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放送日 平成18年6月7日(mp3形式音声ファイルはこちら→)
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 放送内容は、著作権の保護を受けますので、個人でお聞きになる以外のご利用は出来ません。
ちょびっと
タイトル: 「京都市の緑に関する問題について」
テーマ: 京都市の緑に関する問題について、京都市の緑の専門家、京都市建設局 水と緑環境部緑政課稲田利幸さんをゲストにお迎えし、お話を聞かせていただきました。
出演者:
稲:稲田 利幸氏 京都市建設局 水と緑環境部緑政課
絹:絹川 雅則 (公成建設株式会社)
ちょびっと
 放送内容については、無断使用を禁止させていただきます。この件についてのご連絡はこちらまで。  
絹: :まちづくりチョビット推進室!
************************************************************************
絹: 皆さまこんにちは。
まちづくりチョビット推進室の時間がやってまいりました。
この番組は、地元の建設屋から見た、京都の元気なまちづくりおじさん、おばさんの紹介や、そのまちづくりの最前線をご紹介しております。
いつものようにお相手は、“まちづくり”チョビット推進室、絹川がお送りいたします。

さて、本日のテーマでございますが・・・
「京都市の緑に関する問題について」と言うのがメインテーマでございます。
それに伴います今日のゲストの方をご紹介いたします。
京都市におきます緑の専門家、京都市建設局 水と緑環境部緑政課、稲田利幸さんをゲストとしてお迎えしました。
稲田さん、よろしくお願いします。
稲: よろしくお願いします。
絹: えぇっと、こういう紹介でよろしかったでしょうか?
稲: あっ、結構です。
絹: はい。昨今ですねぇ、私・・・「緑化」、「緑」と言うことに興味がありまして・・
稲: はい。
絹: 先日、京都府のですねぇ・・「京都の府庁の屋上に、屋上緑化の実例があるよ」と言うことを、NHKの京都放送局の方に教えていただきまして、見に行ってきたんです。
稲: はい。
絹: 一般公開されてますですよね。
稲: そうですねぇ。ちょうど(平成18年5月の)連休明けから、一般公開されていると思います。
絹: はい。あのぉ、京都府さんもそう言う屋上緑化だとか・・
稲: はい。
絹: 環境問題と言いますか、そう言うところにも、色々気を配ってらして・・
稲: はい。
絹: 「一般府民の人も、どうぞ見に来てください。」って・・・
で、色々、「そう言う実例を見に来てくださいよ」って言うようなことなさってますよね。
稲: そうですね。京都市も同じ様な取り組みをしてまして・・
絹: はい。
稲: 実は、私どもの課は、緑を推進していくという課で、いろんな政策をやっております。
実は「緑被率」って言うのがございまして・・・
絹: 「りょくひりつ」って、緑を被せる率って書くんですか。
稲: はい。空から見た、敷地面積に対する、緑の割合の事なんですけど・・
絹: はい。
稲: 前回は、平成2年に調査しまして、昨年度、15年振りに再調査を行いました。
絹: はぁ。なんかその結果、平成2年と15年振りに調査されて、何か変わってるところございましたでしょうか?
稲: 京都市のプラントの一つとして、「京都市緑の基本計画」って言うのがございまして・・
絹: はい。
稲: その計画の中で2025年度迄に、京都の市街地を、33%にして行こうと言う目標を掲げているんですが・・・
絹: 市街地の、緑被率。緑で被さってる・・
稲: はい。
絹: 上から飛行機で見たときに・・
稲: 見たときに、はい。
絹: 緑の割合が33%ぐらい欲しいなぁ、と言う目標があったんですね。
稲: 今回調査しまして、25.8%と言う結果が出ました。
絹: はい。
稲: 15年ほど前に調査したときと比較して、横ばい状況なんです。
絹: はぁ、はぁ、はぁ。
稲: と言うことは、あんまり増えもして無くって・・・当然行政としも・・公園造ったりとか、緑地を造ったりとか、やってる訳なんですが、やはり、農地が減っているため、数が増えてないような状況が、今回出たわけなんです。
絹: 農地は減る傾向にあるけれども、色々公園を造ったり・・・
稲: はい。
絹: と言うことで、何とかプラスマイナスゼロぐらいにキープは、この15年間でされてるけれども、目標よりはもう少し緑が寂しいなと・・・
稲: そうですね。
絹: そんな感じで、よろしいでしょうか?
