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放送日 平成17年1月12日(mp3形式音声ファイルはこちら→)
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 放送内容は、著作権の保護を受けますので、個人でお聞きになる以外のご利用は出来ません。
タイトル: 『超省エネルギー外断熱プリウス住宅〜現場の工夫 現場の苦労』
テーマ: 外断熱住宅の現場所長である、当社建築部中村元紀所長が、現場の工夫、現場の苦労、現場のノウハウについて語ります。
(※プリウスはトヨタ自動車株式会社のハイブリットカーのことです。)
出演者:
中:中村 元紀 公成建設株式会社 建築部 所長
松:松岡 千鶴氏 (NPO法人京都コミュニティ放送 放送局次長)
絹:絹川 雅則 (公成建設株式会社)
 放送内容については、無断使用を禁止させていただきます。この件についてのご連絡はこちらまで。  
絹: まちづくりチョビット推進室!
この番組は、公成建設の協力でお送り致します。
*************************************
絹: 皆さんこんにちは。
まちづくりチョビット推進室の時間がやってまいりました。
いつものようにお相手は、まちづくりチョビット推進室長、公成建設絹川と、当京都三条ラジオカフェのマドンナでいらっしゃいます、松岡さんでらっしゃいます。
松: はい。
あの・・「マドンナでいらっしゃいます」ってわけじゃないんですけども、今年もそう呼んで頂いて、嬉しいです。
絹: はい。そう呼ばせて頂きます。
松: はい。ありがとうございます、松岡千鶴です。
絹: はい。そして、今日のゲストは、我が公成建設の建築部・・・エースの一人であります、中村ゲンキこと、中村元紀(もとき)所長であります。
中: こんにちは。中村元紀です。よろしくお願いいたします。
絹: よろしくおねがいします。
松: よろしくおねがいいたします。
絹: ちょっと緊張気味しておりますが、そのうちほぐしていきます。
********************************
絹: この番組はですね、『地元の建設屋の目から見ました、「まちづくり」の最前線を自分の言葉で語ってみたい』・・・と言うつもりで始めました。
今日は、前回・・・前々回になりますかね・・・
「超省エネルギー住宅:外断熱プリウス住宅」と言うお話をしましたが、その2と致しまして、その「超省エネルギー住宅」を実際に現場で施工の指揮を執りました、中村元紀所長に・・・プリウス住宅の現場の工夫、現場の苦労、現場のノウハウ、と言う形で話を聞いていきたいな、と思います。
それでは松岡さん。前回の復習から、少し入らせて下さい。
松: はい。
絹: えっとですねぇ、外断熱蓄熱工法・・ちょっと堅苦しい、横文字じゃないですけれど、漢字が並びましたが・・・覚えてられますか?
松: はい。まぁ普通、いわゆる外壁の外に・・・
絹: はい。
松: 断熱材を・・
絹: はい。
松: 貼ると・・
絹: はい。
松: 言うことでしたね。
絹: そうですね。
松: それがとても、環境にも良いと・・・
絹: はい。
松: 言うことです。
絹: はい。住宅を魔法瓶のように、断熱材でくるんでしまおうと言う・・・煎じ詰めればそういう話ですが・・・
ここにですね、「理想の家を目指して」という・・・前回ゲストでお招きした、Mac建築デザイン研究所の報告書・・小冊子があります。
そこから少し、紹介させて頂きます。
「外断熱蓄熱工法」の歴史・・・少し読ませて頂きますね。
松: はい。
絹: 『外断熱は、1970年代の石油ショックの後に北欧で開発された工法です。コンクリートの建築本体をすっぽりと分厚い断熱材で包むことにより、厳しい気象条件から、建物と人間を守る、というごく自然で正しい工法です。ところが日本では受け入れられませんでした。政治的な理由が多かったとも聞きますが、日本と北欧の気象条件の違い、そして日本が地震大国であること、さらに消防法の障壁が外断熱の普及を妨げました。
その後、日本では高度成長、そしてバブル期を迎え、建築物を真剣に考えると言うスタンスを取れないまま、20世紀の末を迎えました。
その結果、見た目は立派だけども、基本性能を大事にしない、エネルギーの無駄遣いをすると言う建物・・代表的なデメリットは、結露やカビやダニに悩まされる建物が多くできてしまった・・・』
言うような始まりで、この冊子スタートいたします。
で、この難解な、と言いますかね・・・難題ですね、難解じゃないですね。
難しい課題に、実際に現場で陣頭指揮を執ったのが、この中村元紀所長であります。
前々回、北山の方に京都エリアでは非常に珍しい、外断熱:プリウス住宅、いわゆるプリウス住宅と言いました。
「プリウス」って言うハイブリッドの車は、非常に省エネルギーであると。
建物の「プリウス」を目指したのが、この建物でありますよ、と言うことでありましたけども、その現場の苦労とかですね・・・どういう事がいったい起こったのか・・・言うのを、そろそろ語ってもらおうと思います。
それでは一旦バトンを、中村所長に回します。
さぁ、どう切ってくれますか?
