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放送日 平成26年7月19日(mp3形式音声ファイルはこちら→) 
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 放送内容は、著作権の保護を受けますので、個人でお聞きになる以外のご利用は出来ません。

タイトル: 京都市の建物の安心安全を影で支える黒子さん達
概要: 京都市の安心安全を支えるために、危険な建築に対する行政代執行から民間建築物に対する耐震改修促進事業など、京都市の建物に対する安心安全活動についてお話しいただきました。

左から大岸氏 寺谷氏
出演者: 寺:寺谷 淳氏 京都市都市計画局 建築指導部 建築安全推進課 指導第一係長
大:大岸 薫氏 京都市都市計画局 建築指導部 建築安全推進課 耐震改修促進担当
絹:絹川 雅則 (公成建設株式会社)
   放送内容については、無断使用を禁止させていただきます。この件についてのご連絡はこちらまで。
絹: まちづくりチョビット推進室!
Give me thirty minutes,I will show you the frontline of “まちづくり” and “まちづくり” people in KYOTO.
************************************************************************
皆様こんにちは。まちづくりチョビット推進室の時間がやってまいりました。
この番組は地元京都の建設屋の目から見た京都の元気なまちづくりびとの紹介や、その活動の最前線をご紹介しております。
いつものように番組のお相手は当まちづくりチョビット推進室 絹川がお送りいたします。

■今日のゲストは、京都市の建物を陰で支えるお二人です
絹: そして、今日のゲストはお二方です。
京都市、市役所ですね。
我々は御池城ということもありますが、京都市の都市計画局建築安全推進課から指導第一係長、寺谷淳さんです。
よろしくお願いします。
寺: よろしくお願いいたします。
絹: そしてお二方目、同じく建築安全推進課の、この方は耐震改修促進を担当されています。
大岸薫さんです。よろしくお願いします。
大: よろしくお願いします。
絹: 今日は、このお二方とお話を進めてまいります。
そして今日の番組のタイトルですけれども、「京都市の建物の安心安全を陰で支える黒子さん達」とでも名付けましょうか。
もちろんその黒子さんたちというのは、今日お越しいただいた寺谷淳さんと大岸薫さんを、僕はイメージしております。
さあ、それでは今日もお付き合いください。

最初にゲストのご紹介ですけれども、寺谷さん、大岸薫さんって、どんな方ですか。
寺: 本人を目の前にして言うのは、少し恥ずかしいですけど(笑)、とても気配りの方で、私どもの所属というのは、非常にシビアな仕事を扱うところではあるのですが、いつも笑顔を絶やさず、細かいところにもよく気がつく、良きお母さん的な存在の方かなと思っております。
絹: はい、建築安全推進課のお母さん(笑)。大岸薫さんでした。
それでは大岸さん、寺谷係長はどんなおっさんですか?
大: そうですね(笑)。
すごく褒めていただいた後なので、なかなか難しい(笑)。
同じことを返すようで、あれなんですけど(笑)、寺谷係長もすごく気配りのできる方で(笑)、虫にも気配りができるという。
カブトムシを飼っていらっしゃいまして、先日もカブトムシの幼虫を頂きまして、今うちでスクスクと(笑)。
絹: はあ、ビートルおたくですか(笑)。
大: そうなんです。すくすくと育っております。
絹: ありがとうございます。
リスナーの皆さん、こんなお二方です。

■第一章  行政代執行、聞いたことがありますか?
 ●法律に違反している非常に危険な建物に対して、おこないます
絹: それではエピソード1、まいります。
寺谷さんにご用意いただいたのは、結構重たい話題です。
皆さん、行政代執行って、聞いたことがありますか?漢字がいっぱい並びます。行政代執行。
まずは寺谷さんに、「行政代執行って、何やねん」というところから、口火を切っていただきます。
お願いいたします。
寺: はい。
法律に違反した建築物の指導というのを、私どもの方では日々仕事で行っているのですが、何度も何度も「違反ですよ」という指導をさせていただいても、違反状態のままお使いになっているような建築物に対しては、行政が本人さんに代わって、その建築物の除却であるとか、改修を行うということです。
これでもちょっと難しい言い方なのかもわかりませんが、簡単に言えばそういうことなんです。
絹: リスナーの皆さん、たまにですけど、報道だとかニュースで、行政代執行というものを聞いたり、見たりされたことがあるかもしれませんが、たまあにですよね。
で、ニュースになるということは、それだけ稀なこと、それだけ酷いことかもしれません。
寺: まあ、そうです。

