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放送日 平成25年6月22日(mp3形式音声ファイルはこちら→) |
放送内容は、著作権の保護を受けますので、個人でお聞きになる以外のご利用は出来ません。
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タイトル: |
HAPSさんてご存知ですか?~東山に愉快な奴らがやってきた~ |
概要: |
京都市が2006年に設けた“京都文化芸術都市創生条例”を推進するために、芸術家が京都に住むための総合サポート窓口として活動されているHAPS(東山 アーティスツ・プレイスメント・サービス実行委員会)のディレクター、芦立 さやか氏とラジオ・テレビ放送を介して生まれるあらゆる「関係性」をテーマに、プロジェクト形式の活動や作品を制作しておられる毛原
大樹(ひろき)氏をメインゲストにお招きし、HAPSの活動についてお話しいただきました。 |
出演者: |
芦:芦立 さやか氏 |
HAPS(東山 アーティスツ・プレイスメント・サービス実行委員会)
ディレクター |
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毛:毛原 大樹(ひろき)氏 |
ラジオ愛好家(アーティスト) |
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辻:辻 真紀子氏 |
京都市景観・まちづくりセンター(ラジオ担当) |
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古:古川 裕之君 |
ちょびっと推進室インターン(龍谷大学経済学部辻田ゼミ3回生) |
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絹:絹川 雅則 |
(公成建設株式会社) |
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放送内容については、無断使用を禁止させていただきます。この件についてのご連絡はこちらまで。 |
絹: |
“まちづくり”チョビット推進室!
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Give me thirty minutes,I will show you the frontline of “まちづくり” and “まちづくり”
people in KYOTO.
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絹: |
皆様こんにちは。まちづくりチョビット推進室の時間がやってまいりました。
この番組は地元京都の建設屋の目から見た京都の元気なまちづくりびとの紹介や、その活動の最前線をご紹介しております。
いつものように番組のお相手は当まちづくりチョビット推進室 絹川がお送りいたします。 |
■愉快なやつらがやってきた! |
絹: |
さて、本日お招きいたしましたゲストはお二方。そして我らが京都市景観まちづくりセンター(愛称:まちセン)からお一方、そしてちょくちょく登場しております、我がチョビット推進室のインターンという5人でお送りいたします。
背後になにやら聞き耳を立てている人も1人おられますが(笑)。
はい、それではゲスト紹介からまいります。
今日はHAPSさん、正式には東山アーティスツ・プレイスメント・サービス実行委員会からお二方、芦立さやか(あしだてさやか)ディレクター、まずお一方です。 |
芦: |
よろしくお願いします。 |
絹: |
芦立さんです。よろしくお願いします。
そしてもうお一方、毛原大樹(けはらひろき)さんです。 |
毛: |
よろしくお願いします。 |
絹: |
ラジオ愛好家を名乗る怪しげなアーティストであります(笑)。
そしてまちセンの辻さん。 |
辻: |
はい、よろしくお願いします。 |
絹: |
辻さん、フルネームで。 |
辻: |
はい、辻真紀子と申します。よろしくお願いします。 |
絹: |
はい、ラジオ担当になってくださったまちセンマンです。
そしてインターンの古川君。 |
古: |
はい、よろしくお願いします。龍谷大学、古川裕之です。 |
絹: |
ということで、お送りいたします。
さて、ゲストのご紹介を、私がちょっと手を抜いてさぼるために、毛原さん、芦立さんとは、どんな人? |
毛: |
芦立さんはですね・・・実は私と同い年なんですが、とても優秀な、美術界では一目をこれから置かれるんじゃないかなと言われるようなキュレーターで。 |
絹: |
キュレーターというのは、学芸員と訳すんですか? |
毛: |
単純に言うとそうなんですけれども、根っからのキュレーターということが言えるんじゃないでしょうか。 |
絹: |
色んなことに造詣が深そうな・・・。 |
毛: |
そうなんですよね。
ピアノもうまいらしいですし、音楽、美術、なんでもですし、しかも海外に留学していた経験もあり・・・。 |
絹: |
お二方とも、見たところ30代くらい? |
毛: |
三十になった、前半ですよね。 |
芦: |
そうですね(笑)。 |
絹: |
さて、ディレクターの芦立さやかさん。 |
芦: |
今、すごい持ち上げっぷりが、皮肉で(笑)。 |
絹: |
毛原大樹さんとは、いかなる人ですか。短くお願いします(笑)。 |
芦: |
本当にラジオ愛好家と言うか、メディアに対してものすごい愛と探究心がすごく強い、好奇心の強さゆえに、人の話を引き出すのがすごい上手だと思います。
本当にDJの才能を持って生まれた人だなあと。 |
絹: |
さっきもね、ラジオカフェの時岡局長と「うわあ、久しぶり!」って。
「どっかの大学のシンポジウムでお会いしましたね」って。 |
毛: |
そうなんですよ。懐かしかったですね。すごく。 |
絹: |
愛知大学? |
毛: |
明治大学です。 |
絹: |
明治大学でラジオのシンポジウムをやったんだ? |
毛: |
そうなんですよ。 |
絹: |
なんかこの話で一番組つくりたいような気になってきた(笑)。 |
毛: |
そうなんですよ。 |
芦: |
毛原さんの枠を、是非(笑)。 |
絹: |
そうですね。持って下さい。ぜひラジオカフェで(笑)。 |
毛: |
あ、スポンサー募集しております! |
第一章 HAPSって、なに?