中: ・・・
松・: ははは・・・
中: えーっと、そうですね。
まぁ言葉では、すごくなんか難しそうなすごい建物みたいな感じに聞こえますけども、簡単に考えてもらったら、建物を、さっき紹介してもらったように、断熱材で包むと・・・言うだけのもんなんですけども・・・やっぱり、そこが簡単なようで・・・
まぁ、ただの箱と言うような建物って言うのは、あまり、廻り見渡してもらっても無いと思うんですけども・・・
バルコニーが付いていたり、庇が付いていたり・・・あと、外部に・・表に階段が付いている建物とか・・・
まぁ、建物にはいろいろ廻りにひっついているものが有るので、そういうものがあると、簡単に包むと言っても包みにくくなって来ると言うところが、まぁちょっとした工夫が必要かな?と言う様な建物でしたね。
絹: うん。松岡さんねぇ・・
松: はい。
絹: 建物を造るのには、設計者がまず要りますねぇ。
今回、「超省エネルギー:外断熱プリウス住宅」・・・そのコンセプトと言いますか、理論的な背景を作られる方。
さらに次に必要になってくるのは、それに従って図面の起こす設計図を書く人が要る。
それが前回のゲストのMac安田さんでしたね。
で、さらに具体的に二次元の図面を三次元に起こしていく。
建築物を仕上げるためには、それを読み解いて、具体的なものを、物質に変換する装置が要るんですね。
その、装置って言うのが・・・その仕事をするのが、中村元紀所長なんですね。
松: あぁ・・そういうことなんですねぇ。
絹: はい。
さらに、中村元紀さんのような立場の人は・・・
建築の場合は、現場に入られる職種が、すごい多いんです。
50種類とか、下手するともっとになるとか有りますかねぇ。
中: そうですね。
やっぱり専門の分野がそれだけ多いので、職種分けすると、やっぱりそれぐらいの数にはなってきますね。
絹: はい。
普通のね・・・普通のコンクリート住宅・・マンション、アパート、事務所で有ってもそれぐらいなんですけれども・・・
今回はさらに、普通は建物の外をくるっと魔法瓶で包んじゃえ、なんてのは無いですよね。
前回の復習になりますけど、普通は内断熱で、断熱材は建物の内側に入りますよね。
松: そうですね。
もう建ててる途中の建物を見ても、そういう風にされてるものが多いですね。
絹: はい。
松: はい。
絹: それを内側から外側に持ってくるだけで、中村元紀所長への負担が、今回「ドッ」と増えたわけですよね。
松: そうですか。
絹: その、プレッシャーの「ドッ」と増えたところを・・・例えばエピソードで何か語れることは有りますか?