稲: はい。やはり、宅造とか開発なんかで、大きく減ることはあっても、増えるのがなかなか・・少ししか望めないんで、なかなかプラス、マイナスがあって、なかなか難しい仕事ですね。
絹: 減るのは楽なんですけどね。
稲: すぐなんですけどねぇ。はい。
絹: 京都は廻りに三山有りますから、市街地の廻りは緑が豊かにありますけれども、思っている以上に、中心市街地言って言うのは、そんなに緑が沢山あるわけではないと。
稲: ないですね。
絹: というのが、認識として正しいですか。
稲: そうですね。京都市域でしたら、山とかございますので、95%以上の緑被率があるのですが・・
絹: はい。
稲: 市街地においては、多くの人が住んでおられるところは、やはり緑被が少ないと・・言うのが今回出た訳なんですけど。
絹: それを目標の33%・・
稲: 33%にもっていきたい・・
絹: もってくために、京都市さんが色々考えてられることがあるわけですね。
稲: そうですね。緑被率を調査しまして、それを基にどういう施策にもっていこうかと・・検討しています。
絹: はい。
稲: 今回四月一日に「緑化重点地区」と言うのを指定しまして、およそ京都市街化・・150キロ平米あるんですが、約85%の130キロ平米を、「緑化重点地区」と言う形で指定させていただきました。
絹: 京都市の中心市街化地、150平米キロメートルの、ほぼ85%を「緑化重点地区」と・・
稲: はい。
絹: ・・言う風に位置づけられたわけですね。
稲: はい。
絹: 「ここを、重点的に緑化していきたいね」と言うことを表明された・・
稲: そう言うことですね。
絹: で、その・・地域指定されたと言うことは、具体的に、何か手を打つと、言うことも合わせて宣言されたんですね。
稲: そうですね。京都市域では、例えば西京区とか伏見区なんかは結構・・30%に近い緑被率を示しとるんですが、やはり・・
絹: そうですか、西京区。
稲: はい。
絹: 伏見区。はぁー。
稲: 旧市街地では・・例えば中京区とか下京区では、約10%ぐらいの低い率なんです。
絹: はぁはぁはぁはぁ・・
稲: やはり、街の中、どうしても緑化する面積、敷地が小さいと言うことで・・・
どんな方法で緑化を進めて行ったらよいか検討していますが、今回、例えば今流行の、建築物の屋上緑化とか、壁面緑化・・それに対する助成制度を設けさせていただきまして、4月から制度をスタートさせていただいてきました。
絹: 助成制度を・・
稲: はい。
絹: ・・建築物緑化・・
稲: はい。
絹: 建物の屋上、壁面の緑化の助成をされたと・・・
稲: はい。
絹: なんかですねぇ、私すごい噂を聞いたんですけれども・・・
緑化に関わる固定資産税の減免措置までに踏み込まれた、と言うように聞いたんですけれども、本当ですか?
稲: はい。これはですねぇ、国の法律なんですけどねぇ、都市緑地法の中で、緑化重点地区を指定しますと、事業用資産に於ける、固定資産税の中の償却資産にかかる課税の軽減措置を受けることが出来る。緑化した、かかった費用の課税の軽減措置が受けられる、と言うことなんです。
固定資産税減免措置言いますと、土地とか住宅とか、そう言うこと思われるんですが、これは償却資産・・実際緑化に掛かった費用の減免措置を受けると言うことなんですよ、はい。
絹: そうですよね(笑)。あの、私はじめ誤解しておりましてね、緑化政策推進するために、京都市の市税収入って言ったら、収入の一番大事なところで・・
稲: そうですねぇ。
絹: そこに手をつけられて・・すごく勇気のあることをされたんではないかって、誤解しておりまして。
稲: はい(笑)。
絹: 土地建物に関わる固定資産税ではないんですね。
稲: そうです。ある一定以上の規模ですので、これにつきましても一千平米以上の敷地に対して20%以上緑化をすれば、と言うことですので、何もかもが軽減措置に掛かるんではないんですよ、はい。
絹: 今おっしゃった・・稲田さんがおっしゃいましたのは、一千平米以上の敷地を持つ・・
稲: はい。
絹: 建物の新築或いは改築の場合・・・例えば屋上緑化でしたら15%・・ですか?
