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放送日 平成21年 7月11日(mp3形式音声ファイルはこちら→)
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 放送内容は、著作権の保護を受けますので、個人でお聞きになる以外のご利用は出来ません。
ちょびっと
テーマ: 「京町家の改修を応援する『京町家まちづくりファンド』と言うのをご存じですか?」
概 要: 京町家の改修をされる方のための基金「京町家まちづくりファンド」の助成事業を通じて、実際の事例紹介を兼ねてお話を伺いました。
出演者:
栗:栗山 裕子氏 NPO法人 古材文化の会 理事 (Win 建築設計事務所)
岡:岡元 麻有氏 be京都(ビ・キョウト)館長
井:井上 和子氏 (財)京都市景観・まちづくりセンター
片:片山 尚彦氏 (財)京都市景観・まちづくりセンター
絹:絹川 雅則 (公成建設株式会社)
ちょびっと
 放送内容については、無断使用を禁止させていただきます。この件についてのご連絡はこちらまで。
絹: “まちづくり”チョビット推進室!
Give me thirty minutes,I will show you the frontline of “まちづくり” and “まちづくり” people in KYOTO.
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絹: 皆様こんにちは。まちづくりチョビット推進室の時間がやってまいりました。
この番組は地元京都の建設屋の目から見た京都の元気なまちづくり人の紹介や、その活動の最前線をご紹介しております。
いつものように番組のお相手は当まちづくりチョビット推進室室長 絹川がお送りいたします。
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絹: さて、今日は番組史上初の大所帯でお送り致します。
私を含め5人の皆様がテーブルを囲んでおります。
ではマイクを(財)京都市景観・まちづくりセンターの井上和子さんにお渡しして、口火を切っていただきます。
井上さんよろしくお願い致します。

●『京町家まちづくりファンド』とは
井: よろしくお願いします。
今日の番組のテーマなんですが、「京町家の改修を応援する『京町家まちづくりファンド』と言うのをご存じですか?」ということでお送りしたいと思います。
『京町家まちづくりファンド』をご存じない方も多くいらっしゃるとは思いますが、これは京町家の景観を良くするために、善意の基金で成り立つ、京町家を改修する方を応援するための基金でございます。
町家を助成するという事業を、平成18年から行っております。
この助成事業を行っていくなかで、たくさんの方々との出会いがございました。
改修を考えられる方が相談に来られるのですが、その活用の内容は様々でして、住居を始め、祇園祭の町会所とか、受け継がれてきた商店であったり、カフェであったり、ハウスミュージアムであったり、地域の拠点であったり、色んな使い方をされ、その人の生活や活動も様々でした。
また、町家自体も様々な町家の改修を考えておられ、その思いを色々目の当たりにする現場におります。
一方で、これらの『京町家まちづくりファンド』事業を進めて行くにあたって、『京町家まちづくりファンド委員会』という委員会がございまして、ここでは町家を使う人々を応援して少しでもたくさんの人々の思いを受け止められるように、頭を悩ませております。
今日はこのような違う立ち位置のお二人をゲストに、それぞれの活動や思いについてお話を聞かせていただけたらと思います。
絹: ありがとうございます。
ではゲストのプロフィール紹介をお願いします。
井: はい。
今日はゲストにお二人来て頂いておりまして、一人目はギャラリー“be京都”の館長さんをしておられる岡元麻有さんに来て頂いております。
ギャラリー“be京都”さんは、『京町家まちづくりファンド』で平成18年度に改修助成モデル事業として改修をされまして、外観のほうに改修助成をしております。
現在その改修された町家を使って、ギャラリーとか貸し教室とか、色んな活動をされております。
絹: 岡元さんよろしくお願いします。
岡: よろしくお願い致します。
井: そしてもうお一方は栗山裕子さんにきていただいております。
栗山さんは、『京町家まちづくりファンド』委員をしていただいておりまして(たくさんファンドに応募して頂くのですが、その中で少しでもたくさんの方を応援したいとすごい気持ちを持っておられるんだなと日々思っております)、そういう立場であり、また建築士さんであったり、色んな活動をされております。
絹: 栗山さんよろしくお願い致します。
栗: こちらこそ、よろしくお願い致します。
絹: そしてもう一方、番組サポーターとして、片山さんがいらっしゃいます。
片: (財)京都市景観・まちづくりセンターの片山と申します。
よろしくお願いします。
絹: 片山さんは、タイムキーパー兼最後のシメに登場します。
それでは本題に入ります。
『京町家まちづくりファンド』って、知ってますか?というところのエピソード版に入ります。
『京町家まちづくりファンド』で正確ですか?
井: はい、そうです。
絹: この件について日々、選定する側で立ち上げから頑張って来られた栗山さんに、もう少し教えていただけますでしょうか。
たぶんご存じの方も多いかと思うのですが、まだまだ知らない方は多いのではないでしょうか。

