絹: |
:まちづくりチョビット推進室! |
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絹: |
皆さまこんにちは。
まちづくりチョビット推進室の時間がやってまいりました。
この番組は、地元の建設屋から見た、京都のゲンチな・・
失礼しました。いきなり噛みました。
京都の元気なまちづくり人の紹介や、その最前線をご紹介しております。
いつものようにお相手は、当三条ラジオカフェのマドンナでいらっしゃいます、松岡さんです。 |
松: |
はい。よろしくお願いいたします。 |
絹: |
はい。
それと私、公成建設まちづくりチョビット推進室長、絹川でございます。
この番組は、公成建設の協力でお送りいたしております。
さて、本日のテーマ。
それから、本日のゲストのご紹介のお時間であります。
今日お迎えいたしましたのは、伏見の酒造メーカーで有られます、齋藤酒造・・・英勲と言うお酒を造っておられます、主に・・
齊藤酒造の齊藤社長、齊藤さんをお迎えしました。
齊藤さんよろしくお願いいたします。 |
齊: |
こんにちは。よろしくお願いいたします。 |
絹: |
皆さん・・松岡さんも含めて。
この番組、「まちづくりチョビット推進室」というタイトルですよね。 |
松: |
はい。 |
絹: |
で、リスナーの方も「まちづくりチョビット推進室」と、お酒屋さん:酒造メーカーとどういう関わり合いがあるのか、と疑問に感じられたのかもしれません。
そこんとこ、ちょっと私のこだわりと言いますか。引っかかりを喋らしていただきます。
「まちづくり」って言うのは、我々建設屋や行政マン、それから設計、都市計画家と言った専門家だけがされてるものではない、という風に常々思っておりましたところ、齊藤さんの関わっておられる活動が、非常にユニークと言いますか、有る意味京都市民にとってありがたい動きをされていると言うことに気が付きました。
そのことについて、今日は語っていただきたくって、お招きいたしました。
齊藤さんは・・・そうですね。どうしましょ。
「嵯峨の酒造りの会」って言うキーワードからまず、スタートいたします。
齊藤さん、「嵯峨の酒造りの会」のことについて・・ |
齊: |
はい。 |
絹: |
教えて頂けませんでしょうか。 |
齊: |
はい。この会はですね、平成8年からスタートいたしまして・・・
元々ですねぇ、所謂、一般のオーナーの方を毎年募りまして・・ |
絹: |
はい。 |
齊: |
そして嵯峨野の水田に来て頂きまして、田植えして頂いたり・・・
それから、夏にはですね、案山子を作くって頂いたり・・・ |
絹: |
はい。 |
齊: |
秋には稲刈りをして、そしてその出来上がった恵みであるお米で、純米大吟醸酒を作りまして、大体翌年の二月にですね、そのオーナーの方にお酒として差し上げると・・
まぁ一年がかりで、楽しんで頂くと、言うような形を平成8年からずっと続けて・・・
まぁそう言う会です。 |
絹: |
平成8年からと申しますと、もう10年。 |
齊: |
はい。 |
絹: |
非常に地道な活動ですね。 |
齊: |
元々ですね、嵯峨野は「歴史的風土特別保存地区」と言うことで、実は・・水田風景、田畑、そう言うものを守ろうと・・ |
絹: |
はい。 |
齊: |
言うその、行政のですね、地域に指定されているんですね。
ところが、片一方・・国の方からは、色々食糧の自給の問題で、減反政策と・・ |
絹: |
はい。 |
齊: |
言うことで、逆のですねぇ、転作を奨励していると、言うような動きもあります。 |
絹: |
はい。 |
齊: |
その間に挟まってですね、農家の方にすると、非常に・・選択の余地がない状態になってた訳ですね。 |
絹: |
うーん。 |
齊: |