稲: これは国の法律ですので、全体で20%なんです。
絹: 20%ですか。
稲: 全体で20%と言う形なんです。
絹: そう言う大きな規模のものであったら・・
稲: はい。
絹: 年間に何件ぐらい予想されるんですか?
稲: これはですねぇ・・すいません。150件って言うのは、別の件で・・
これは義務じゃございませんので・・実際自分が1000平米以上で、緑化20%にすると・・申告していただくと、そう言う措置が受けられると・・
すいません。ちょっと話がややこしなって申し訳無いんですけど、絹川さんの方からおっしゃっていただいたことは・・
実はですねぇ、来年京都府の方で、「地球温暖化対策条例」って言うのが施行されまして・・
絹: はい。
稲: その中で来年の四月からですねぇ、千平米以上の敷地でですねぇ、新築改築をした場合に・・緑化をする義務化を科せられたって言うことなんです、はい。
絹: 条例で義務化されますよと・・
稲: はい。
絹: 今までは、気持ちのある方がやって下さい。
稲: はい。
絹: そうすれば、助成をいたします・・言うレベルだったのが、一段進んで、来年度・・・からですか?
稲: はい。あのぉ、一応条例自体は、今年の4月に施行されたんですけど、やはり、京都市域も含めますが、場所がどういうところに被せるのかとか、あと、中身の取り組み内容等、この一年間でやっていって、で、来年の4月から緑化に関することを義務化をすると、言うことになってます。
絹: はい。あの、ここで稲田さんに・・
稲: はい。
絹: 基本的な質問なんですけれども。
稲: はい。
絹: こういう「緑化重点地区」だとか、それから京都府の「地球温暖化対策条例」が策定されたり・・・
これは、こういう事が必要になってきたと、或いは「緑化重点地区」が指定されたと・・緑被率を上げていきたいなぁと、言う・・そう言う政策がとられてると、言うその根本、と言いますか、何故、今こういう事が求められて、誘導されていると言う風に考えれば良いんでしょうか?
稲: あのやはり今、環境問題って言うのが、一番よく言われていると思うんですが・・・
絹: はい。
稲: 例えば建物緑化に・・緑を覆い被せると、例えば「ヒートアイランド現象」を緩和するとかですね・・・
あと、いろんな・・建物にも効果がございます。
CO2の削減にも繋がると・・・
あと・・いろんな癒しの効果とかですね、植物の多様性とか、いろんなものが考えられます。
それで、やはり「京都議定書」と言うものがございまして、やはりその目標で・・やっぱり、市民、事業者、行政と・・
ある程度そのことに対して、皆様方が意識を持って、取り組んでいかねばならない、と言う風に思っているんですけど。
絹: はい。行政サイドにおられる、緑政課の稲田さんからの、そう言うお言葉でしたけれども、我々一般市民もですね、余り難しいことは判りませんけれども、生物として・・生き物として何となく・・なんかこのままでは困ったことが起きるんじゃないかとか、或いはもう少し緑が増えて欲しいなぁ、ホッコリするよな、とか。
或いは、何か夏の夕立がえらくきつくなってきたとか・・
稲: はい。
絹: 自分の子供の頃、夏もう少し涼しかったかなぁ・・
なんか、都市型洪水と言われるような・・マンホールがですね、集中豪雨が降って、ボーンとエアの圧力でぶっ飛んだというような新聞記事がきたり・・
なんか、少し廻りがおかしくなって来たかなぁ、って言うのは、正直・・なんかうっすら感じるとこがありますね。
稲: そうですねぇ。やはり、これは・・市街地なんかは、特に道路はアスファルトとか、コンクリートの建物ですね・・被われてきて、今先ほどおっしゃっていたみたいに・・昔は土の部分があったかと思うんです。
水も土中に浸透し・・地下に潜って、循環するような・・井戸水を使ったり・・
絹: はい。
稲: いろんな循環があるんですけども、今は下水の方に流れますよね。
絹: はい。
稲: 当然、アスファルト、コンクリートですから、熱を持ちますので、当然それで温度が上がっていくと・・・
やはり昔の自然って言うんですか・・
絹: はい。
稲: 自然の現象に戻すって言うことが、一番だと思うんですけどねぇ。
その為には緑を増やして、効果を期待するべきだと思うんですけど・・はい。