●『京町家まちづくりファンド』は、皆様の善意の寄付で成り立っています
栗: そうですね。
このファンドは京都の景観を良くしよう、京都の町家を大事にして、京都の街の中をもっともっと美しくしていこうということで、きっかけは本当に個人の方の寄付と言いますか、そういう善意のいただいたお金を元にして立ち上げたものなんです。
で、今もこの助成事業は殆どが寄付で成り立っておりまして、もちろん京都市さんも応援はして下さっていますし、“まちセン”さんが事務局をされているわけですが、本当にそれは善意の塊みたいなところを、まちの中に少しずつお分けして、町家の再生に役立てていこうというお金を利用しているということなんです。
絹: 確か、あれは四年前ですか?
栗: そうなんです。四年経ちました。
今まちの中の、本当に小さいもの、例えば何十万円かの簾をつけますとか、町家の屋根の上に乗っている室外機がありますね。
あれを格子で隠していこうというような、そんなようなものまで、本当に小さいものからですね。
絹: 言われてみればそうですね。
クーラーの室外機がきれいに木で囲ってあるのがありますね。
栗: そうですね。あれにもファンドのお金が入っているのがあるんです。
それも、やっぱり京都は三山に囲まれていますので、地元である京都の木を使っております。
まちを良くしていくための助成として、そういったものを作ってもらいたいなというのを、この基金を使いながら行っております。
絹: 栗山さんは『京町家まちづくりファンド』の委員だけではなくて、今、木についての発言でお気づきかもしれませんが、古材文化の会(元、古材バンクの会)に所属され、木造にこだわった設計をされる建築士さんでもあります。
京都府の建築士会の理事をされていたりして、その辺を本当に地道に昔から活動をされている方なんです。
栗: いえいえ、そんなんじゃないけど(笑)。
絹: この番組にもゲストで来て頂いたのは二度目でしょうか?以前も古材文化の会と言いますか、山と都市の連携、地産地消の木のお話を語っていただいた方でもあります。

●小さいものを、できるだけたくさん支援をしていきたい
栗: そういったとても小さなことから、本当に大きなものまで行っております。
ただ、景観まちづくりなので、中にはなかなか支援できなくて、外観と言いますか、見える所にしか支援はできないんですけれども、それでも随分周知はされてきておりまして・・・
絹: このファンドは外装、外回りの援助をさせていただきますというものなんですね?
栗: そうなんです。
ですから大変、個人のご負担もありまして、そのほんの一部を支援するだけなんですけれども、でもやっぱりちょっと後押しをすることで、きっかけになるといいなと、できるだけ細かい物をたくさんしていきたいと考えています。
普通の、ちゃんと指定をされるとか、そういうことではない、本当に身の丈の部分で支援ができたらいいなと、いつも思っているんです。
絹: 今、指定とおっしゃいましたが、指定というのは、何か難しい文化財とか伝統的建造物といったものの指定ですか?
栗: そうなんです。
そういったものになるまでの、本当に「壊れちゃったよう、どうしよう」というような、「もうちょっとここをなおしたら、もっときれいになるのにな」というような所を、後押しする基金なんです。

●小さな支援ですが、まちづくりのきっかけになれば
絹: 例えばちょっと皆さん、イメージしてみてください。
古い立派な町家と言いますか、建築なんだけれども、改造してしまって、ガレージがついて、アルミのスライドシャッターみたいなのがついていたのを、やっぱり元の雰囲気を出したいなという時に、相談にみえた方がおられませんでしたっけ?
栗: そうですね。
「こんな形でどうでしょうか?」というようなご相談があった時に、「いえいえ、もうちょっとこうして下さいよ」というような条件を付けたりして・・・
少し支援するのに、こちらはたくさん条件を言わせてもらったりしているんです(笑)。
でもそれをして下さることで、「ああ、あんな事もできるんだな」と、まちの方、他の方が思って下さったら、一番良いので、実際若干の支援を受けて、たくさん自己負担をされて、工事までしてくださった方が、どういう活動をされているかということで、近所の方が見てて下さる、それがとても大事かなというふうに思うんですね。
それがまちづくりのきっかけになっていけばいいかなと思っています。
絹: ところでこのファンド、四年前から動き出したと伺いましたが、年間にどれくらいずつ、あるいはこの四年間でどのくらいの数の支援がなされたのかというのを、教えて頂けたらと思うのですが。
井: 年間だいたい10軒くらいで、今で39軒になります。
絹: 今、井上さんから39軒の実績があるよと教えていただいたのですが、栗山さん、その39軒の中で、印象に残っているのを、2〜3教えていただけますか?