中: そうですねぇ・・・
建物の外にガバッと被せてしまっておしまい、って言うんであれば、そんなに難しいことでもないかもしれませんけども・・・
絹: うん。
中: その上に・・・やっぱりそのままって言う形で建物が終わりって言う訳じゃないんで・・・やっぱりその上にさらに、もう一枚着飾ったものを被せてやって、外から見たら、他の町並みと同じ様な・・・若しくはお客さんが望んでおられるような、飾り付けをざらに上からしてやらないけないと・・・・
だから服を二枚着せている様な形になってしまう訳なんですけどもね・・・
そ・こ・が、やっぱり・・・どうやって・・・まぁ僕ら、現場で建物を提供する立場の人間としては、お渡ししてからお客さんにご迷惑がかかるような・・・雨が漏るとか、ものがすぐ壊れやすいとか・・・言うのが一番困る訳でして・・・
勿論デザインも大事ですけども、僕たちの立場からで言いますと、やっぱりそういったものが無い、しっかりした建物を、お客さんに提供する、と言うことから考えればやっぱり、普通に建物を建てるより、さらに上から服を二枚着せると言うことは、それだけ・・・なんちゅうんですかね・・・不具合なことが出て来たりとかし易いんで、やっぱり普段の建物を造る、やっぱり倍・・・二枚重ねる分、倍の神経を使わなくては行けない、と言う風な形になったと思いますけども。
松: お話伺ってて、私ちょっとイメージしたんですけれども、四角い箱なら包むのは、やはり簡単ですよねぇ。
中: そうですねぇ。
プレゼントを包まれるときのことを考えてもらったらよく判ると思うんですけども、四角い、たとえば箱体のものを包装紙で包むんであれば、デパートのベテランの人じゃ無くっても、僕ら素人でも簡単に包装紙に包めると思うんですけれども・・・
松: そうですねぇ。
それがさっきおっしゃった様に、例えばテラスがあったり、階段があったり或いは、窓ガラスの大きいサッシがあったり・・・・
そういうのは、どうやって包むんですか?
中: そうですね。
簡単に、例えば包装紙を破ってしまって・・・出っ張っているところだけ破ってしまって、包んでしまうんなら包みやすいと思うんですけども・・・
結局、破らずに包まなくてはいけないと言うことなんで・・・
松: 破らずに包む?
中: そうですね。
絹: 包装紙の例え、すごい良いですねぇ。
中: 破らずに包むというと、ちょっとイメージがしてもらったと思うんですけれども、逆に言えば、出っ張ってるところを無理矢理取っちゃう。
外してしまって、後から・・・包装紙の上から出っ張ってる奴をひっつけていくと・・
松: ほー。
中: それにさらに、フワッとしたラッピングで包み込んでやるというイメージをしてもらったら判りやすいと思うんですけれども・・・
だから、四角い建物の状態で先に包んでしまって、それから後で必要なものをひっつけていくと・・・
松: あぁー、部品をつけていくと・・
中: そうですね。
松: はい。
中: だから、どうしても付けるときには、やっぱり断熱をちょっと削ってやって・・・
全然空中に浮かんでいるって言う形は、出来ないんで、ちょっとはひっついている部分があるんですよね。
それをだから如何に少なくした状態で、危なくなく、雨も漏らないような状態でひっつけてやるか、って言う感じですね。
松: あっ、そうですか。
絹: 少しマニアックになってまいりましたけども・・・
松: えぇ。
絹: 松岡さん判ります?
松: 判りました。
絹: あのね・・・
松: はい。
絹: ・・・魔法瓶みたいに包むって言ったでしょう?建物を。
折角包んだやつをデザイン上色々出っ張りだとかバルコニーだとか窓だとか・・・
付けるためにはそれを破らなきゃいけない、って今、中村言いましたよね。
松: そのまま包もうと思ったら、やっぱりその出っ張りに合わせてそこを破ってるって事ですね。
絹: で、破るものを・・先ほどくっつけ・・必要な部品を・・・バルコニーだとか・・外からくっつけ直さなきゃいけない。
松: はい。
絹: くっつける時には、くっつける部分が有りますねぇ。
そこが前回勉強した、「ヒート・ブリッジ」って言う場所になるんです。
松: ほー。
絹: 「ヒート・ブリッジ」って言うのは、熱が伝導する弱点ですね。
松: はっ?
絹: 魔法瓶の穴。
松: あぁー。
中: そうです。
絹: 正解?
中: そうです。
絹: そこに、中村の苦労が有るわけですねぇ。
松: えぇ。それを如何に小さくするかと・・
絹: 小さくする、しかも強度的に落ちない・・
絹・中: 雨が漏らない。
中: そうです。
絹: 難しいんっすよ。
松: あー。うふふふ(笑)
苦労されましたか?
中: そうですね。
松: はい。
中: やっぱり、今まで住宅は何軒かやっぱり建てさせてもらってきてるんですけども・・・
松: えぇ。
中: こういう、特殊な形は初めてだったのと、あまりやっぱりこちらでは、そう周りにそういう情報って言うのが、なかなか入って来ないような・・・うーん、仕事だったので、やっぱりちょっと苦労しました。
松: あぁ、そうですか。
今、「こういう特殊な形」っとおっしゃいましたけども・・・そこにあるのは、ひょっとして・・・
絹: はい。
松: 写真でしょうか?