絹: はい。そう言う思いで、稲田さんは日々のお仕事を進めておられます。
そして、我々ですね、地元の建設産業にかかわるものとしましても、実は今、稲田さんのコメントにありましたけど・・道路のアスファルト。
稲: はい。
絹: 建物のコンクリート・・等ですね、そう言うお仕事をしてきたわけですね。
そうすると、ヒートアイランド現象の原因なんかも、結構造ってきているんですよね。
稲: そうですよね。
絹: というと、これから我々は、今までそう言うお仕事として、「善」と信じてやってきた事が、不具合が生じてるんであれば、それを良く・・より良くするために、どういう事をしたらよいのか、って言うよなことに対しても、異をもちいなきゃなんないのかなと言う風に思いますね。
稲: そうですね。先ほど、絹川さんの方から、ちょっと話有ったんですけれども・・
この京都府の条例で・・・条例でそう言う場合1000平米以上の敷地の新築改築の場合に緑化の義務化という事なんですけど、これは敷地で・・空地で20%、例えば屋上で緑化が出来る面積の15%と言う規定がございまして・・・
それで、年間京都市で、150件ぐらい、そう言う建築の確認申請等が出てくるんじゃないかなぁと想定されています。
と言うことであれば、やはり義務化ですんで、今までしなくてもよい、屋上緑化等をですね、していかなくてはならないと言う風になっていくと思うんです。
絹川さんがおっしゃってました、地元の業者としてですねぇ、こういう「緑化」に対する意識と、それから、今後屋上緑化とか壁面緑化の取り組みについて、各地元の企業として、どういう考えや思いをされているのかと言うのも、一つお聞きしたいなぁって思っていたのですが。
絹: えぇっとですねぇ。自分の経験から申し上げます。
私の自宅は、実はこの番組でも、何回も紹介しておりますけれども、上京区にございましてね、五階建てのマンションの中の一室です。
で、それを計画しました当初、三年、四年前ですかねぇ・・二年半前に竣工いたしましたんですが、当時もですねぇ、屋上緑化したいなぁ・・言う計画がございました。
但し、設計者・・・設計士さんとですね、事業コーディネーターから「やめとけ」と言って、ストップが掛かりました。
稲: はい。
絹: というのは、当時の常識と言いますか、古い常識かもしれませんけれども、建物の防水って言うのは、一番、建設屋にとって大事なことです。
で、屋上緑化をする事で、かつてのデメリットですけれども、植物の根が防水シートを傷めて、漏水と・・・雨漏れ事故ですね・・を起こしたり・・・
それからうちの建物は、120年ぐらい保たせるつもりの設計になってますので、長期修繕計画って言うのも、綿密に立てなければなりません。
稲: はい。
絹: その中で、例えば屋上緑化してしまったら・・重い土だとか載せてしまったら、防水層を改修したりやりかえたりする時に、そう言う土だとか、緑化した部分をもう一回全部取って、大変な手間だと・・・
稲: はい。
絹: しかも防水層を痛める可能性があると・・植物の根が。
稲: はい。
絹: ですから、その提案は「却下」と・・・
稲: はい。
絹: 言うことで、涙をのみました。
稲: はい。
絹: しかしながら、合わせて提案いたしました「雨水利用」ですね・・・
建物に降りました雨水を、20トンぐらいのタンクにですね・・・貯めて、それを散水等に利用するというところは何とか、却下されずに行きましたけれども・・・
稲: あぁっ、そうですか。
絹: ところが、先頃、稲田さんに色々取材しておりまして、教えていただいたことがあります。
かつての常識と、今の製品の最新の物・・
稲: はい。
絹: 大分、変わってきているそうですね。
稲: あっ、そうですねぇ。やはり、屋上って言いますと、あまりものを載せない・・まぁ載せても人間程度と言うような荷重しか計算はされていないかと思います。
絹川さんがおっしゃってたとおり、土って言うのは、かなり荷重がありまして・・・
今、こういう緑化という形で、いろんな企業さんの方が研究とか努力をされています。
今ありましたように、軽量土壌をですね、使って、それを使用する。
で又、先ほどの・・建物を痛めない防水とか、防根シートって言うのが、かなり丈夫になってきてますね。
絹: はい。