●さまざまな改修事例
栗: そうですね。
今日来て頂いている“be京都”さんなんかも、大変良い事例かなと思っています。
それと今のシャッターの話もしていたのですが、京都のまちに車が似合うかどうかは別としても、どうしても車が必要だというところもありますよね。
そんなのはガレージの形状だけ、格子のガレージとか、はね上げの形にしていただいて、表が格子になっているとか、小さい車が一台入るだけの小さい間口ですけれども、それなんかも一つのアイデアかなと。
それで車がそこにとめてあるのが車庫だとわからないということになりますので。
また、それをすることで、本当に荒れていた建物が改修して町家らしくなったことで、放置されていたものに借り手ができたりといったこともありますし、その改修に学生さんたちが関わってくれたりしたような事例もありますので、住みながら改修していくようなものも、何かあったかい事例かなというふうに思います。

●“be京都”さんは珍しい事例です
絹: そんななかで、栗山さんが特に印象に残られた直近の事例というのが、今日のもうお一方のゲストの“be京都”の岡元麻有さんですけれども。そろそろ岡元さんにご登場願いましょうか。
栗山さん、なんで“be京都”さん、岡元さんのところですが、特に最近の事例で印象に残っておられるのか、ご説明いただけませんか?
栗: いくつもの申請書を見て感じるのは、やっぱり家を持っていて困ったなと言いますか、借家とかそういったものをたくさん持っている方、つまり持ち主さんがご相談される方が多いなかで、借り手さんがその建物を活かして、なんとか良い活動をしていきたいなと手を挙げてくださる方というのは、大変少ないということです。
それはやはり持ち主さんと良い関係がないと、やっていけない事だと思うので、それがとても印象に残っています。
ですので、そう言う意味では“be京都”さんというのは、大変良い事例ですし、珍しい事例かなというふうに思います。
絹: 町家のオーナーさんが申し込んでこられたのではなくて、店子さんが手を挙げて、オーナーさんと相談して、『京町家まちづくりファンド』に手を挙げて来られた。
これはおもしろいでと。
ではまず岡元さんの“be京都”さんがどんなことをやったはるのか、今回どんな改装をしたのか、特に「こんな面白いのが同志社の北の方にあるで」みたいなことをちょっとお願いします。

●家との出会いも、ファンドとの出会いも偶然でした
岡: 今、おっしゃっていただいたように、場所は同志社大学の新町校舎の北側にあります。
ギャラリーをしたいとずっと思っていまして、もともと3〜4年間空き家だった所なんですが、良い所はないかとたまたま街を歩いていて発見したという(笑)。
絹: 飛び込みだったんですか?
岡: なんとも偶然な出会いだったんですが、そこを改装して、まあ貸しスペースなんですが、今は貸しギャラリーと貸し和室をさせていただいています。
そこを見つけて、なんとか改装をしたいけれども、とんでもないお金がかかるということで、なんとかできるだけ良い形で改装できないかなというふうな事は思っていました。
それもたまたまなんですが、(財)京都市景観まちづくりセンターさんの方に、いろいろな資料を探しに行っていたら、そういう助成の資料が置いてありまして、さっそくその場ですぐに「うち、こんなんやりたいんですけど、そういう助成があるんですか?」という形で、素朴な質問をさせていただいたら、すごく丁寧に対応していただけました。
もう本当に皆さん、いい方たちばかりで、さっそくこういう書類「こうこうこうで」という形で、すぐにファンド委員の方が見に来て頂きまして、本当にそれまた皆さん、いい方たちばかりで(笑)。
絹: ありがとうございます(笑)。
わが“まちセン”の対応は、日々そういうことに心がけております(笑)。
岡: 本当に即、行動に繋げていただけるのが、非常にうれしかったですね。
京都のこともわからないままだったので、すごくうれしくて。