●若手アーティストをサポートするために |
絹: |
はい、という楽しいゲストであります。
本日の番組のタイトルを申し上げなければなりません。タイトルはすごくシンプルです。
「HAPSさんてご存じですか?」、サブタイトルを「東山に、愉快なやつらがやってきた」ということで、お送りいたします。
さあ、それではエピソード1です。
芦立さん、HAPSが今、こうやって注目されつつあるのは、なぜ?今なぜ京都にHAPSさんが生まれたの?そのあたりからひも解いて下さい。お願いします。 |
芦: |
まずHAPSとは何なのかと説明を求められた時に話しているのは、京都に拠点を置くアーティストのサポートをしていくというのが、まずメインの事業になります。
それから京都市から委託を受けまして、京都市も若手芸術家をもっとサポートして、今後に向けて育成していく必要があるんじゃないかという計画を、2007年に立ちあげられて・・・。 |
絹: |
結構前からやっていることなんですね。 |
芦: |
そうですね。
京都って、芸大が市内だけで4つもあって、毎年多くのアーティストと言いますか、美術を学んだ人間が輩出されているんですが、その多くが仕事を求めて東京に行ってしまったり、大阪に行ってしまったり、もしくは地元に帰ってしまったりということで、京都に残る人というのは、かなり限られた人数だったりするんですね。 |
絹: |
うーん。残ってほしいですよね。ほんとはね。 |
芦: |
で、京都市としてはぜひ残ってほしいと考えたわけです。
そこで、もっと京都の場所がすごく面白くなるようなきっかけをつくる必要があると考えて、何か新事業を立ち上げよう、現代美術を主にサポートする団体をつくろうという話が出たんですけど、予算がこのご時世ですからあまりない。
低予算で何ができるのかというのを考えて、うちのエグゼクティブディレクター・・・うちは実行委員会形式なんですけど、実行委員会の委員長である遠藤水城が選出されて、リサーチを重ねた結果、何か大きな箱を新たにつくるとかではなく、もしくは大きな展覧会をやるではなく、もっとアイデアやネットワーク、つまりソフトを通してアーティストをサポートする方法ができるのではないかということに、チャレンジしている団体です。 |
●具体的な活動として |
芦: |
主に何をしているかというと、基本的には相談窓口を設けていて、アーティスト、しかもそれを支える人向けに、相談窓口と称して、いろんな方からの相談を受け付けます。
本当に色んな事があるんですけど、法律関係で著作権のことで悩んでいるとか、制作上のお金が全然ないとか、作品を見てほしい人がいるんだけれど、どこに話に行ったらいいんだろうなど、本当に色んな悩みがあります。
あと「こういう作品をつくりたいと思うんだけれども、どう思う?」とか、そういう根本的なことまで、いろんなことがあると思うんですけど、そこを受けた上で、例えば「いいと思うかどうか」の話をするためのディスカッションの場を設けたり、出会いの場をつくるために、世界で活躍されているようなキュレーターの方をお呼びして、一対一で話すような機会を設けたり、あとは協賛企業に話に行くような企画書を一緒につくったりですとか・・・。 |
絹: |
リスナーの皆さんは、アートと言いますか芸術の分野に興味のある人以外は、たぶんわかりにくいかもしれない。 |
芦: |
すいません・・・。 |
●アーティストと空き家のマッチング |
絹: |
でもね、彼らが何かをしでかしつつあるのは、最近、私なんとなく感じられるようになってきた。
というのは、僕は本職が建設屋ですから、京都市さんの建設局だとか都市計画局だとか、いろんな部署が、「空き家がすごくあることに困っている。どうしたらいい、絹川さん」「俺に聞くなよ。もっと知恵のある人に聞けよ」みたいな話をしていたことがありますが・・・