絹: はい。ちょっと松岡さんにご覧いれましょうか。はい。
松: わぁ〜。確かに・・今ねぇ、ちょっとこの本が・・・立派な本で固いので(笑)
あの、いやねぇ。
何処で包装しているんだろうって皆さん思われるかもしれませんが、決して洞窟でしてるわけでは無いんですが(笑)、あの立派な本ですけども、又、本だけじゃなくって
建物・・・すごいですねぇ。
中: そうですねぇ。
松: まぁ、おっしゃったようにテラスが有って、そしてこれは・・・この玄関ポーチというんでしょうか・・・
なんて言うんですか、これは?
この、玄関ドアの外に又なんか有りますよねぇ。
これはそういう、外断熱には影響されない部分なんでしょうか?
中: そうです。
松: テラス部分とか・・
中: そこの部分が、もう建物の外になりますので・・
松: えぇ。
中: 外断熱に影響されないと・・
松: そうですかぁ・・
中: そんだけの大きなものがひっついているにもかかわらず、そのベランダが宙に浮いた状態のように、断熱材で建物が包んである訳なんですけどね。
松: あーぁ、そうですか。
そしてこれが・・・窓の部分がすごく、普通のお宅より広いと思うんですけども・・・
その外のテラスや階段などは、後からひっつけるっておっしゃいましたけども、こういうガラスの部分って言うのは、どう断熱されるんでしょうか?
絹: 松岡さん。ナイスツッコミです。
松: はい?
絹: あの・・一般に、断熱の弱点と・・一番の弱点は「窓」。
窓からエネルギーが抜け出ていきます。
さて今回の住宅の場合は、窓にはどんな普通の住宅と違う工夫がなされたんですか。
中: そうですねぇ。
通常、使っているような窓・・・サッシとか建具とかいう言い方をするんですけれども、そういうものですと、どうしてもやっぱり、建物の中の断熱性能からして、エネルギーが表に逃げると言うことで、やっぱりその断熱の性能が落ちないような、サッシを使っているんですけども・・・
それは、地域地域によって、法規上の問題が有りますので、使えるもの、使えないものって言うのがあるんですけども、今回、今見て頂いている写真のところは、木製の枠に二枚、或いは三枚のガラスがひっついている窓になっています。
それだけ、建物に見合った断熱性能の高いサッシを使ってます。
松: と言うことは、あの、「木製は熱伝導率が低い」・・
中: そうですね。
松: ものって言うことですね。
素材、建築素材・・・
絹: 熱伝導率ってすごい言葉、ご存じですね。
松: あぁ、これは前回、習いましたね。
絹: はい。
松: はい。
絹: さて、実は良い振りを松岡さんがしてくださったんです。
えーっとですねぇ・・・また雑音をいれて申し訳ありません。
またちょっと、「驚異のC値とQ値」というのを、中村所長に説明してもらいたいんですけれども・・・
この住宅の御発注者・・・いわゆる私どもで言う「お施主さま」、発注者ですね・・・技術屋さんでしてね、自身メーカー・・・精密部品メーカーのお仕事をされている。
で、C値はですね・・・どういうもんやと言いますと、一立方メートル当たり一立方センチ以下。
(※注 C値:相当隙間面積は、建物の隙間の大きさを示す数値で、気密性能のめやすとされます。単位は平方センチメートル/平方メートル)
Q値
(※注 Q値:熱損失係数は、室内外の温度差が1℃の時、1時間に床面積1平方メートルあたりに逃げ出す熱量の事です。単位はW/(u.k))については、一立方メートル、一時間、一度・・摂氏一度当たり一キロカロリー以下である事って言う、途方もない命令と言いますか、性能発注を明言されました。
このQ値とC値について少し、判りやすく・・・中村所長がどう捉えたか、言ってもらえます?
中: えーと・・・
絹: Q値って何ですか?
