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放送日 平成16年10月31日(mp3形式音声ファイルはこちら→)
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 放送内容は、著作権の保護を受けますので、個人でお聞きになる以外のご利用は出来ません。
タイトル: 地域福祉の最前線
テーマ: あなたの町にコンビニの数ぐらい必要な施設が実は有るんです!
小規模多機能施設「姉小路(あねやこうじ)」の紹介
出演者:
特別ゲスト 
  広:広末 利弥氏 社会福祉法人 七野会 理事長
特別養護老人ホーム「原谷・こぶしの里」代表
松:松岡 千鶴氏 (NPO法人京都コミュニティ放送 放送局次長)
絹:絹川 雅則 (公成建設株式会社)
 放送内容については、無断使用を禁止させていただきます。この件についてのご連絡はこちらまで。  
絹: 公成建設、まちづくりチョビット推進室!
-------------------------------------
絹: 皆さんこんにちは。公成建設まちづくりチョビット推進室の時間がやってまいりました。
今日で確か、五回目になります。
本日のゲスト・・・あっ、失礼しました。順番間違えました。
今日のお相手はいつものように、当、京都三条ラジオカフェ、「声のマドンナ」松岡さんでいらっしゃいます。
松: あっ!今日はいつもと違いました。
「声のマドンナ」、という風にご紹介いただきました。
いつもそう言われたらいいな、と思っている松岡です。
よろしくお願いいたします。
絹: よろしくお願いします。
そして、本日の特別ゲストをお迎えしております。
社会福祉法人 七野会、理事長をされております、広末利弥先生でいらっしゃいます。
広: こんにちは、広末でございます。よろしくお願いいたします。
絹: よろしくお願いします。
松: よろしくお願いします。
広: よろしくお願いします。
絹: さて、今日のテーマはですね、「地域福祉の最前線:あなたの町にコンビニの数ぐらい必要な施設が、実はあるんです」。
これを広末先生に、ズバッと切っていただこうと思っておりますが、本題に入ります前に、広末先生のプロフィールを簡単に紹介させていただきます。

広末利弥先生。
私とちょうど一回り上のお兄さまでいらっしゃいましてですね、御歳58でいらっしゃいます。
広: そうですね。
絹: 働き盛りの脂ののりきった、年齢だと言うことで・・・・
1986年に、特別養護老人ホームの「原谷こぶしの里」の施設長を皮切りにと言いますか・・・されまして、2000年には、その「こぶしの里」の代表になられます。
その他に、社会福祉法人 七野会・・・これは「こぶしの里」の母体ですけれども・・・七野会の理事長を2004年の4月よりお務めです。
それから、学校の先生もされてまして、立命館大学の産業社会学部の講師を1991年から。
それから、95年からは仏大・・・仏教大学の社会福祉学科での講師等もお務めになっています。
広末先生の簡単な紹介でありましたけれども、私が京都の中で、一番信頼している社会福祉法人が七野会、広末先生です。
広: そうおっしゃっていただきますと、非常に光栄なんですけども・・・
絹: はい。
広: 至らんことも沢山あるんですけれども・・・
この間のおつきあいで、色々と勉強もさせていただきまして、今日の一つのテーマと言うんですかね、「コンビニの数ほど必要な施設」と言うことで、お話をさせていただければ、私も非常に幸せだなぁ、と思っとります。
絹: はい。よろしくお願いいたします。
広: よろしくお願いいたします。
絹: それじゃぁ、話のバトンを広末先生の方にお渡しして、後は松岡さんと私でそれに絡んでいくと言う、トークバトルにいよいよ突入致します。
松: 楽しみですね。
絹: よろしくお願いいたします。
広: いや・・・そう言われるとなかなか厳しいんですけれども、ちょっと本論に入る前に・・・
絹: はい。
広: 私が、神戸の出身でして、もう今から10年近く前に、あの阪神淡路大震災が有りました。