芦立さんたちが関わっているなかに、空き家のマッチングだとか、大家さんの発掘だとか、「若いアーティストさんのスタジオとして、その空き家を使ったら、両方安心じゃないの」とかっていう話が、僕にはものすごくビンビン響いたんですけど、その辺を少しお話しいただけませんか。 |
芦: |
やっぱり相談の中で、一番多くを占めるのが、「スタジオの場所を探している」だとか、「制作するための土間が必要」とか、場所に関することがすごく多いんですね。
アーティストは常に場所を求めています。
そのためのスタジオを私たちが提供したり、あと私たちのオフィスのある東山の六波羅学区なんかは五軒に一軒は空き家とも言われていて・・・。 |
絹: |
そうなんですってね。
京女の井上えり子先生が何年か前にその調査をされて、びっくりしましたよ。
向こう三軒両隣のうち、絶対1つは空き家ですよね。二十数%と言ったら・・・。 |
芦: |
もうほんとに、一見すごい素敵な住宅街なんですけれども、路地がすごく多いので、入り込んだ所に行けば行くほど、空き家がすごく増えてくるんです。
だから見えないところで、どんどん空き家が増殖していって、しかも倒壊の危機を迎えるような物件も出てきたりですとか。 |
絹: |
そうなんですよ。人が住まないと、お家は痛む。
昔、井上えり子先生に教えていただいたんですけど、「東山の人は空き家が出ると、息子さんや娘さんがいつか帰ってくる時のために、買っちゃう傾向があるそうです。
そこを倉庫に、とりあえず物が増えたしというので、空き家で物が遊んでいるというか、そういう状態がどんどん進んでいるんですよ」というような話とか、「やはり一人暮らしの人が増えちゃって」とか。
でも、僕らも職業柄、空き家ってどうしたらいいのかなと考えるけど、誰もあんまりいい知恵を出せてないところに、HAPSさんみたいな人が現れたらしいと聞いて、「お、ひょっとしたら」という期待感はありますね。
その辺はうまく動き始めたんですか? |
芦: |
うーん。
六波羅学区の地元の方々が結成したまちづくり委員会によって、もともと空き家だった物件を、ちょっとずつちょっとずつ発掘したりしているんですね。
さらにそれをアーティストが利用する、そこから紹介を受けた物件を、私たちHAPSが、アーティストにマッチングしていくということをしているんですけど、なかなか物件も出てこないというのも現実で、大家さんの理解を深めてもらうためにいろいろと、仲良くなるための活動を続けたり、あとは「空き家であることがもったいないことなんだよ」ということを啓蒙するような活動をしたりですとか。 |
絹: |
毛原さんもアーティストのはしくれと言うか、アーティストの方なんですよね。 |
毛: |
もうはしくれてますねえ(笑)。 |
絹: |
アーティストさんから見て、HAPSさんの動き、それから京都に移って来られて、町家が壊れていくだとか、あるいは空き家が増えていく、高齢化していくというのを、アーティストさんとして見られた時、どうお感じになりますか。 |
毛: |
そうですね。
今のお話を伺って、空き家がそんなにあるのかということを、改めてまずびっくりしました。 |
絹: |
すごいんです。隠れ肥満みたいなもんで。 |
●廃校になった小学校を借りて |
毛: |
ほんとにすごいですね。
で、やっぱり今、芦立さんが言っていた、モノをつくる人にとって、場所がないというのは、本当に切実な問題で・・・
今、それを聞いたところによると、「京都っていうのは、本当に作家にとって、いいまちじゃん!」って、本当に思いました。
僕も大学を出て、制作場所うんぬんで色んな悩みを抱えている時に、たまたまHAPSの募集を見て、応募したわけですけれども。 |
絹: |