 ●例えば、こんな建物です
絹: 例えば違反建築で、「これはもう、放っておけへん」というのは、どんなものがありますか。
寺: 建物が少し大きいとか、その程度のことではこういう話にはならなくて、建物の安全性が非常に低いであるとか、その安全性の低い建物を、たくさんの方がお使いになられるとか、あるいは小さな子どもを含めた不特定多数の方が危険な建物をお使いになるという、極めて社会的な責任が高いような場合には、代執行せざるを得ないというケースになることがあります。
絹: リスナーの皆さんにイメージしていただきやすいために、もう少し具体例と言いますか(もちろん特定のことは言えませんが)、何かヒントはないでしょうか。
たとえば昔、こんな例がありましたというような・・・。
寺: そうですね。京都の例じゃなくてもいいですか。
絹: いいです、いいです。
寺: ホテルなど、たくさんの方々が日々使われるような建物で、地震が来れば潰れる危険性があるというような建物であれば、もちろん持ち主さんに「直しなさい」「補強しなさい」と何度も何度も言うんですが、それに従って頂けない場合については、被害が出ないうちに、行政が代わって、その建物を壊してしまうことがあります。

 ●ほとんどの場合、代執行の直前に、自分で直されるんです・・・
絹: さて、そういう時です。
ご存じのように、私は建設屋のはしくれです。
私が属しておりますのは、京都府の建設業協会というところですけれども、行政代執行のようなことは、この安全推進課の方から協会の方に「行政代執行をやらざるを得ない。その時は協力を頼む」という依頼が来ます。
そうすると見積もりを3社くらいからとって、我々はやりたくないけれども、京都市の出入り業者ですから、「やらせていただきます」という人たちが出てきます。
行政代執行というものが、その日に行われるとなると、珍しいものですから、報道のヘリが飛んだり、警察が整理に出て来られたり、あるいはやじ馬が来たり、そこへ我々建設屋は、協力業者、重機、ガードマンと色んな人たちを組織して、乗り込む準備をします。
ところが大半のケースがそうですが、違反をされている当該人物は、そういう大変なことになると「ワー」と気づかれて、「待って下さい。自分でやります」と、中止になることが多いんですってね。
寺: はい、そうですね。
今もおっしゃっていただいた通り、ほとんどのケースで「自分でやっぱりやります」となりますね。
絹: 違反の建物のオーナーだとか、運営されている方は、すごくその辺の認識が甘いというか、間違っておられるケースがほとんどだということですね。
寺: 我々も何度も何度も警告をするんですが、なかなか本気にしていただけないと言うか、「役所だから、大きいことを言っているけど、やらんやろ」ということは、しょっちゅう言われますね。

 ●怖い思いをすることもあります
絹: そんななかで、行政代執行というのは、行政の方にとっては本当は抜きたくない伝家の宝刀かもしれませんよね。
そこに至るまでに、たぶん知られてないけれども、色々辛い目だとか、ご苦労にあわれているんじゃないですか。
寺: はい。私どものスタッフ、京都市内中10名で違反指導を担当しているのですが。
絹: たった10名ですか!
寺: そうおっしゃっていただけるとうれしいです。たった10名です。
年間、建築基準法に違反した建築物が約200件を相手にして、あとその他もろもろも危険建築物なども140~150件、10名で対応しているのですが、法律を楯に「やったらだめですよ」というお話をしますと、やはり怖い人もたくさん出てこられて、昨年度は私も実際に経験したのですが、「殺しに行く」とか「刺し殺しに行く」とか(これは公共の電波で大丈夫なのでしょうか)・・・。
絹: 脅されるわけですか。
寺: そういうことがあります。
やはり酷いことを言われて、涙するような職員もいますし、精神的にかなり重いものを抱えて、苦労して仕事をしている職員がたくさんいますね。

 ●違反建築物を放置していると、こんなことにもなるんです
絹: 言われる方には言われる方の立場や思いがあるのでしょうが、寺谷さんたちがそれをお仕事として、違反建築や危険家屋にあたられるのは、やはり「これは見過ごせない!」というところがあるのでしょうね、きっと。
寺: もちろんそうです。
このままにしておくと、結局その持ち主の方が、大きな被害を被られたり、御苦労されることがわかっていますので、それは敢えて、嫌われるのはわかって言っています。
絹: 例えば、もし例示ができるとしたら、その持ち主の方が、何かあった時に、こんなに酷い目に遭うのが見えているよというのは、どんなことがありますか。
寺: 一番大きいのは、資産としての価値が非常に下がるということに対して、なかなか皆さん御存知ではないんです。
きっちり法律を守った建物なら、将来メンテナンスをされたり、場合によっては転売されるケースでは、正当な評価をされるのですが、今だけを見て、法律に違反したような工事をされてしまうと、後々違反建築物という形で市場に出てしまいますので、最近は特にその価値が非常に大きく下がるというのが、当然のことになっています。
絹: そうですね。人口減少社会で住居も余ってきていますものね。