この度は新潟で中越地方の地震がありました。
絹: きついですねぇ。
広: ねぇ。もう本当に心からお見舞い申し上げたいなぁ、と言うのが、まずもって言いたい事なんですね。
絹: はい。
広: 合わせて阪神淡路大震災の折りにも、沢山の全国からの応援とかボランティアと言うことで、日本ではボランティアの新しい形が始まったのは、あの時のことだと思ったりしますんですが・・・
絹: そうですね。ボランティア元年と呼ばれましたですね。
広: そうですね。
そういう意味では今回の中越地震のお見舞いを申し上げながら、また京都では北部の方での水害とか・・・
絹: はい。
広: 兵庫の水害もありますし、皆様におかれましては、本当に復興が一日も早く進む事を心から願いたいと・・・
絹: はい。
広: ちょっと本論ではないんですが・・・
絹: いやぁ、実はね。うちの現場も水に浸かりましたし・・・宮津の方で。
松: あぁ、そうですか。
絹: それから、土砂崩れの復旧の現場へ、うちも職員を派遣されてまして・・・
もうちょっとでうちの職員もその土砂崩れに巻き込まれるところで・・・
公成建設の車両も一台ペチャンコになりました。
広: まぁまぁそういうことが有りますけども、本当に心からお見舞いと復興をお祈りしたいと思ってます。
で、本論の方なんですけれども・・・・
絹: はい。
広: 私が・・・つたない経験の中からの、お話と言うことになると思うんですけど、今ご存じの通り、高齢化がどんどん押し寄せて来てまして、京都の市内で言いますと、約20%に近い高齢化率という風に言われておりますねぇ。
絹: はい。
広: お元気な間は良いんですけど、身体に障害が生まれたり・・・「痴呆」という障害が生まれたりと言うことになってくると、やはり一人で暮らすことが難しかったり。
それから、介護と言うことが必要になってくる、と言うのが今の時代の一つの大きな特長かなぁ、と言う風に思いますねぇ。
絹: はい。
広: その時に、どうやって介護を受けるか・・・或いは介護を支えるか、と言いますと、これまでは特別養護老人ホームとか、老人保険施設とかと言った福祉に関係する施設が、それなりに数多く生まれてくるようにはなったんですけれど・・・
絹: はい。
広: どちらかと言いますと、京都市でも周辺部・・・
絹: はい。
広: まぁ、うちの施設も原谷にございますので、やはり町中からは少し、離れたところ・・・と言うことなんですねぇ。
松: そうですねぇ。
やっぱり見かけると言えば、そういうちょっと小高い丘の上、等に良く見かけますねぇ。
広: 「小高い丘」と言うと聞こえが良いんですけど・・・(笑)
松: ちょっと不便なところ、と言う・・・
広: そうですねぇ。
松: ・・・面もあるわけですねぇ。
広: やはり障害をもたれた皆様方をお世話しますんで、どうしてもそれなりに、一定の敷地とか、建物の面積とか・・・
まぁこれ、公成建設さんのご専門の領域でもございますけれども・・・
あまり小さくてはなかなか出来ないというところなんで、これまでの施設は・・・そうやってやってまいりましたねぇ。
でも、ご家族にとってみればご不便で、ご本人さんにとってみれば、何となく日常の生活とはかけ離れたような空気とか・・・
良く皆さんからは、「空気が綺麗でよろしいねぇ。」とか「緑が多くて良いですね」って言われますけれども、果たしてその、町中で住まわれてきた皆さんから、とって見ればどうなんでしょうかね、って言うのが有るんですけども。
絹: はい。
広: でも、「万、やむなく」と言いますか、これまでは必要な施設として、そういったものが整備されてきました。
でも、それはそれで私は、これからも大きな施設が、専門的な介護のノウハウを蓄積をして、いかなる状態であっても、生活の施設として快適な援助、お手伝いをする事は、非常に大切だと思ってるんですけど。
そのもう一方で、もうちょっと身近なところで、身近な日に利用が出来て、ご近所のお世話になった皆さん方が、「ちょっと元気か?」言うて立ち寄っていただけるような、そんな施設も必要かな、みたいに思って、この間ご一緒に研究させていただいたのが、今の・・・今般ですね、ご紹介と言いますか、中京区に出来ております、小規模多機能施設と言われている、「姉小路(あねやこうじ)」と言う施設も、そのうちの一つなんですねぇ。