それで、実はその・・減反という事の対象は、あくまでも「食べるお米」が余っていると・・・
じゃぁ「食べるお米」から、「お酒にしかできないお米」に転作をすればですね、所謂国の減反政策にも合いますし、それから京都市が要求している、田畑の風景を守るという事にも合致すると、言うことで、この「嵯峨の酒造りの会」っていうのが結成されて・・ |
絹: |
はい。 |
齊: |
今日まで続いている、と言うことなんです。 |
絹: |
「嵯峨の酒造りの会」の中心メンバーは、やっぱり農家の方々? |
齊: |
そうなんです。
あくまでも農家の方が中心になってやっておられまして、先ほど申しましたように、一般の消費者の方がそれを支えて頂いていると、言うことです。
|
松: |
と言うことは、そもそもの目的はその・・嵯峨野風景を守る為と言うところが出発点なんですか? |
齊: |
そうですね。必ずしも風景を守るだけではありません。 |
松: |
ええ。 |
齊: |
それからそこに根ざす農家の生業を守ることでもありますし・・ |
松: |
はい。 |
齊: |
それから、結果として出てくる「お酒」と言うものが、又新しい生産物として、皆さんに楽しんで頂ける。
加えて、実はそこに参加していただくオーナーの方が「それに参加している」と。
そう言う風景を守り、それから、お酒が出来上がっていくという過程に、結果として参加して頂いていると、言うことで非常に・・・まぁ、こぢんまりとはしていますけれども、10年間続いているんではないかなぁ、と言う風に思っております。 |
松: |
あぁ、そうですか。 |
絹: |
松岡さん、実はね。
こういう地道な活動が、10年間も京都の嵯峨の地でですね、続いているって事を、私・・意識してなかったんです。
正直に告白しますと(笑)。
それでその・・日本の原風景であるですね、里山だとか水田の風景を、我々仕事としてですね・・建設屋ですから・・廃業された田んぼだとか・・なんかに建物建てたりと、それに逆行する事は仕事として良くあるんです。
でもその、逆にそう言う風景を守っている人達が、「いて下さったんだ」と言うことを再確認して、すごい嬉しかったと言いますか・・・
しかもですね、その活動の一旦と言いますか、一角と言うよりも、メインのところに、齊藤さんという方が関わっておられると言うことを知りまして、又嬉しくなりました。
齊藤さんのお口から「参加」と言う、すごい大きなキーワードが早速出てまいりましたけども、「まちづくり」というものを、大きく捉える中で、非常にいつも大事なキーワードだと思ってます。
で、齊藤さん。 |
齊: |
はい。 |
絹: |
齊藤さんがそもそも「嵯峨の酒造りの会」の方々と出会われた、一番初めのとっかかりって言うのは、何だったんでしょうか。 |
齊: |
えぇ、実は先ほど申しましたように、「嵯峨の酒造りの会」が嵯峨野で栽培しているのは、「お酒になる米」=「酒米」です。 |
絹: |
はい。 |
齊: |
この「酒米」は、実は京都にしかない「祝(いわい)」、お祝いの祝いですね。 |
絹: |
はい。 |
齊: |
「祝」と言う品種なんですけれども、実はこの「嵯峨の酒造りの会」が出来る以前に、それよりも前から、私どもで「祝」というお米を酒造りの原料の中心に置いてですね、酒造りをやってたという、そう言う事がありまして・・まぁこういう「嵯峨の酒造りの会」が出来たときに、私ども齊藤酒造に「じゃぁお酒を造る」と言う部分について、役割を果たしてくれないか、と言うような声がかかったんだろうと思っております。 |
絹: |
はい。 |
松: |
酒米と言いますと、代表格、私も知っている、「山田錦」ってありますよね。 |
齊: |
はい。 |
松: |
その、「山田錦」と比較して、「祝」と言う品種は、何か特長があるんでしょうか。 |