中: ホントに簡単に言いますと、Q値って言うのは、建物の断熱の性能を意味します。
絹: はい。
中: C値と言うのが、気密性能の方を意味してます。
絹: はい。
中: 今、単位をおっしゃってもらって、数値を言ってもらったんですけども・・
そんだけ損失が有ると言うこと何で、数値は小さければ小さい程、性能がよいと言う、一つの目安になるものですね。
絹: はい。
断熱性能と気密性能を数字で発注してくるお客様・・・なかなかいませんよ。
松: それだけ、この外断熱を研究して・・
絹: そうです。
松: これが良いっていう風に・・
絹: そうなんです。
松: 思われたお施主さんと言うことですか。
絹: はい。
自分自身が・・・御自身がそういう外断熱、省エネルギー、それから地球全体のことにも、非常にご興味があって、自身で研究なされていた。
で、インターネットを通じたり、色々な方々を通じて、この工法を勉強なされてたと・・
そして前回の、Macさんに出会われたと・・・
と言うところなんです。
で、前、中村さん・・あれですねぇ。
建物にはセンサーを色々付けたんですよね。
中: そうですね。まぁ、省エネルギーと言う観点から言うと、建物の中に付いてる照明とか、あと・・・使われる住宅の設備関係も、あくまでもやっぱり省エネルギーにこだわってると言うことで、無駄を無くす意味で、自分の動きに応じてモノのスイッチが入り切りで切ると言う、そういう発想から一杯センサーは付けられていますね。
絹: はい。現実に、建物をスタートさせて、エネルギーの状態がどうだと、気密性能がどうだ、断熱性能がどうだと言うの、測定をして、その結果やっと竣工したと・・
中: そうですね。
絹: 言う事ですね。
中: で、さっき数字で説明してもらった、「1」と言う数字に対して、今、外断熱と言う言葉はあまり・・・最近はちょっと聞くようになってきたかもわから無いのですけれども・・・その、数字で良く出てくるとしたら・・・まぁ、ハウスメーカーさんなんか・・住宅を造ってるハウスメーカーさんの方でも、最近は数字で表すと言うようになってきている、と思うんですけども・・・
まぁ、大体ハウスメーカーさんが、数字を・・目標にされているのが大体、通常で、「2〜3」と言う数値を目標にされているところを、このお客さんの方は「1」と言う事で・・・
松: ほー。
中: 二倍から三倍、さらに性能の高い要求をされていた、という事です。
松: 「1」と言うことは、それ以上高性能って言うのは無いって事・・・
中: そうですね。
松: それ以上って・・・
中: そうですね、「1」というのは、もう限界ぎりぎりですねぇ。
松: はぁー。
あの、今、写真拝見してましたら・・・
絹: はい。
松: 和室があったり、洋室があったり、リビングがあったり、広い部屋や狭い部屋、それから和室、洋室と有りますけれども・・・
絹: はい。
松: そういう部屋の違いによって、そういう断熱性、気密性って言うのは、随分違うと思うんですが・・
そういう、影響って言うのは、その数値には出ないんですか?
中: 出て来ますねぇ・・・ただ、外断熱・・・表っかわをくるりと包んでしまうのが外断熱ですけども・・
絹: はい。
中: 前回、安田所長の方から、「プリウス」と言う言葉が出たと思うんけども、ここの外断熱と言うのは、表をくるむだけじゃなくして、中で使ったエネルギーをコンクリートの建物に蓄熱する。
一回貯め込んでしまって、表から包んでるんで、それが表に放出しないと・・・
で、今松岡さんがおっしゃられたように、部屋がどんな状態であろうが、その建物の中は一定温度で一定の湿度が保てるという・・・
松: あー。
中: そういう理論に基づいているんで、前回安田さんのほうが「プリウス」と言う言葉を使われたと思うんですけれども。
まぁ、今木造ででも、外側にくるんで貼った様な建物とか言う形で・・・
絹: いわゆる外断熱・・
中: そうですねぇ。
外貼り断熱とか言う言い方で、出したりしたはるところもあるんですけども、ちょっと今回の、ここで言う外断熱とは、あくまでもコンクリートの蓄熱も加えた意味での外断熱と・・・
松: あー。
絹: 何故、前回、今回も「プリウス的、超省エネルギー住宅」かと・・・申し上げたのは、今中村がいみじくも言いましたけれども、魔法瓶のように外をくるむと言うだけではなくて、内側にコンクリートの躯体に熱を蓄熱させて、一回使った熱を、外に逃がさずに、何度も何度も使いまわすと・・・
プリウスが、ブレーキをかけたときに・・・
中: エンジンをかけて、そのエンジンを電気に代えて貯め込むというのと一緒で、中で使ったエネルギーを、その建物の中に一回貯めて、それを小出しに使っていくと・・・
松: はい。
中: そういう、発想ですね。
絹: そういう意味で、ハイブリッドな訳ですよね。
松: まさに、「プリウスハイブリッド住宅」・・・
絹: はい。
松: わぁ〜。それを・・・
絹: はい。
松: やっぱり平面で考えるのと、立体の図面と、随分さっき違うって、最初におっしゃいましたけども、その辺のご苦労は?