稲: 植物についても、研究されていて、芝生でもメンテナンスのかからないものを研究されてる事例が、かなり紹介していただいてますよね。
絹: はい。えぇっとですね、色々いただいた資料がありまして・・・私ビックリした事がありましてね。
人工土壌・・軽量土壌ですね。
稲: はい。
絹: それの厚さが・・一番薄いので、6センチぐらいで出来ちゃうよと・・
稲: はい。
絹: で、6センチぐらいのものでやったときに、飽和水位・・水が一杯入ったときですね。
稲: はい。
絹: 水を一杯含ました場合でも、1平方メートルあたり・・・一番軽いケースでですね・・
稲: はい。
絹: 66キログラムぐらいの・・・
で、そこに37リットルの水が保水される・・降水量として・・・と言うようなグラフといいますか、データもいただいています。
そして、ある・・これは地元の・・京都の企業の提案なんですけれども、軽量地盤、特殊土壌の・・人工の土壌のですね・・
稲: はい。
絹: それの下の方に、排水と通気をさせるためのプラスティック・・・ポリエチレンですかね?
稲: そうですね。
絹: プラスティックで出来た様な、「通気基盤」というような・・・まぁ、誤解を恐れずに言っちゃえば、「プラスティックで出来た、中空の板」みたいなものを敷き込むんですね。
稲: そうですね、はい。
絹: 芝は、なんか、その・・そう言う水はけの良い土地を好むと言うことなので、その為にも芝とか緑化する植物のためにも良いし、そう言うものが、既存の建物の防水層の上にあると、言うことで、防水層を痛めない、と言う力を持つと・・言う説明をしていただきました。
稲: はい。
絹: 防根シートも、かなり性能が上がったそうですね。
稲: そうですね。あの・・・やはり建物というのは、熱で、水とか痛みやすいと思うんですけど、普通・・・絹川さんはその辺の専門ですんで・・・
防水でしたら、普通・・建物でどれくらい保つものなんでしょうかね?
絹: えぇっとですねぇ、メーカー保証・・それから施工者、建設会社、合わせて三社で保証することが通例なんですけれども、10年保証を出させていただいております。
稲: はい。
絹: 10年保証を出すと言うことは・・・まぁ大体20年は保つと・・・
稲: はい。
絹: ・・ケースを想定しております。
稲: はい。
絹: ところがですねぇ、最近の、新しい考え方・・・かつてはですねぇ・・屋上緑化なんかをしたら、寿命が縮んでしまうというのが、我々の常識だったんです。
稲: はい。
絹: ところが、最近はそうじゃないんですね。
稲: そうですねぇ、今おっしゃってる10年で有れば、倍は保つと言うことも言われてますし・・
絹: はい。
稲: もう一つ、私とこの方で・・都市緑化協会という・・梅小路公園に、そう言う建物がございまして、そこで試験的な施工をやってます。
絹: 京都市さんでも、試験施工をやってられるんですね。
稲: はい。もう三年ほど追跡調査をしてまして、大気の温度とか、芝生の上の・・コンクリート温度ですね、それと芝生の下の温度がどれぐらい差があるかと、いうこと・・
絹: はい。
稲: で、当然その建物の部屋ですね、下の部屋がそれぐらい温度差が有るかという事も調査してまして・・・
例えば、コンクリート表面と芝生の下では、夏の暑いときで、18℃ほど違いがあります。
絹: 18℃ですか・・・
稲: はい。冬は反対に暖かい、と言うことが出ました。夏は暖房とかそう言うエネルギーを消費しなくてよい。
冬は冬であったかくなると。
そう言う形で、建物も保護になると、言うことも言われてますし、先ほどもありましたとおり、芝生って言うのが、下の・・排水が肝心ですんで、今、先ほど、発泡スチロールとか、ポリエチレンシートとか利用をされているお話ですが・・・
50キロ、60キロよりも、もっと軽く、30キロ、40キロ言うような重量の芝生って言うのも施工されています。
絹: はい。
稲: かなり、各業者さんが、上の荷重を如何に軽減する・・後メンテナンスをどうするかって事は考えておられますね。
絹: 今ご説明・・稲田さんから教えていただきました通りです。
我々のかつての建設・・建築に携わる者の「防水層を痛めるんじゃないか」と言うのから、逆に防水層を酸性雨やとか紫外線だとかの劣化から・・防いで、防水遮光効果と言うんでしょうか?