齊: |
私とこでも、この「山田錦」も非常に大切な原料米の一つとして、使っております。
「山田錦」は、非常に優秀な米でして、懐が深いんですねぇ。
要するに、作り手の色々な・・なんて言いますか・・個性にお米がある程度合わして行ってくれるようなところがあります。 |
松: |
ほー。お米が。 |
齊: |
お米が。 |
松: |
すごい。 |
齊: |
非常にこの・・懐が深いんです。
ですから、いろんな作り手の想いを・・まぁ齊藤酒造なら齊藤酒造の、他の会社なら他の会社が、そのお米にぶつけていくことによって、その有望で良いお酒が出来やすい品種ですね。 |
松: |
それぞれの蔵本の味を、ちゃんと造ってくれる、と言うことですか。 |
齊: |
そうですね。勿論、「山田錦」と言う・・ |
松: |
はい。 |
齊: |
品種が持っている味の中で、と言うことではありますけれども。 |
松: |
はい。 |
齊: |
片一方、「祝」はですねぇ、今度は逆に、非常にその部分が狭くてですねぇ・・
逆にこちらが、一生懸命顔色見ながら造ってやらなければいけないお米なんです。 |
松: |
言い聞かせながら、なだめながら。 |
齊: |
いや・・こちらが頭下げながら(笑)。 |
松: |
あぁっ(笑)頭下げながら(笑) |
絹: |
そう言うことは、自己主張が強いと言うかくせの強い・・ |
齊: |
個性が強いんです。 |
松: |
へぇー。 |
齊: |
ところがですねぇ。 |
絹: |
はい。 |
齊: |
そのお米の・・あぁこのお米が訴えている部分は此処なんだというところを掴めれば、これほど良い酒が出来る米は無い、と私は信じております。 |
松: |
人間関係のようですね、まるで。 |
齊: |
うん、そうですね。
お米って言うのは、農産物ですから、毎年、出来映えって言うのは変わるわけですね。
ですから、毎年新しい「祝」に出会って・・ |
松: |
ほー。 |
齊: |
今年の「祝」のご機嫌を伺いながらですねぇ・・ |
松: |
わぁー。 |
齊: |
酒造りをやっておりますけれども。 |
松: |
はい。 |
齊: |
大体その、「祝」の・・まぁなんて言うんですか「性格」は、私どもでは掴んでおりますので、うちにとっては造りやすい、お酒造りしやすいお米です。 |
松: |
あっ、そうですか。 |
齊: |
はい。 |
松: |
そしてその「嵯峨の酒造りの会」でしたっけ・・ |
絹: |
はい。 |
松: |
そこではその「祝」を造ってらっしゃる? |
齊: |
そうなんです。やはりそう言う「酒造りの会」がスタートした理由が、先ほど申しました様な理由がございまして、そこで、植えるならですねぇ、是非そら京都の品種、しかも酒米をやろかと言うことですから、じゃぁ「祝」でと、言うことになったわけですね。で、申しましたように、その「祝」の酒造りについては、「齊藤はチョコチョコやってる」というのでですね、その酒造り部分の役割を、私どもに依頼して頂いて10年経った、と言うことですね。 |
松: |
あっ、そうですか。うまくいったんでしょうか? |
齊: |
えぇ。この10年の間に、台風が稲刈りの10日ほど前に来て、大変なことになった事もありました。 |
松: |
はい。 |
齊: |
この「酒造りの会」の酒造りで、最も難しいのは、とにかく逃げ場がないんですね。
その嵯峨野の水田で取れた米以外に逃げ場が有りませんので、仮にそこで、そう言う自然災害があっても、その自然災害があったお米で挑戦すると・・ |
松: |
えぇ。 |
齊: |
・・いう以外に道がないわけですから。
まぁそう言う意味で、造り手としては、緊張感持って造っています。 |
松: |
ほー |
絹: |
じゃあ、台風で根こそぎ倒れちゃったとか・・ |