中: そうですね。
それはさっき言ったように、包装紙を破ると破ったところから、やっぱり雨が入っていたりとかするので、やっぱり雨漏れをしないように・・・工夫しなければいけないって言うのがやっぱり・・・
絹: 包装紙の例えで言いますとね、中村がうまいのは、包装紙の破り方とも一回包み直し方・・・
松: はー。
絹: そのテクニックが非常に・・・その工夫が非常に上手だったと・・・
松: ふーん。
絹: 言うことですね。
松: あっ。そうですか。
絹: ヒートブリッジを最小限にして、しかも破ったことを感じさせずに、外から又綺麗に包装し直してるという・・・
そういう、もう本当に、誇張してしまえば、たとえて言えばそういう事かもしれません。
松: 現場として出来る最大限の工夫を、そういうところでされたと・・・
絹: そういうことです。
松: 言うことですねぇ。
絹: はい。
それでもう一つだけ、エピソードを僕、語らして頂きたいんですけども、このお施主さんは、そういう技術屋さんで厳しい方でした。
仮にO専務と、申し上げますが・・・
この方はですねぇ、設計事務所は選ぶに当たって、自分で設計事務所、この間のMac安田さんを選ばれました。
施工者を選ぶに当たって、中村の面接までされたわけです。
というのは、「自分の家を任せられる男は、自分で直接面接をして決めるよ」っていう事をやられた。
ちょっとこれからはね・・・ホントに宣伝めいて恐縮ですけども、この方が、と言いますかこの小冊子に書かれている言葉を、要約して言いたいんですけども・・・
面接までして選んでいただいた。
それが我が社の中村元紀であった、と言うこと。
それをこの竣工記念冊子に、言葉が書いてある・・・
私それ読んだときに、本当に嬉しくって、他社を選ばずにうちの会社を選んで下さったので。施工者として・・・
この現場に付く、中村元紀と言う男の顔を見て、話すことを聞いて、そして彼の、或いは我が社の他の現場を視察までこられた。
そして選んで下さった。
だから彼は、たぶん意気に燃えて、仕事をしたと思うんですよ。
大変な苦労だったと実は思います。
ねっ。
中: そうですね(笑)
まぁ、あまり、そう参考になるようなものもなかったんで・・・
絹: あのね。
言葉少なに語ってますけどねぇ、彼が編み出した現場の工夫って言うのは結構あった筈なんです。
松: はい。
絹: と言うことで、今日は「超省エネルギー住宅:外断熱住宅、プリウス住宅その2」と言うことで、現場からのお話を中心に語って頂きました。
うちは、こういう、技術屋さんが、いるんです。
外断熱に興味がある方、ご連絡頂ければ・・・
ノウハウは、少し、有ります。
松: はい。あー。うふっ(笑)
絹: と言うことで、時間がまいったようです。
言い残したこと有りませんか?
松: あっ!中村さん、ホントにご苦労さまでした(笑)。
中: どうもありがとうございました。
松: いえいえ。
ホントに良い家が出来たなぁと・・この写真を拝見するだけなんですけども、感じました。
中: ありがとうございます。
絹: ちょっと今日大人しいですけどね、現場ではもっとねぇ、すぅごーい、元気。
ホントに名前の通り元気なんですから。
松: はい。
ホントに施主さんは人を選ばれたと言うことですね。
絹: はい。
松: よく判りました。
絹: あの、本当に光栄な話でした。
僕はすごく嬉しかった。
そろそろお時間です。
どうも今日はありがとうございました。
松: はい。皆さんさよならぁ。
中: ありがとうございました。
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