絹: はい。
広: まぁ、そういうことで、その施設の紹介を少しさせていただきましょうかね。
絹: はい。
広: 実はこの施設の・・・五年ぐらい前から・・・今から前に、地権者の方から、「土地を寄付をしたい」・・・自分達も病気があったり、子供がいなかったりして・・・
でも、「住み慣れた、自分達がずっと住んできたところで、暮らし続けたいと言う希望を持ちながら、資産を活用して、ご一緒に地域の中で暮らし続けることに役立つようなことは考えられへんか?」と言うご相談がありました。
私どもも、またとないチャンスでもございましたし、これからの福祉の有り様が、一方では専門的領域として、「大きな施設の中でお世話をする」と言うことと、もう一つは、先程来申し上げております、「地域の中で応援出来る」施設。
地域の中で暮らし続けられる・・・それに資するようなものということで考えておりましたので、勉強会をご一緒にさせていただいて・・
松: はい。
広: ・・オープンといいますか、オープンにこぎ着けたのが、実は昨年の4月の事なんですねぇ。
松: あぁ。
広: それで、公成建設さんにお世話になりまして・・・
松: そうですか、はい。
広: それでまぁ出来上がって、おかげさまで今で一年半ほど、歩ましていただいております。
コンビニっと、先ほども言いましたけども、コンビニって何でしょうかね?と思いますと・・・なんか近くにある。
絹: はい。
広: それから、少しずつですけれども、必要なものがあるんですよねぇ、一応何でも。
絹: はい。歯ブラシもあります。
広: そうですねぇ。下着も売ってますしねぇ。
絹: はい。
広: 飲み物もありますしねぇ。
絹: はい。
広: と言うことで、必要なものが、それなりにある。
絹: はい。
広: 私は、コンビニというのは、身近にあって・・・もう一つあるんですね。
24時間なんです。
絹: あぁっ。はい。
広: 多くは・・・
松: そうですねぇ。
広: そういった、身近にあって、24時間サービスで、必要なものがある。
松: うーん。
広: 実は介護の世界とか、福祉の世界も、そういったことから考えると、今までは少し遠かったり・・・それから老人ホームなんかで24時間サービスを行うんですけども・・・
例えば深夜に来ていただけるホームヘルパーさんって言うのが、多かったかといえば、決してそれはホント少ない現状がございますし・・・今でも、滅多にないと言えば失礼ですけれども、まだまだ不足をしておりますねぇ。
コンビニには弁当売ってますけれども・・・
絹: はい。
広: 福祉の・・・私どもでは「配食サービス」と言うことで、高齢者の皆様方のお世話をする。
絹: はい。一人暮らしのお年寄りなんかに・・・
広: そうですねぇ。
絹: お弁当をお届けしたりする、と言うそういうサービスですね。
広: そういう風に考えると、身近で、24時間サービスで、必要なものが何でもあると言う・・・
絹: はい。
広: そういったことが出来るのが、これからの福祉かなぁ、と思っておりまして、今般、「姉小路」という施設をですねぇ、開設から運営と言うことに至った訳です 。
絹: 広末先生、コンビニにもう一つありました。
広: はい。
絹: 人が寄ってくる。
広: あっ。なるほどね。
絹: はい。
広: そうですねぇ。
不思議に若者も、最近は高齢者の方も、老若男女を問わず、人が集まってきますねぇ。
絹: はい。
広: そういう意味では四つですよね。
絹: はい。
広: そんなことを目指して、やっておりまして、ちょうど今のお話と一緒なんですけど・・・
一階にはサロン「ひだまり」と言う名前で・・・
絹: はい。
広: 人が、寄ってくると言えばあれですけれども、集まって来ていただいて、なんか地域の暮らしのこととか、カルチャーセンターになったりとか、ちょっと会議に使っていただいたりとか・・・
松: はい。
広: 規定、規制は何もないんです。
松: 自由に、地域の方が・・・
広: そうですね。
松: ちょっと、「こんにちは」って言って入れるわけですか?