齊: |
はい。 |
絹: |
そんな奴も、助け起こしてと言いますか・・ |
齊: |
えぇ。 |
絹: |
もう一回・・・ |
齊: |
過去にあった例では、倒れまして・・ |
絹: |
はい。 |
齊: |
その後一週間長雨が続いて・・ |
絹: |
はい。 |
齊: |
その新しい籾から根が出てしまいまして・・・ |
松: |
あぁ、そう言う風になるんですか。 |
齊: |
そんな状態でも、そこは皆さん、オーナーさんが稲刈りをされるべき水田ですから、それを稲刈りして(笑)、その米で造りました。 |
松: |
わぁ。どんなお酒が出来ましたか、そのお米から。 |
齊: |
あの・・いわばですねぇ、その自然的な、毎年毎年の揺れというものは、逆にお客様に楽しんで頂く、期待という部分もございます。
只、しかしですねぇ。
やはりお客様にとっては、有る期待を持ってやって頂いているのですから、もう本当にうちとして持っているもん、すべてを投入して・・・どんな状況であったとしても、まずはお客様に、そこそこ以上満足して頂ける品質のものになるように努力は致しまして、まぁ何とかそれなりになりました、その時も。 |
松: |
あっ、そうですか。 |
絹: |
あの、此処で・・私がいただいている資料、「嵯峨の酒造りの会」の活動について、少しのべさしていただきます。
「嵯峨の酒造りの会」
自然豊かな右京区嵯峨地域で、お酒造りに取り組んでおられます。
この方達が手がけられているお酒造りでは・・今、齊藤さんのおっしゃいました・・数あるお米の中で、京都府限定版、かつて作る方が全くおられなかった品種・・ |
齊: |
はい。 |
絹: |
である「祝」。これが昭和40年ぐらいに無くなってたんですか? |
齊: |
そうなんです。昭和40年代の終わりを最後に、一軒の農家も作られなくなった品種です。 |
絹: |
それでその種籾が亀岡の・・ |
齊: |
えぇ。京都府のですね、組織の中に、農業総合研究所って言うのが亀岡にあるんですけども、そこに種子保存、種が保存されてた訳です。
で、それを昭和の終わりの頃から、京都府が産業振興策の一環として、「京都の米で京都の酒を」というキャッチフレーズでですね、復活をして頂きまして、私どもが・・いろんないきさつがありまして、試験醸造をやってくれと、言う依頼を受けて、「祝」に改めて出会い、挑戦し出した、ということです。 |
絹: |
それが、何年頃でございますか。 |
齊: |
あっ、これは平成に・・ |
絹: |
入ってからですか。 |
齊: |
入ってから、すぐぐらいですね。二年ぐらいでしょうか。 |
絹: |
それじゃあ、昭和40年代からですね、平成に入るまで・・ |
齊: |
はい。 |
絹: |
その・・種籾って言いますか、誰も作る、作り手のいなくなった・・ |
齊: |
はい。 |
絹: |
酒米、酒造好適米。京都府オリジナルと言うか、京都府の地の品種。 |
齊: |
はい。 |
絹: |
それは、種籾の状態で静かに眠ってたという事・・ |
齊: |
そう言うことですね。 |
絹: |
それにまた息吹を・・ |
齊: |
はい。 |
絹: |
与える、動きがあったと言うことですね。 |
齊: |
はい。 |
絹: |
で、その「祝」ですが、それを「嵯峨の酒造りの会」の方々と、所謂一般のオーナー・・ |
齊: |
はい。 |
絹: |
と言う方を募集されまして、これが嵯峨の地酒「げっしょう」と言うお名前だそうですね。 |
齊: |
はい。 |
絹: |
・・に、丹精されて造り上げられます。
毎年四月から五月に「祝」、酒米「祝」のオーナーを募集されまして、「田植え」「案山子祭り」「稲刈り」、それから酒蔵の「見学」とか・・・
実際の体験を通じて、酒造りをオーナーの皆さんと楽しんでおられる。