 ●今はほぼ全ての方が法律を守っていただく時代になりました
絹: 建築確認の検査済証がどんどんとられるようになって、今はどのくらいの率でしたっけ。
寺: 京都市内では今、97%を越えていますので、新しく建てられる建築物については、ほぼ全ての方がきっちり法律を守っていただく時代に、今はなりました。
絹: かつては建築確認の検査済証をあまりとられなかった時代があって、「自分だけちゃうやん」みたいな、そんな言い方をされることも、よくあったと聞いております。
寺: そうですね。
今も言いましたが、200~300件の件数を扱っていますと、いつも私どもが指導すると、業者さんから「こんな違反、誰でもやっているよ」とか、「これくらいなら大丈夫」と言われて、それを信じて工事をしたとか、あるいはその逆に業者さんの方が、「これくらいの違反の工事、やってもらわんと困るわ」と、お施主さんの方から言われて、泣く泣くやったとか、そういうケースをよく聞きますね。
絹: そうですねえ。
私は業者の立場ですから「君とこ、そんなカタイこと言うんやったら、ええで。他にもあるから」と言われたら、「どうしよう・・・」とかって、思ってしまいますよね。

さあ、そういう部署にいる寺谷さんです。
今は、どういうんでしょう。富士山の頂上みたいな行政代執行という重たい話からのスタートでしたけれども、その裾野には色々「こんな違反しちゃあ、マズイのにな」という軽微なものから、重大な問題が広がっていると思います。

■第二章 地震に強い建物にするために
 ●耐震改修工事の助成金があるのを、御存知ですか?
絹: さて、今度は大岸さんの番です。
大岸さんは、その裾野を守ろうという、耐震改修の促進を担当されていますから、そういうところじゃないでしょうか。
大: そうですね。
今、私が担当させてもらっているのは、木造住宅を耐震改修工事、地震に対して強い建物になるように補強される場合の、工事の補助金が出るのですが、その手続きの仕事をしています。
絹: そういう助成金を使って、地震に強い建物に変えていこうというのは、どちらかというと、先ほどの後ろ向きの話とは逆の前向きのほうですね。
その助成金の仕組みは、つくられて長いのですか。
大: 平成16年に制度ができましたので、今年でもう11年目になるのですが、その11年の間に色々と制度も変わったり、新しい制度ができたりしていまして、ご利用頂いている方も、年々増えてはいるんですが・・・。
絹: 例えば去年はどのくらいの方が、その仕組みを使われましたか。
大: 私はちょっと数字を覚えるのが苦手なんですが、去年で全部の制度を合わせると、何百人という方にご利用いただいています。
絹: 結構な数字ですね。
その耐震改修の助成を受けたいと思ったら、どこへどういう風にすればいいんですか。

 ●申し込み窓口は、『京(みやこ)安心住まいセンター』です
大: 補助金の申し込み先として、市役所にもお問い合わせいただくのですが、申し込み先は別の所になっていまして『京(みやこ)安心すまいセンター』というところが窓口になっています。
絹: それ、どこでしたっけ?烏丸御池でしたっけ?
大: そうです。
地下鉄の東西線と烏丸線の烏丸御池の駅を降りて頂いて、南東角にアーバネックス御池ビルというのがあるんです。
そちらの4階に、その『京(みやこ)安心すまいセンター』という申し込みの窓口がございます。
絹: みなさん、京都の京と書いて「みやこ」と読ませます。
『京(みやこ)安心すまいセンター』、これ、覚えておいてくださいね。
ネットで検索したり、「耐震改修の助成」という言葉と掛け合わせ検索なんかすると、いいかもしれません。
思ったよりも、以前より、助成の仕組みのハードルが低くなっているような気がしますし、何百人という方が使われています。
以前はこういう陰口も聞かれました。
「助成の仕組みはできたけれども、使いにくいわ」とか、「ちょっとやし、あんまりなあ」と。
ところがだんだん工夫がされているようですね。