広: えぇ、えぇ。それも結構ですけれども・・・
松: えぇ、えぇ。
広: 今はまだ会議だとか、ちょっとこうした集いが多いんですけれども・・・
松: うーん。
広: まぁ出来るだけ、近い将来には・・・そう、ふらっと立ち寄れる様な、そんなことも実現出来そうな事を考えておりますし、それから、地域で暮らされる方も、これから一人暮らしの方、どんどん増えて参りますので、「配食サービス」・・・昼と夜の一日二食を配達すると、それもやっとります。
二階には、ご相談とか、介護計画が立てられる居宅介護支援事業所というのがございまして・・・介護保険なんですけどね・・・合わせてデイサービスセンターが有って、昼間だけご利用いただいている方が、27人定員でいらっしゃいます。
で、三階と四階が、実は痴呆のお年寄り・・・痴呆という病気になられた方が、様々な生活障害で生活が出来ないと言う方が、共同で生活される、「グループホーム」と言うのが・・・9人定員が二つ、三階と四階にございます。
五階には、実は四軒だけなんですけど、高齢者と、それから障害者が生活出来る・・・エレベータで上がったら後はバリアフリーというですね、そんな風な、いわゆるマンション、アパートって言いますかねぇ・・・一戸一戸、計四軒ございまして、お住まいになっておられます。
松: はい。
広: そういう、今言ったように・・・コンビニの品数には負けますけど、幾つありましたかね・・・・いろんな事業が沢山・・・小さい建物なんですけど、ぎっしり詰まっている、と言う、そんな施設なんですね。
絹: はい。
広: はい。
松: フロアー毎に、まぁ最低、機能が違いますよね。
広: そうですねぇ。
それはそれで、フロアー毎に違うので、それぞれの役割を、相分担し合いながら、専門性を発揮する。
でも建物は一つですので、お互いに協力したり連携したり、みんなで力を合わせて、と言うことが出来ますので、そのメリットも一方であるんですねぇ。
松: はい。
今ちょっと建物の写真を拝見してるんですけれども・・・なんかビルでは有るんですが、町屋の玄関のようですよねぇ。
広: そうですね。
設計事務所さんの知恵とか、公成建設さんのお力で出来上がったんですが、京都には良く路地がありますね。
松: はい。
広: 路地を思わせる様な廊下なんですよね。
絹: はい。
広: 廊下言うか通路ですよね、あれは。
一階のこの入り口は、ベンガラ格子と言いますか・・・色はちょっとベンガラではないんですが・・・
絹: 木製の引戸を・・・
松: 引戸ですねぇ。
絹: ・・ガラガラっと開けていただくと、まさにビルの中の路地を思わせる通路が・・・メイン通路がスウーッと奥へ伸びていってます。
松: そして、京都だなぁと思うのは、玄関開けると、本当に奥行きが有りますねぇ。
絹: はい。
広: そうですねぇ。
建物自身も間口が狭くって、奥行きが長いと言う京都独特の敷地の形状なんですが、その中に又建物も、同じ様に・・・
一軒路地言うんですかね?でもないんですかね・・・と言う風な趣がありますね。
絹: そうですね。趣がありますね。
広: 趣がねぇ・・・土壁と言いますか・・・壁がありまして・・
松: えぇ。
広: 全体は鉄筋コンクリートなんですが、そういった、ちょっとした風情が、京都の伝統を守りながら、と思ってやっとります。
松: そうですね。京都の場合はやっぱり町中に、そうやってコンビニのように建てるとなると、やっぱりそういう周囲との調和と言うのも考えて、と言う・・・
松: そうですね。京都の場合はやっぱり町中に、そうやってコンビニのように建てるとなると、やっぱりそういう周囲との調和と言うのも考えて、と言う・・・
広: そうですね。
松: ・・・必要ですよね。
広: それと、ご利用される人の立場から言いますと、やっぱり長年暮らしてきた暮らしぶりとか、生活の仕方とか、なじみの風景とか、そういったものが非常に大事だと思うんですよね。
私はいつも「福祉は文化だ」と言うんですけども、庶民が創ってきた文化というものが、日常の暮らしの中で活かされる。