単なる体験だけじゃなくて、さっきもおっしゃいました、台風で倒れた稲をオーナーさんが刈り取って、年月による揺れ、シーズンによる揺れを感じ取りながら、二月の上旬には、純米大吟醸酒の「げっしょう」の生酒、一升が手元に届く、と言う仕組みだそうですね。 |
齊: |
はい。 |
絹: |
これ、齊藤さん・・・ここにあります「案山子祭り」だとか・・・ |
齊: |
はい。 |
絹: |
「田植え」って何となくイメージ沸くんですよね。 |
齊: |
はい。 |
絹: |
こないだ・・「花房の時」っていうイベントの時にもビデオが流されてましたし・・
小さいお子さんも家族ぐるみで田植えをされたりしてましたね。 |
齊: |
はい。 |
絹: |
「案山子祭り」って、どんなことするんですか? |
齊: |
これはですねぇ、ホント素晴らしい作品群なんです。
もう、ここの水田行きますと、一つや二つじゃなくてですね・・ |
絹: |
はい。 |
齊: |
オーナーさんの方が・・ご家族とかお知り合いの方達と一緒にですねぇ、競うようにですねぇ・・競うって言うのは、勿論「上手に」も有るんですけども、むしろ「アイディア」ですね。 |
絹: |
はい。 |
齊: |
なんかこう、映画の主人公みたいなのが有ったりですねぇ、なんかのキャラクターみたいなのが有ったりとかですねぇ・・ |
絹: |
はい。 |
齊: |
ホントに、様々な案山子を作られるんですね。
有る程度、下造りをご自宅でして来られてですね・・ |
絹: |
はい。 |
齊: |
持ってこられて、そこで組立たりですね(笑)
いう風なことをされて、そのホント素晴らしい案山子群が、夏以降は立っております。 |
絹: |
はぁ。 |
松: |
これは、毎年毎年、新たな方を募集されるんですか? |
齊: |
勿論ずーっと継続してですねぇ、オーナーになって頂いている方有りますが、毎年改めての募集です。 |
松: |
あぁ、そうですか。 |
齊: |
はい。 |
松: |
と言うことは、私にもチャンスはあると・・ |
齊: |
えぇ、もう皆さんに。
或いは・・スタートは、勿論春に始まって・・・田植えから始まるんですけども・・
何時からでも参加できます。 |
松: |
途中から・・ |
齊: |
はい。 |
松: |
いや、こういうの聞きつけた、ということで・・ |
齊: |
はい。もう大丈夫です。 |
松: |
条件って、有るんですか?なんか。 |
齊: |
条件は、オーナーになって頂いて・・ |
松: |
はい。 |
齊: |
そしてその・・・実は会費が一万円なんですけども・・ |
松: |
えぇ。 |
齊: |
これを払って頂く、と言う以外何の条件もありません。 |
松: |
あっ、そうなんですか。 |
齊: |
はい。 |
松: |
面積によって、何かが違うとか、そう言うことは、あるんでしょうか? |
齊: |
いえ、何も有りません。 |
松: |
オーナーというのは、まぁ「支える」という、そんな・・・
自分達も参加する・・・ |
齊: |
はい。 |
松: |
権利という事なんでしょうかねぇ。 |
齊: |
そこにいろんな想いが有ると思うんですけども・・ |
松: |
はい。 |
齊: |
有る方にとっては、そのお酒が欲しいからオーナーになるって方もありますし・・ |
松: |
はい。 |
齊: |
それから有る方は、実はこの嵯峨野へ行って、土に触って、田植えをして、稲刈りをして、案山子を作って・・そして、その終わった後、青空の下で弁当でも広げて、走り回って帰ろか・・・・ |
松: |
いいですね。 |
齊: |
そう言うのを楽しみにしておられる方もあります。 |
松: |
はい。 |
齊: |