 ●以前に比べるとずいぶんハードルが下がりました
大: そうです。
先ほど、始まって11年目という話をしましたが、当時は全て耐震診断をしていました。
耐震診断というのは、今の建物が、地震が来た時に、どんなものか診断するというものなんですが、それを計算して設計してという長い時間がかかったのですが、平成24年から、“まちの匠の知恵を活かした京都型耐震リフォーム支援事業”という長い長い名前なんですけど、そういう制度ができました。
耐震診断をしていただくに越したことはないのですが、診断をせずに、おうちのリフォーム、例えばキッチン回りや水回りを改修したいと思われた場合、めくってみたら柱が痛んでいたという時に、柱を取り換える、土台が腐っていたら、土台を取り換えるという場合にも、補助を受けていただけるという制度なんです。
絹: その辺がハードルが下がったというところですか。
大: そうです。
診断をしない。計算が必要ないということになっていまして、手続きも以前の制度に比べると簡単にはなっています。

あんあん通信
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京都市の民間建築物の耐震化支援事業
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京都市耐震改修促進ネットワーク会議
かわら版
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木造住宅の耐震化
(クリックするとPDFが開きます)

地域における耐震化の取組紹介
(クリックするとPDFが開きます)

民間建築物の耐震化支援事業の御案内
(クリックするとPDFが開きます)

 ●「電動ぶるるんくん」を連れて、出前講座に伺います!
絹: 「住まいの支援制度の積極的活用を」というチラシが、私の手元にもあります。
大岸さんに教えていただきたいんですが、この中で変わったのがあるんです。“耐震改修ネットワーク会議”の中で、「電動ぶるるくん」というのがありますが、これはいったい何ですか?

電動ぶるる君
大: “耐震改修ネットワーク会議”というのは、まちの匠と言われる大工さんとか左官屋さんとか・・・。
絹: 瓦屋さんとか。
大: あと建築士さんとか、そういった団体さんと京都市が一緒に立ち上げた組織になるのですが、そのネットワーク会議でセミナーを行ったりということがあって、その時に使わせてもらっているツールなんですが・・・。
絹: この「電動ぶるるくん」て、何するものですか?
勉強する道具なんですか?
大: 地震が来た時に、おうちがどんなふうに揺れるか、補強しているものとしてないものとでは、どのくらい揺れが違うのかというのを、電動なので・・・。
絹: 例えば町内会、自治会とか自治連合会で「来て」と言えば、こういう所にミニ勉強会みたいに、出前講義をしてもらえるわけですか。
大: そうですね。
例えば夏祭りの際に、防災訓練をされるという時に、お声掛けをいただいたら、このネットワーク会議と京都市が一緒に伺わせていただいて、この「電動ぶるるくん」はじめ、他の色んなお話をさせていただくことが可能なので・・・。
絹: 地蔵盆なんかに出て行ったら面白いかもしれませんね。
大: 子どもさんに見ていただいても、この「電動ぶるるくん」がゴーっと揺れるのが見られ、補強すると安全になるというのも見られますので・・・。
絹: 僕、誤解していました。
この「電動ぶるるくん」というのは、起振機か何かで、実際に建物の重心付近に置いて、ぶるるるると言わせて、耐震診断をされているのかと思ってました。そうではないですね。
大: はい。
絹: ありがとうございます。
是非、耐震改修の情報、助成のところにアクセスをお願いします。

■第三章 京都市の安心・安全のために
 ●法律を守っていない建物は、色んな場面で被害が拡大します
絹: 寺谷さんも大岸さんも、こういうお仕事をしておられるというのは、やっぱり京都市の建物、住まい、木造の住まいなどが、ぐらっと来た時に、やっぱり倒れてほしくない、怪我してほしくないという、そういう思いが下敷きになっているんですよね。
寺: そうですね。
やっぱり法律を守っていない建物って、災害だけではなく、色んな事故などでも、被害が大きくなります。
何年か前、広島のホテルで、大きな火災でたくさんの方が亡くなられたり、昨年も福岡で診療所の火災があって、非常にたくさんの方が亡くなったりしたんですけど、いずれも建築基準法に違反していたので、被害が拡大したということは、明らかな事実としてわかっています。
お金もかかって、めんどくさいと思われることもあるでしょうが、きちんと法律を守っていただくというのが、建物の管理者さんの責任だということを、是非知っていただきたいと思います。