そんな風な暮らし方が、一方では福祉施設って言われるんですけども、そういった福祉施設と言われているところでも、同じ様な暮らしが出来る。
これを私どもでは「生活の連続性」とかいうことも言ったりするんですけども、そういうことを大切にしたいなぁと思っておりますねぇ。
絹: お歳を召した方って言うのは、身体の具合・・・例えば痴呆の症状が出て、施設へ収容せざるを得ない、と言うようなことがたとえあったとしてもですねぇ、お歳を召せば召すほど、遠くへ環境変えて、遠くへ行くって言うのは、ものすごくダメージになるんだそうです。
松: うーん。
広: そうですねぇ。
絹: 出来れば、以前からお住まいのご自宅におられるのがベストなんですけれども・・・
ご自宅からホントに町内に、コンビニのような感じでですね、こういうような施設がもしあれば、お孫さんも息子さんも、お嬢ちゃんもですね。仕事の行き帰り、学校の行き帰りに、「お祖母ちゃん」「お祖父ちゃん」って言うて、フッと顔見に来れる・・・
ところが、遠くに離れて行くと、「仕事が忙しゅうて、なかなか月に一回もいけへんわ」と・・・
その差が大きいんですね、先生。
広: そうですねぇ。
行きたくっても行けない。
人間の関係性が段々と疎遠になって来るというのがありますかねぇ・・・今グループホームと言う名前が出ましたけど・・・
松: はい。
広: 私ども大きな施設でも最近は、「グループホームケア」と言うんですけど・・
松: えぇ。
広: 同じようにグループホーム・・・先ほど少し言いましたが、9人とか8人とかの定員で小集団で生活するところを、グループホームと言うんですけども・・・
松: はい。
広: 老人ホームは大きいですよね。
松: えぇ。
広: 大集団なんですねぇ。
でもその大集団を出来るだけ小さく、集団を区切ることによって、お世話をしていこうという動きがあります。
で、そこで言われているグループホームとか、グループホームケアとか言うのは、何故小さければいいか、と言うのがあるんですけれどもね。
一つは、「なじみの関係」と言う・・・
絹: はい。
広: 大きな集団は、なかなか人間の関係性が保てませんよね。
松: それと又関係が作りにくいですねぇ・・・
広: つくりにくいんですねぇ。
松: ・・・数が多いと。
広: そうですね。
学校なんかでもそうですけど・・・私どもが小さい時は、小学校・・・55人とか60人学級でしたよねぇ。
絹: はぁ。
広: 今、30人学級と言われていますねぇ。
松: あぁ、はい。
広: やっぱり小さい方が目が行き届き易い・・・
絹: はい。
広: 先生からすれば。
それは、利用者の人も、大きな集団より小さな集団の方が、関係性が出来るし、良く知った人にお世話を受けるとか、「あの人はああいう人」って言うのが良く分かる。それがあると、非常に安定して、落ち着いてこられる。
で又、職員から言いますと、ニーズ・・・ご要望とかね、「こうしたいのかな?」とか、「こうして欲しいのかな?」って言うのが、その目線、或いは・・・目の届く範囲で見えますので、良く理解が出来る。
松: 家族のような気配りが、お互いに出来る、と言うことですねぇ。
広: そうですねぇ。そういう家族になり代わって、お世話が出来る、って言う関係性があること。
それから、出来るだけこの地域で・・・地域の施設に入る事で、先ほど言った生活の・・・それこそ水とか空気とか、風習とか空とか・・・そういったものが、ホント変わりませんよね。
松: あぁー。
広: それって大事やと思うんですよねぇ。
松: うーん。日常の生活が今までと変わらない。
広: そうですね。
松: はぁー。
広: たとえばねぇ・・・堀川通りとか、ここ御池通近いですけど・・・
絹: はい。
広: あの近辺で生まれて育った方はやっぱり、昔で言えば電車の音、今で言いますとバスの音とか車の音とか・・・あれがないとやっぱり、寝付けないんではないですかねぇ?