それから私どもの蔵へ1月に見学をやりますけども、実はこのお酒を絞るで有ろう日に設定をしておるんです。
ですから、この「げっしょう」ってお酒が出来上がって、ホントに絞っているそのお酒の流れが目の前で見て頂きながら、そう言う場面で蔵見学をして頂いてます。 |
松: |
あー。 |
齊: |
で、それをビンに詰めて・・ |
松: |
はい。 |
齊: |
それから大体20日から一月ぐらいして、オーナーの方に差し上げてると、こういう事なんです。
そのお酒造りを楽しみに来て頂いている方も有ります。 |
松: |
まぁ、皆さんいろんな想いで・・ |
齊: |
そうなんです。 |
松: |
参加されていると・・・ |
齊: |
そうなんですね。はい。 |
絹: |
今ね、齊藤さんと松岡さんのやり取りをお聞きしておりましてね、流れを感じましたね。
田植えから・・・勿論種籾から始まる訳なんですけれども・・「祝」という一時期作り手の無くなったお米が甦って、そして田植え、案山子祭り、草取り・・色々あるでしょう。
それで、齊藤さんところの酒蔵の見学。
しかも、「げっしょう」・・嵯峨の地酒である「げっしょう」の絞る、その当日に合わせて・・・
そこまでですね、お酒の一つの製品と言いますか、生まれ出でて、最後の形になるまでを感じ取れる・・流れを実感できるお客様って言うか・・・経験をされる方、なかなか無いんじゃないでしょうかね。 |
齊: |
そうですね。
ですから、私自身も思うんですけれども、「一年がかりで楽しんでる」と・・
そう言う事だと思うんですね。
それに京都と言うよりも、日本そのものが持っている四季折々を感じ、そしてその最後にですね、その一年間の蓄積である「お酒」と言うものを手元における。
それが楽しい、と思って頂いているんじゃないかなぁ、と言う風に思っています。 |
絹: |
この辺ですね。
こういう一般のお客様、それから農家の方・・との関わりを大切にされている齊藤さんの姿勢って言うのが、なんか私は非常に・・一方的にファンで有りまして・・・ |
齊: |
いえいえ、一方的じゃないです(笑)。双方向でございます(笑)。 |
絹: |
(笑)はぁ。ありがとうございます。
あの、皆さん「英勲」って言うお酒・・味あわれたこと有りますでしょうか?
僕は、変な言い方ですけど、「英勲」頂戴しますとね、何か齊藤さんらしいなぁ・・
って思うんです。 |
松: |
と言いますと? |
絹: |
あのね。何か実直、と言うか・・あの・・非常に一途に、真面目に造っておられると言うのが伝わってくる様な・・・
これは私の思い入れですよ、単なる。
齊藤さんのお顔が浮かぶんです。
これは一つの企業をね、酒造メーカーと言う、「英勲」という齊藤酒造を率いておられるトップで有られますから、そのトップの姿勢がお酒の味に出るなんて、「こんな素敵なこと無いのになぁ。無いやろなぁ」って思って、勝手に「わぁ、ええなぁ。すごいなぁ」と思ってるんです。 |
松: |
あぁ、そうですか。 |
絹: |
はい。 |
松: |
でも、やっぱりお酒って・・造る現場、ちょっとだけ拝見させて頂いたこと有るんですけれども・・ |
齊: |
はい。 |
松: |
やっぱり、人が造るもんですよね。人、造る人によって、味・・杜氏さんであったり・・ |
齊: |
はい。 |
松: |
いろんな人の手によって造られているんで、味ってやっぱり違いますよね。きっと。 |
齊: |
あの・・おっしゃるとおりだと思います。
本当にそれは根本的な話でして、まぁ今日はお米の話も結構しましたが、お酒の質を決める最大の要素は、その人が持っている心。
お酒が何処まで好きなのかと。
その思いの多さというますか、深さといいますか。
それで、決まるんじゃないかな、と思ってます。 |
絹: |
なんか、すごい話ですね。 |
松: |
はい。 |
絹: |