スタジオを使ってらっしゃる? |
毛: |
そうなんです。 |
絹: |
芦立さんが紹介したんですか? |
芦: |
元新道小学校という、祇園をちょっと下がったところで、宮川筋のお茶屋さん街の真裏のあたりで、とても良い場所なんですけど。 |
絹: |
広い場所ですか? |
芦: |
その小学校が二年前に閉校になって、その一部、六教室のみをHAPSのほうで、活用させていただくことが決まり、アーティストに貸し出ししております。 |
毛: |
私が今、使わせていただいているのが、元音楽室だった場所で、普通の教室よりも少し広いくらいの場所を提供していただいております。 |
芦: |
中に階段があったりだとか・・・。 |
絹: |
階段教室?あ、そうかあ。音楽室だもんな。 |
毛: |
少しですよ。少し段差がある程度なんですけど。 |
絹: |
京都の小学校って、私、それを専門的に調べたわけじゃないですけど、“番組小学校”って、言って、地域の人がお金を出し合ったりして、自分たちでつくったという学校が多かったらしくて。 |
毛: |
らしいですね。
昔の備品とか見ると、寄贈だとか、地域の人たちの名前が書いてあったりとか、そういった備品がありますね。 |
●地域の人に認めてもらうということ |
絹: |
だからその新道小学校が閉校になっても、やっぱり「地域のものだ」と、「俺たちのじいさん、ばあさん、ひいじいさんたちが寄付して、一緒につくったんだから、大事に使えよ」みたいな意識はすごく強くて、「信用の置けない変なやつらだったら、追い出すぞ」みたいな空気は感じない?大丈夫? |
芦: |
いやあ、もう・・・そこまでにまず貸していただくということが決定するまでに、ものすごく時間がかかりました。
やはり地元の方に理解をしてもらうということが・・・。 |
絹: |
そのかかった時間、HAPSさんたちが苦労された時間というのは、地元の信頼を勝ち得るための時間だったんでしょうかね。 |
芦: |
うーん、どうでしょう。
まだ半信半疑なところで見てらっしゃると思うんですけど、この前も恵比寿祭りのときにお神輿をスタジオのアーティストなんかが担いだりして・・・。 |
毛: |
担ぎましたねえ。 |
絹: |
それって、無茶苦茶喜ばれたんとちゃいますか? |
毛: |
喜んでいただけたんでしょうか? |
芦: |
いや、すごい喜んでました!うん! |
絹: |
担ぎ手に、相当苦労してはるはずですから。 |
毛: |
そうですね。若い人たちは少なかったですよね。 |
絹: |
だから、その六教室が、HAPSさんを通じて貸し出されているということ自体が・・・
ひょっとしたらアーティストって、カタカナじゃないですか?ぱっと聞いたらわからへんけれど・・・
「あ、こういう人たちが来てくれると、少しこの辺の地域が明るくなったわね」とか「元気になるんじゃないか」という予感を地元が感じておられるとしたら、すごく素敵な話だなと思って伺いました。 |
毛: |
そうですね。 |
芦: |
アーティストも本当に感受性が豊かで、好奇心の強い方が多いと思うので、地元の伝統的なお祭りだとか、昔から住んでいらっしゃる方のお話とか、すごく興味深く聞いたりして。
それが直接的に作品に影響を及ぼすかと言うと、ちょっとわからないんですけど、深くしっかりと根付いていっているんじゃないかと思います。 |
第二章 アートとコミュニティのコラボレーション
●アーティストのセンスが空気をつくる |
絹: |
僕は確実に及ぼすと思います。
そのコミュニティとアーティストの方がどう関わってくださるのかっていうのは、ただ作品を見る、鑑賞するというのに留まらず、すごいことが起こる・・・。
でもこういうのって、わかりにくいね。わかりにくいかもしれない。
古川君や辻さんとか、どう思われます?