松: 逆にそういうこと有るんですねぇ。
広: 絹川さんは、赤い火とか青い火がないと駄目だとか・・・
松: あはっ(笑)
絹: いえいえ。私は、あの・・・(笑)
松: 赤い火とか青い火・・・(笑)
どの辺りなんでしょうか?(笑)
絹: ちょっと返答に窮します(笑)
広: でもやっぱりそういうですねぇ、ずっーと経験してきた、なじみの知識と言いますかねぇ・・・
絹: はい。
広: そういったものが、ずーっと保てればいいなぁ・・・
そうすれば、近所の方が・・或いはお子さんが、お孫さんが、下駄履きででも・・
絹: はい。
広: つっかけででも、自転車に乗ってでも・・・
絹: はい。
広: 来れるという・・・それが一番、孤立感が無くって、良いのかなぁと思うんですけどねぇ。
松: ホントですねぇ・・・さっきおっしゃった、小高い山の上、勿論空気は良いし・・・
広: そうですね。
松: 小鳥は鳴いてるし、
広: 静かですし。(笑)
松: 静かですし(笑)、良いんですけれども、やっぱりお孫さんが、「お祖母ちゃんどう?元気?」って、気軽に行ける場所じゃぁ無いですよね。
広: そうですよね。
それから、ご利用の皆さん方も、例えばちょっと気分が良いとか、ちょっと家に帰ってみたいなぁ、とかいうときに、ちょっと帰れるっていうのも良いですよね。
松: はい。そんなことして良いんですか?
広: あっ、いいんですよ、それは。
すべてが基本的には自由ですから・・・
良いんですけれども、でもちょっと離れたところにありますと、帰りたいという風におっしゃいますと、誰かがねぇ、お連れしなければならない訳ですから・・・
それ、当然職員の仕事みたいになるわけですよねぇ。
松: うーん。
広: 職員、決してまぁ・・時間のゆとりが有るわけではないので、なかなかそれが、したくっても出来ないって言うのがあって、「ちょっとまってね。」って言う風に、心苦しくも思わなければならない、言わなければならない。
そういうことがない・・・言われたときに、或いはご要望のあるときに、すぐ実現出来る様な、そんな条件も出来るかな?と思うんですよねぇ。
松: まさに、「コンビニ」ですね。
広: そうですね。
松: 福祉の「コンビニ」。
広: そうですねぇ。
松: はい。
広: そんな風なことが出来ればと言うことで・・・まぁ一つ出来たんですけどねぇ。
松: はい。
広: これからは、コンビニの「数ほど」、と言うのがあるんですよね。
絹: はい。はい。
松: こーれはすごいですねぇ、絹川さん。
絹: あの僕、これねぇ、このお仕事に出会ってねぇ、「ビックリしたぁ」っていうたら変ですけども、「コンビニの数」程欲しいんです。
あぁ、うちの会社こういう仕事・・・一つだけじゃなくって、年に一つと言わず二つぐらい、したら・・・出来たら嬉しいやろなぁ、と・・・
で、現場に付いた技術職員もですね、この建物の「意義」とかですねぇ、「意味」を判ってねぇ・・・
それから、この建物を造るに当たって、「中京区に小規模多機能施設を作る会」って言う勉強会に参加をしているようなスタッフがね、係わってやっていったわけなんで、ものすご喜んで仕事をしてましたねぇ。
なかなか・・・小川って奴でしたねぇ。
広: そうですね。
絹: ねぇ。
松: 小川さんが・・・
絹: はい小川と言う・・・
松: 勉強会に参加されたんですか。
広: そうですねぇ。(笑)
絹: 廣江という、営業職も勉強会に参加しておりましたですけどねぇ・・・