●貸しスペース“be京都”、懐かしい感じとよく言われます
絹: あ、岡元さん、京都のご出身ではなかったですか?
岡: すみません、京都ではなくて兵庫県の出身なので、京都の事情もよくわからないままだったんですが、そのなかで京都のまちを守っていきたいという、ちょっとした思いもあったので、それをなんとかできないかと、今京都でお商売をさせていただいているんですけれども。
絹: 実は僕は何度か前を通ったことがあるんです。
岡: 中に入って下さい(笑)。
絹: すいません、入りませんでした(笑)。
同志社の新町校舎があります。それの北側なんです。
学生会館の北の方を少し上がるんですけど、以前なかったはずのところに、看板が出ていて「町家deヨガ」とかって書いてあって、色々人だかりがしてたりするんです。
車でちらっと通った時にも『なんか不思議なとこやなあ。人がよう寄ってるなあ、きれいになったなあ。』と思っていたところに、栗山さんが注目されているファンドの活用事例が“be京都”ということで、『あ、あそこや』と。
皆さん気軽に行ける所なので・・・・
岡: そうなんです。非常に気軽にどうぞお越し下さい。
絹: こないだ寄せて頂いた時は、非常に懐かしい感じがいたしまして。
死んだおばあちゃんの実家に帰った感じ・・・(笑)。

●ファンド委員と申請者のコミュニケーションから改修へ
岡: よく言われます(笑)。
おばあちゃんちの匂いがするとか(笑)。
そんな形で活用させて頂いているんですが、今、栗山さんのお話をお伺いして、非常に改修に対して、もちろん自己負担があるとか、その当たりのことをすごく理解していただいているんだなということが、初めてわかりました。
今日お会いするのが、ファンドの時とあわせて三回目ですか?
そういう思いでいていただいているんだなということが、すごく今日印象に残ったことなんですけれども。
絹: 今のコメントを補足しますと、『京町家まちづくりファンド』委員というのは、怖い専門家の先生と思っているでしょう?
でも実はこういう温かい思いで、栗山さんみたいに、本当に肩をぽんと押すことで、きれいになるんじゃないかと思っている委員の人がいるんだと、リスナーの皆さんも覚えておいて下さいね。
選定してきたヤツをズタズタに切り刻んで、「あかん、あかん、あかん」と言うてる怖い先生方ばかりではないんですよ。
岡: 逆に「こうした方がいいよ」とか「この方がより京都の町並みを守る上で、相応しいんだ」みたいなことを教えて下さるので、すごく感謝ですね。
絹: ナイスコメント、有り難うございます(笑)。
栗: あそこはオモテも純粋の町家さんではなくて、やっぱり工場というか、そういう造りだったので、あまり町に対して、開かれてなかったしやさしくなかったんですね。
で、その割には間口が広いんですよね。
岡: そうなんです。
すごく間口が広くて、軒がぐっと前に出されてアルミサッシで覆われていた、それこそ駐車場にされていたんです。
絹: あ、元駐車場があんなギャラリースペースになったんですか?
岡: 自家用の車を入れるようなスペースだったんですけれども。
なので間口は本当に町家という括りにしてしまうと、すごく広い間口ですね。
栗: そうですね。
それと風情みたいなものも、全然なかったですね(笑)。
岡: ないですね(笑)。
栗: ブリキか何か、鉄板が張ってあったような(笑)。
岡: 窓が隠されて、鉄板で覆われていたという。
絹: その時は意識せずに、ただ通過してたんですね、僕ね。
それが「あ、なんか景色が変わっている。なんか素敵な感じ」というので。
岡: そうですね。「いつからあるの?」とかよく言われます。「200年前からあるんですけど(笑)」と、言っているんですけど(笑)。

●ご近所の応援がうれしい
絹: ご近所の人たちからの反応も面白いのが出てきているそうですね。
岡: そうですね。まず道案内を気軽にしていただけるというのが一つと。
絹: 勝手に?
岡: 「来はるんやろ?あそこ見に行かはるんやろ?連れて行ったるわ」とかって、おばあちゃんが連れてきて下さったりとか。
あと地蔵盆とかそういったことの集会として、また町内会で使って頂いたり、本当に町内に支えていただいているので、そういう方に使っていただけると、うちとしてもうれしいですし。
絹: 栗山さん、この辺がひょっとするとうれしくて、注目された点じゃないですか?
栗: そうなんです。
特に若い方がこうやって、そのご町内に住んで下さる、今、お住まいなんですよね。
岡: そうなんです。住んでいます。
絹: 職住一体で、奥に住んではるんですね?
岡: 奥に住んでいます。