辻さんたちは、HAPSさんみたいな、こういう動き、アーティストさんが来てくださること、古い家に来てくださること、あるいは京都に来てくださることが、景観・まちづくりセンターとしても「なんか面白いな、これは大切なことだな」と思われたわけでしょ? |
辻: |
そうですね、はい。 |
古: |
でもなかなかアーティストの方とお会いすることって、あんまりなくて。 |
絹: |
そうだ、本当にそうだ。 |
古: |
普段、生活していると、なかなか会わないですし、僕ら絵を描くということも、高校でもう終わってしまうという人も結構多かったりして、後は好き勝手に描く、誰にも評価されなくなって、初めて絵の楽しさとかわかってきたりするんですけど、なかなかそういうちゃんと絵を描かれている方や音楽をつくられている方に会うことっていうのは、なかなかないことですから。
そういうので、交流することによって、わかることもあるかもしれませんね。 |
芦: |
うーん、是非遊びに来てください。 |
毛: |
是非、小学校のほうへ! |
絹: |
以前ならね、HAPSさんが面白いとか、毛原さんたちが面白くなるかもしれないなんて、実は思えなかったと思うんです。
私自身も。建設の仕事なんかしてますと、本当に縁遠いですから。
でもなんとなく「あるな、これは」と思うのは、杉崎さんたちと一緒に、五条の“のきさき市”だとか、五条新町の“つくるビル”、築後五十年の古ビルのリメイクが行われて、そこが幽霊ビルみたいに空いていたところを、若いアーティストさんたちを中心とするアーティストスタジオ集合体みたいなものに・・・うちの近所なんですけど、なっている。
行ったらね、はじめは「あやしいなあ」と思っていたけど、すごい気持ちのいい空間なの。
アートに携わる人って、お金をかけずに色んな工夫を、セルフビルドに近いような形でやっちゃうと、周りの空気がなんかすごくいいなあって思って、そういう人たちの存在を、近所の人たちがだんだん気がつき始めている気がするんです。
もしその東山だとか・・・あ、HAPSさんて、東山だけじゃないんだよね。活動。 |
●京北地区とのコラボレーション |
芦: |
基本的には京都市からの委託事業なので、京都市全域で。
右京区の京北なんかとのコラボレーションとかもあったりして。左京区にも行きますし、伏見にも行きますし。 |
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絹: |
相談をHAPSさんにかけると。
アーティストさんだから「こんなものをオブジェに」とか、「まちが元気になるようなものを何かつくってもらえませんか」みたいな相談があるとうれしいし。 |
芦: |
そうですね。
一つ、去年すごく面白かったのが、右京区の京北地区から市内で実際に走っているバスのラッピングをしてくれという依頼が来て・・・ |
絹: |
あった、あった!これだ! |
芦: |
それでアーティストと一緒に柄を決定して、直接絵を描いたんですよ。 |
絹: |
これ、皆さん。ラジオですから、映像はないですけど、「花降る里けいほく」バスプロジェクトって、去年の11月、うわあ・・・。 |
芦: |
実際に今もまちを運行しています。 |
絹: |
コミュニティバスに、アーティストがペインティングをした。 |
芦: |
そう!しかも通常は、デザインされたシール状のものを貼るんですけど、これはもう、そうではなくて、アーティストが直接描いてしまった。それはかなり画期的なんじゃないかと。 |
絹: |
ほう、生ですね。こういうのが、京北の里を走っている。 |
芦: |
そうです! |
●地域の人と一緒に絵を描くということ |
絹: |
すごく素敵な・・・。あ、なんかちっちゃい子が、うさぎちゃんを描いてる。 |
芦: |
そうなんです。地元のお祭りにあわせて制作をしたので、地元の方にもかなり参加していただいたりして。 |
絹: |
今、何気なく、ちらっと「地元の方にも」って、芦立さんは言ったけど、これかもしれないですね。
毛原さん。アーティストが専門家として、「俺が描く作品に、指一本触れんじゃねえ!」って言うんじゃなくて、つくる作品とかに「一緒に参加しない?」みたいなことをやると。 |
毛: |
そういう人たちが地域に行く理由というのは、そこでしょうね。
みんなと一緒に何かをやるとか、皆さんにも一緒に描いてほしいとか、表現する楽しさを知ってほしいとか、そういうことをやるために、たぶんこういうプロジェクトがあるんだと思いますよ。 |
芦: |
スタジオの中で、毎日本当に黙々と絵を描き続けるアーティストもいるんですけど、毛原さんは絵を描き続けるというよりも、むしろ他者、外部の空気をうまく吸い取るアーティストとして選ばれているんですね。 |