松: はい。
広: それも一つの、私は大きな特長だったり、大きな良い経験だったなぁと、私自身も感心しているんですけども・・・
例えば造りたい人がいてて、造る会社があって、利用したい人がいてて、ではなくって・・・
造りたいと思っている人、夢を描く人も、建築の人も・・・・地域で暮らしている方も、自分達にとって何が必要なんか?或いは自分達がその中で、どんな役割を担うとか果たすことが出来るかな・・・
同じ目線でお互いに勉強して、学び合いながら、自分を高め・・・そして一つのものを共同で造り上げると言う・・・この「共同」と言うことが大事なんですねぇ。
絹: そうですねぇ。
参画と言いますか、共に働く、参画する。
これは只の「お仕事」として請けたと言うよりも、このプロジェクトに我々も「参画」させていただいた、と言う意識が有るから、内の現場の者達も、意気に感じたと思います。
さてこの音楽が鳴り出したと言うことは、そろそろ時間が迫って・・・お別れの時間が迫ってきているので・・・
広: 早いですねぇ。
絹: お話しし出すと、ものすごく早いんですけれども。
松: 名残惜しいですねぇ。
絹: はい。まとめに入らなきゃなりません。
公成建設まちづくりチョビット推進室の室長、絹川といたしましてはですね、京都の“まちづくり”におきます、最前線を自分の言葉で語りたいと、取材したいと言うことで、今日は広末先生にお越しいただいて、「小規模多機能施設:グループフォームケア」とは何か?
コンビニの数ほど町中に必要な、新しい福祉の町中暮らし、言うことについて語っていただきました。
出来ましたら皆さん・・・お聞きの中の方で、「こういうものをやってみたいなぁ」・・・第二、第三の小規模多機能施設ですね。
町中のコンビニの福祉施設・・・同じ建物を建てるならやってみようと言う人が、おられましたら、是非、広末先生にご相談をかけてください。
この方であれば、信頼は置けます。
広: (笑)ありがとうございます。
まぁ、小規模多機能とか、コンビニと言いましても・・・コンビニにも色々お店によってカラーが違いますねぇ。
絹: はいはい。
広: 皆さん方も、小規模多機能施設て言うのは、一つの固定的な概念ではなくって、自分達が望む、或いは望まれる様な、そんな夢を描けるもの・・・
一つ一つ持っている役割とか機能とかは、少しずつ違っても良いと思うんです。
絹: はい。
広: ホホントに地域で暮らし続けることを応援出来る、或いはそのことに喜びが感じられる。
そしてすべての人が豊かに暮らせれる、そんな風な地域であって欲しいなぁと心から願ってますねぇ。
絹: はい。
そういう先生の願い、それから建設屋としての自分達の想い・・・こういう切り口からですねぇ、地域コミュニティを元気にする、何かが生まれ出る、いう風に自分は予感をしております。
京都が元気になる為の、一つの大きな一翼を、広末さん率いる七野会は担っておられるんじゃないかな?という風に思っております。

そろそろ結びの時間ですが、今の言葉を結びにして、そろそろお別れしていきたいと思います。
今日は、社会福祉法人 七野会 代表、理事長の広末利弥先生をお迎えいたしました。
それでは皆さん、お別れの時間です。
広: ありがとうございました。
松: さよなら。
広: さよなら。
絹: さよなら。
広: ありがとうございました。
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