●改修をきっかけに、まちとしての活動が広がっていく
栗: そういう住んで下さるというのもうれしいですし、こういう若い方がぽんと入ってこられて、その町内ととても仲良くされてて、ご町内の方がサポートしているというのが、見えるんですよね。
そういう事例に繋がっていくのは、本当に建物って、そこにあるだけで、ものを言うわけではないんですけど、そこに来て下さる人が大事なので、そこから町としての活動が広がっていくというのは、本当に理想的だと思うし、やってよかった事例という、そういう成果を聞かせていただけるのは、“まちセン”さんもそうですし、私たちもうれしい事なんですよね。
岡: ありがとうございます。
絹: あの、“まちセン”、“まちセン”と身内は言っておりますが、皆さま、(財)京都市景観・まちづくりセンター、略して“まちセン”。まちづくりセンターのサポーターあるいはファンは、“まちセン”と呼びならわしております。
『京町家まちづくりファンド』のサポート事例で、選定側の委員さんと、町家に住まわれる方とがこうやって直接お話しする例も非常に少ないかと思いますが、それほどファンド委員にとってうれしかった事例と・・・
岡: ああ、ありがとうございます。
絹: この応援事例が近所の雰囲気、そのお町内の雰囲気を良くしているのとちゃうか?みたいなことがすごいですよね。
あんまり乱入してもいけないんですが、わが上京区でもひったくりが起こったり、独居死が起こったりと、すごく雰囲気の良い町内であっても、必然的に京都の中で人と人との関係が、何でか知らんけど、プチプチプチと切れかかっている、あるいは切れてしまっているようなところが、どうしても僕は普段感じているんですよ。
で、そこへ今回のような事で、新たに繋ぐ、勝手に近所のおばあちゃんが「“be京都”行かはんのか?道案内したろか?」と言って応援してくれはる。
あるいは町内会の集会が、「“be京都”の座敷貸して」と来はる。
すっごいことですね。
岡: ありがとうございます。
絹: その辺がなんか、是非この番組でも「こんな面白い事例が、意味のある事例が、『京町家まちづくりファンド』を介して、あるいはまちづくりセンター、“まちセン”の応援を介して成立しつつある」ということをお伝えしたかったですね。

●基金にご協力をお願いします
栗: それと、井上さんの方からも言っていただくかもしれませんが、この基金は皆さんの善意が直接町に活かされていくんです。
で、特定に“まちセン”さんに言っていただけたら、そこですぐに「私が出したお金がフェンスになったとか格子になったな」みたいなことになるので、何かそういったもので活動をしていきたいし、そのグッズとかも色々あると思うので、その辺も紹介していただきたいと思います。
井: まちづくりバナナを5月から売り出しておりまして、バナナ一房、スーパーとか百貨店で売っているんですけど、買って頂いたら、1円が寄付になります。
自動販売機もしておりまして、今、京都市内に3台ありまして・・・。
絹: まちづくり自販機だ!(笑)
井: あと募金箱の設置を色々お願いしているので、ご協力いただける方にご連絡いただけたら、大変ありがたいです。
すぐ飛んで行きますので、よろしくお願いします。

●(財)京都市景観・まちづくりセンターからのお知らせです
片: ここで、(財)京都市景観・まちづくりセンターからイベントのご案内をいたします。
7月11日から16日まで「京町家の再生展」を開催します。
会場は本日のゲスト岡元さんの“be京都”さんで開催いたします。
今回の展示会では、様々な改修事例の紹介とともに、京町家の再生に関わる出版物や寄付グッズの販売を行います。皆さん是非お越し下さい。

続きまして、景観まちづくりセンターのセミナーのご案内をいたします。
京都の景観まちづくりについて、様々な角度から学び、考え、実践へと繋げていくことのできるセミナーを開催いたします。
たくさんのセミナーをご用意しておりますので、是非ご参加下さい。

本日ご案内致しましたイベントやセミナーの詳細につきましては、景観まちづくりセンターまでお問い合わせ下さい。
お電話番号は、075-354-8701です。
ホームページ、ニュースレターでもご案内しておりますので、ご覧下さい。
この番組は「心を建てる」公成建設の協力と、京都府地域力再生プロジェクト、そして(財)京都市・景観まちづくりセンターの応援でお送りしました。
絹: ありがとうございます。
もう終わりです。早いですね(笑)。
5人で作ってきた番組ですけれども、皆さん本当に“be京都”さん、『京町家まちづくりファンド』の選定委員の栗山さんのお薦めの場所ですから、どんなファンドの活用事例があるのか問い合わせて下さい。
それから基金も募金、お願いします!ということで、ありがとうございました。
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