微生物工学だとか、そんな話をさらに越えている杜氏さんの・・なんて言うんですか、科学的なと言いますかね、酵母だとかそんな話・・・
何処まで杜氏さんの技を抜き取るか、と言う様な時代の中にあって、「お酒が何処まで好きか?」って想いが製品を、お酒を造るんだ、って言うことをおっしゃる、齊藤さんってその辺がおもしろい。 |
齊: |
(笑) |
松: |
えぇ。 |
齊: |
いやですから、私がそこまで到達できているとは思っていません。
ですけれども、そう有りたいものだという風に、思ってはおります。 |
松: |
あぁ、そうですか。 |
齊: |
はい。 |
松: |
樽の中でですね、お酒が発酵している音って、本当に「プツプツ」っと、音してますよね。 |
齊: |
はい。 |
松: |
あれがやっぱり、お酒って生きていて、本当にさっきの話に戻りますけれども・・ |
齊: |
えぇ。 |
松: |
人の手によって、お酒って出来ているんだなぁって言うのが・・ |
齊: |
はい。 |
松: |
つくづくと判ったんですけれども。 |
齊: |
はい。 |
松: |
はい。 |
齊: |
お米と水と微生物を、ただただ、あるがままに一つの器に入れておいても、日本酒には絶対なりません。 |
松: |
えぇ。 |
齊: |
やはりそこに、「人」と言うものが介在するからこそ、日本酒・・清酒というものになる訳ですから、その意味ではおっしゃるとおり、人が果たしている役割というのは、本当に大きいと思います。 |
松: |
そうですか。まぁ、今年、結構暑いですよね。 |
齊: |
はい。 |
松: |
お酒の味、どうなりそうですか? |
齊: |
いや。私は・・それこそ、災害になるほどの事は駄目だと思うんですけれども、やはり四季ははっきりしている方が良いですね。
それは、夏は暑ければ米の収穫、米の出来映えも良いですし、これから秋から冬になりますけども、やはりそれらの季節らしい季節になってくれることが・・酒造りそのものも良いんですけれども、お酒を飲み、楽しむ側からしてもですね、楽しめるんじゃないかな、と思ってます。 |
松: |
ホントですね。日本は四季がありますけれども、この日本酒もやはりその四季があってこそのものですよねぇ。 |
齊: |
はい。 |
松: |
はい。 |
絹: |
さぁ、この音楽がなると、そろそろまとめに入らねばなりません。
どうでしたでしょうか?
お酒造りを通じても、まちづくりに影響を与える。
日本の原風景を守ることにトライしている人達がいる。
そこに関わっている、酒造メーカーの方々がおられる。
「参加」と言うキーワードを出して頂きました。
「“まちづくり”って言うのは、人と人とを繋ぐこと」と言い換えることが出来るのかもしれませんし、「参加」・・いろんなチャンネルで、参加のチャンネルを探っていくことかもしれません。
そう言う意味では、齊藤さん率いられます「英勲」・・齊藤酒造さんて言うのは、おもしろい地元の酒造メーカーで有ると思います。
さて、今日のお話いかがでしたでしょう?
この番組では、これからも元気な“まちづくり人”の紹介や、地元京都のまちづくりの最前線の情報をお送りしていく予定です。
松岡さん。齊藤さん。今日は本当にありがとうございました。 |
齊・松: |
ありがとうございました。 |
絹: |
この番組は、「心を建てる」公成建設の協力でお送りいたしました。
皆様、それでは又お耳にかかれることを楽しみにしております。
それでは失礼します。さよなら。 |
松: |
さよなら。 |
齊: |
さよなら。 |
絹: |
齊藤さん、ありがとうございました。 |
齊: |
ありがとうございました。 |
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