも、私はケンカするのは、いつでも「ケンカ売りに行ってますよ」と。
これは・・「私は、行政としてきてません。地元の一員として、一緒に議論しているんや」と・・・言うスタンスで行っております。
これは皆さん・・判っていただきたいのは・・行政マンの中でも、やっぱりそう言う人間がいるって言うのを判っていただきたいのと・・・やはり、行政にもっともっと真剣に向き合って欲しいと・・言うのが。
それで、地元が向き合っているのに、行政が知らん顔する行政マンは、こりゃ失格です。
絹: はい。
岩: これは「税金ドロボウ」って、罵ってやってください。でも、やはり地元の方々が、真剣に向き合う。それに対して行政が、どれだけ答えていくか・・・これが“まちづくり”だと思います。
よくねぇ、市役所のいろんな取り組みでも“まちづくり”って言葉が入ります。
絹: はい。
岩: 先ほども言ってましたように・・・
あれは、“まちづくり”“まちづくり”って言うてますけど、行政主体の・・主導の“まちづくり”です。地元が、しっかり、自分たちの住んでる町に誇りを持って・・・京都に誇りを持つ。
ちょっと又・・脱線しますけど、どっかのキャッチフレーズで、「日本に京都があって良かった」というのが、私みたときに、「おお、なるほどね」と思いました。
やはり、「どこ出身?」と言われたときに、京都出身というのは、ものすごく誇りに持って言えると思うんです。
皆さん、京都に住まれている方は、全てそうやと思うんですわ。
絹: そうですよね。
岩: だから京都の良さを、今・・今しっかり見据えて、しっかり将来形を見据えて進んでいかなければ、京都が大阪になってしまい、東京になってしまいます。
「それで良いんですか?」と言うことは・・・これは地元の方々を含めて、投げかけたいことですね。
絹: はい。岩本さんの熱いお言葉・・メッセージを言い換えて整理してみますと、“まちづくり”って、誰か・・行政がやってくれるもの、なのでしょうか?
我々京都市民、京都で商売している人間、企業市民も含めて・・・京都がやっぱり大好きですよね、と。
岩: はい。
絹: 大好きな京都なら・・・大好きな京都なら、他の町に誇れる何かを、自分たちで工夫して、一緒に行政と作っていこうよと・・・
岩: そうですね。
絹: そういう風にも言い換えられますね。
岩: はい。やっぱり、京都というのを大事にしていだたく。これはやっぱり、住んでる方々、自分だけ良ければいい、言う考え方は、やはり少し捨てていただきたい。
そして、未来の京都を作るために、やはりみんなが、ちょっとずつでも良いから力を合わせて、意見を言い、真剣に向き合ってがんばってやっていきたいなぁという風に思いますし、それが、日本の京都を残す為の手段やと思いますし。
絹: はい。さぁ、皆さん。今までの、この話聞かれてどうですか?非常にユニークな行政マンが、ここにもおられました。
岩: いやぁ(笑)
絹: 都市計画局の交通政策室の担当の、岩本さんという方です。
岩本さんは、これだけでは無くて、「まちなか戦略」と言うのにもタッチされているんですね。
岩: そうですね。「まちなか戦略」の話にかなりちょっと・・先走って、言ってしまいましたが・・・
絹: はい。
岩: やはり、町を良くすると・・・今言ってました、歴史都心地区のエリアの中の“まちづくり”を、しっかり考えていかなければならない。
絹: うんうん。
岩: その為には、色んな方々のお話を聞きながら・・・やっぱり声が出なければ、「まちなか戦略」は成立しません。
何故かと言いますと、先ほど言いましたように行政主導の「まちなか戦略」であっては、これは京都の町が死んでしまいます。
絹: はい。
岩: やはり、地元の方々が、しっかり声を上げて・・・でも、ワガママ・・最初はワガママなんです、声が上がるのは。