 ●空き家予備群も困った問題です
絹: 寺谷さんと大岸さんのお話を聞いていて、思いだしたことがありました。
うちの実家の話です。
実はうちの母が、昭和40年代の二階建の木造の建物に住んでいます。
6人で暮らしていた家に、今1人です。
親父が一生懸命、おふくろのために建てた家なんですけど、開口部を明るい家にしようと思って、大きなビル用のサッシを組み込んだんです。
ここがおそらく弱点ではないかと僕は勝手に思っていて(笑)これを改修してやりたいんですけど・・・。
年寄り1人住まいで、住みながら、職人さんとか色んな人に調査に入ってもらうにも、当人が嫌がるといったことがあると思います。
よく言う話ですけど、空き家になる前の空き家予備群というのは、ゴミ屋敷予備群であり、私たちが子どものころ住んでいた部屋が全て納戸状態になってしまうと。
年齢が高くなってくると、「入ってこないで」とするパターンって、ありますよね。
そういうことに関しては、お仕事をされていて「この人、うまいことやったな」と、良い知恵を見聞きされることはありますか。
寺: お住まいになられながら、ということですね・・・。
絹: これは私の個別の事例だけではなくて、おそらくは1人暮らしの高齢者で、空き家予備群で、それを放置しているとゴミ屋敷化していくといったことは、あるんじゃないかと思っています。
色々助成のメニューを考えていただいて、前へ進めていただいているなかで、それにフィットするようなものが、もし生まれてくれば、予備群を何とか処理できるのではないかという仮説を持っていまして。
でも本当に人様のお家の勝手口の中の話ですから、特に行政の方などはタッチするのを躊躇われるテーマじゃないかと思うんですけどね。
でもそういうこともやっていかないと・・・。
放置家屋の方がまだ手を出しやすいですかね。

 ●空き家の活用に向けて
寺: そうですねえ。
空き家になったら、京都市は今年から“空き家条例”というのができたので、ある程度のアドバイス、指導、助言というのが、活用に向けてできるようになりましたので・・・。
絹: それも大きな前進ですね。
寺谷さん、その“空き家条例”、ちょっと解説を簡単に。
御存じないリスナーの方も、ひょっとしたらおられるかもしれません。
寺: 直接の所管は、うちの隣の部屋の『まち再生・創造推進室』になります。
今年からできた部署で、空き家を適正に管理していただくために、片や指導をさせていただくというのが1つ。
もう1つは活用に向けて、誰かにお貸しいただくとか、あるいは御活用いただくなど、様々なメニューをそろえておりますので、是非それも御活用いただきたいと思っております。
突然のフリでうまく説明できませんでした(笑)。すみません。
絹: すみません。
打ち合わせ以外に、ちょくちょくこういうことをやります(笑)。お許しください。
リスナーの皆さん、行政の方は一生懸命、いろんなメニューを用意してサポートしよう、安心安全を守ろうという気持ちで頑張ってくださっています。
ただし、我々市民のサイドも「こういう事で困っているんだけれども、これは行政のどういう方が担当されているの?」とアプローチすることも重要ですし、あるいは担当がないとすれば、我々自身が動いていかねばならない部分があるかとも思います。
そういう中で、局は違いますが、総合企画局が今頑張っています『京都市未来まちづくり100人委員会』第5期生、こういう人たちは、自分たちから問題意識を持って、行政と民間と一緒にやろうというような人たちがいます。
そういうところのチャンネルも耳をそばだてて頂ければ有難いなと思います。

大岸さん、告知というタイムを取りたいのですが、何か手持ちのネタで、この仕組み、もう一回言っておきたいというのはありませんか。

 ●まずは建物の健康診断から始めましょう
大: 先ほどの建物の耐震の話のなかで耐震診断ということをちょこちょことは言っておりましたが、そういう制度がありまして、昭和56年以前の木造住宅は2,000円で、さらに昭和25年以前の建物については、5,000円御負担いただくことで、建築士さん等の専門家がお伺いして、建物の耐震診断(地震に対して強いか弱いか)をしますので、是非とも御利用いただければ、そしてそこから建物についてお考え頂ければ有難いなというふうに思っています。
絹: まず大層に考えないで、自分の建物、あるいは親の建物の健康診断から始めましょうと。
昭和56年以前の建物なら2,000円。これだけでも覚えて下さいということでございます。
お二方有難うございました。
両名: ありがとうございます。
絹: 京都市の建物の安心・安全を守るために、黒子となって、嫌なことも言われながら(笑)、やっておられるお二人でございます。
こういう方々が、実は京都を支えておられるというふうに思っております。
皆さんと共に、感謝をしたいと思います。
そういう方がいることを、時々は思い出してください。

この番組は、心を建てる公成建設の協力と、京都府地域力再生プロジェクト、そして我らが京都市・景観まちづくりセンターの応援でお送りしました。
寺谷さん、大岸さん、ありがとうございました。
両名: ありがとうございました。
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