●メディアアートというジャンル |
絹: |
はい、手元資料として、毛原大樹さん、アナログメディアイノベーションワークショップという横文字が書いてあります。 |
毛: |
やりましたね。 |
絹: |
スタジオ内で自分たちのラジオ番組を放送体験する。これのことですか? |
毛: |
そうなんです。僕のスタジオって、実はラジオ局だったりするんです。 |
絹: |
アーティストって言っても、ラジオのプロデューサーと言うか、ラジオをやる人にもそういう人がいるんだ。 |
毛: |
はい。いろんな表現方法があって、そのうちの一つの手段としてラジオを使うって言う。
まあ、歴史的に見てもラジオアートというジャンルがあったりしますし、今でもメディアアートとか、たぶんそのうちの一つになるかと思うんですけど。 |
絹: |
古川君が好きそうな分野やな。 |
毛: |
そうなんですよ。だからラジオ好きって、さっきおっしゃったから。 |
古: |
若い人って、ネットであったり、テレビであったり、今は色々氾濫しているので、ラジオってなかなか目が向かないんですけど、ラジオって一回はまってしまうと抜け出せないと僕は感じていて・・・
ラジオにはまってしまうと、どうしても頭の中でDJであったり、野球の実況アナウンサーのまねごとをやってみたりしたいなと思うんですけど、そんな機会がないもんですから(笑)。 |
●アートがまちにもたらすもの |
絹: |
リスナーの皆さん、アーティストとかアートとか芸術とかいう分野で、わかりにくくならないでください。
毛原さんの話を聞いても、芦立さんの話を聞いても、僕らが常識で思っている以上に、アートっていう言葉はすごく奥行きがある、広がりのある段階に、今、京都では来ているようです。 |
芦: |
アートっていう言葉を無視して、まずは愉快な人たちだと思って接してもらえるのがいいのかなと。 |
絹: |
だから最初「愉快なやつらがやってきた」というサブタイトルをつける前に、「おかしな」とか「変なヤツらがやってきたんと違う?」って(笑) |
毛: |
そういうことを言うと、小学校を貸してもらえなくなるから(笑)。 |
絹: |
でも、辻さんに前も質問したと思いますけど、辻さんの名刺の裏には英語でまちづくりセンターの訳語が書いてあるんですよね。 |
辻: |
そうですね。“Kyoto Center For Community Collaboration”です。 |
絹: |
“Kyoto Center For Community Collaboration” って、名訳だと僕は密かに拍手をしています。
毛原さんたちの存在だとか、HAPSさん、芦立さんたちの存在が、芸術っぽいことを通じて、コミュニティコラボレーションみたいなことを起こしている、あるいは起こそうとしているんじゃないのっていう気が、実はすごくしているんです。
その辺が面白いと思いません? |
毛: |
はい、ありがとうございます。 |
芦: |
ありがとうございます。 |
絹: |
リスナーの皆さんにぜひぜひお伝えしたいのは、本当に気持のいい空間だとか、気持ちのいい人のつながりを、若い三十代前後のアーティストさんが、京都の古い町家に入ったり、いろんな人の相談に乗ったり、地域でお祭りを手伝ったりすることで、なんとなく京都がより居心地のいい場所になろうとしている動きが、東山の辺りから少しずつ広がっております。
そのことをぜひぜひ知っていただきたくて、HAPSさんということを覚えておいてください。 |
毛: |
たぶん皆さん、HAPSさんで覚えちゃって、HAPS(h́æps)で覚えられないかも(笑)。 |
絹: |
あ、ごめんなさい。HAPSね(笑)。スラングで「ハプニングを起こす」という意味もあるそうです。 |
芦: |
「What’s haps」とか、言います! |
絹: |
さすが、留学経験豊富な芦立さんではあります。 |
芦: |
1年だけです(笑)。 |
●告知です |
絹: |
やばい!時間がない!短く告知を! |
辻: |
最後に景観・まちづくりセンターでは、京都の歴史や景観、町家の活用などに関する様々なセミナーを開催しております。
ただいま、7月から9月のセミナーの募集をしておりますので、是非皆さんご参加ください。お願いします! |
絹: |
すみません。時間がなくなっちゃいました。
この番組は、心を建てる公成建設の協力と、我らが京都市景観・まちづくりセンターの応援でお送りしました。
HAPSの皆さん、ありがとうございました。 |
一同: |
ありがとうございました。 |
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