ワガママだけじゃなく、やはりみんなのことを考えて・・・市長がいつも言われています。50年後、100年後。私は10年後でも結構やと思います。やっぱり自分の息子・・子供達に、この町をしっかり受け継いで残していく。そして子供達がしっかり受け継いでいく。こういうような形を、しっかり執れるような、そう言う「社会実験」にしていきたいと思いますし、やはり皆様方も、みんなちょっとずつ、今、先ほど絹川さんに言っていただきました、「辛抱していただく」。これ、辛抱ばっかりやったら、みんな我慢も限界がありますんで・・
絹: はい。
岩: やはり少しずつ力を分けていただく。まぁそう言う言い方、ちょっと綺麗かも知れませんね(笑)。そう言うやり方が一番良いんかなぁと。
みんながしっかり、正面を向き合う。そして議論を積み重ねていく。行政が逃げてたら、叱ってやってください。
絹: はい。今までの行政主導の“まちづくり”は“まちづくり”じゃないよ。みんな少しずつ我慢してくださいって言うんなら、皆さんの声も綿密に拾おうぜ・・・
岩: そうですね。
絹: 言うなのが、岩本さんの論であります。で、岩本さんの行政スタイルです。
岩: はい。
絹: 三条通をまちなか戦略作るときに当たって、岩本さんはまず三条通を、とにかく歩かれたと・・
岩: そうですね。まず、まちなか戦略・・この業務をするに当たりまして、まずそこら周辺で、まず何をせなあかんのか?知らなければならない。まず、私は三条で・・周辺で酒を飲みました。
絹: はい。
岩: 酒飲んで、「どんな町なんかな?」と・・・
誰がこの町が良くなることによって影響があり、誰が楽しんでいるのかな?と・・言うのを知るために、酒を飲み歩きました。
それで、今皆さんがこの空間を、楽しんでおられる方の年齢層も判りますし、そこからまぁ、始まるんじゃないかなぁ?と言う風に思っています。
絹: 誰が一体迷惑しているのかな?っていうことも・・・
岩: そうですね。
絹: 見て歩かれたそうですね。
岩: はい。確かにね、この場で話しても良いんかどうか判りませんが、酔っぱらった学生達が、道の隅で・・・
絹: 粗相をしたり・・・
岩: そうですね。そういう風な部分を、明くる日掃除してんのは、地元の方々なんです。
絹: そうですね。
岩: ただ楽しむだけじゃなく、やはりみんなルールを守って、しっかりこの町を、良くするために、きっちりみんなで意識を持ってやったいただくと共に、楽しみに来ている方も、マナーをもって、やっていていただければ、もっともっとこの細街路・・三条通、今にぎわっております。やはりもっともっと、栄えていくんではないかな?と思います。
絹: ありがとうございました。
岩: いえ、もう・・・
絹: さて、今日のお話、皆さん・・リスナーの皆さんいかがでしたでしょうか?
若き行政マン、岩本さんの思い伝わりましたか?僕はこういう方々が、まだ残っておられると言いますか、京都って言うのは捨てたもんじゃないと、思っております。
これからもこういう元気な“まちづくり”人の紹介を続けていきたいと思います。

それから・・番組からのお願いなんですけれども、こういう・・岩本さんのようなゲストコメンテーターの・・今まで二年半続けて参りました、テキストデータ、音声データが、我が社のホームページ、まちづくりチョビット推進室のところに、音声テキスト共にデータベースとして置いてございます。
もし良ければ、又アクセスして、見に来てやってください。
この番組は、「心を建てる」公成建設の協力でお送りいたしました。
それでは皆さん、又お耳にかかれることを、楽しみにしております。
岩本さん、ありがとうございました。
岩: ありがとうございました。
絹: 楽しかったです。
岩: いえいえ。こちらこそ、勝手なことばかり言いまして。又よろしくお願いします。
絹: はい。では、皆さん失礼します。さよなら。
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