そう言うよな為にも、性能が・・むしろデメリットよりもメリットが有るよ、と言う風に常識を代えてもそろそろ良いのかな?って言うところまで来つつあるようです。
稲: そうですねぇ・・・この屋上緑化とか言うのは、まだ歴史が浅いんで、実績等がちょっと難しいんですけど、やはりこの数年で、各企業、事業者の方が色々勉強されて、屋上緑化に取り組んでいただいてますので、京都市の助成と合わせて、進めていっていただけたら、ありがたいと思っているのですが。
絹: はい。そう言った意味でもですねぇ、一番初めに紹介しました、京都府の二号館の屋上の・・・屋上緑化の事例・・いろんな例を屋上一杯に試してですねぇ、一般の方に見学していただけるようになってます。見に行かれてはどうでしょうか?
そして、中京区役所の屋上でも、先般NHKが・・京都放送局が取材されたそうですけども、こちらももう既に施工をされて、一般公開もご検討中と・・・
稲: はい。
絹: 言うそうですね。
稲: はい。中京区役所の屋上で、昨年度施工しまして、この17年度末に完成しました。
これも、中京区民の方がお手伝いを願って、市民参加型で造った訳なんですけど。
当然、造りっぱなしじゃなくって、公開と言うことを、検討中ですので、何らかの催し物とか、市民の方、区民の方に知っていただく様な公開を考えて行きたいと思っております。
絹: はい。ありがとうございます。
さて、もう一つ・・・一つエピソードを紹介させて下さい。
稲: はい。
絹: 我が家・・我がマンションの入居者・・ご近所さんの素晴らしいコメントを紹介させてください。
稲: はい。
絹: 「絹川さん、建物は・・」・・まぁ二年半前に竣工しました。「建物、竣工したらそれで完成じゃないのよ」と・・
「竣工して暮らしながら、どんどん建物が少しずつ進化していくと・・・言うこともあんた達は建設関係者だったら、考えなきゃ駄目だね」と言うことを宣った方がおられます。
その方の曰くは、現状の断熱、充分してございます。立派な建物だと思います。けれども、まだ現行の断熱技術では・・例えばペントハウスに住んでる人、やっぱり夏まだ「暑い」って言うんですね。で、クーラー使わなきゃ・・と。
まぁ、それはそれで良いんでしょうけれども、もしその6センチなり7センチの人工土壌があって、緑化がされていたら、今稲田さんから教えていただきましたけれども、18℃の温度差が得られるわけですよねぇ。
稲: はい。
絹: そんなことも、皆さんやってみられたら、どうでしょうか?
で、これは、従来よりも価格的にも安くなってます。
稲: はい。
絹: 言うことです。
1平米あたり、どれぐらいの費用を見とけば、よろしいですか?
稲: 助成なんですけど、平米あたり二万円を助成をさせていただいているんですけど・・・モノには依るんですけど、例えば、庭園風にしますと、やはり4万ぐらいとか・・・平米、5万とかお金になると思うんですけども・・・例えば、先ほどの芝とか、それからセダム系・・・多肉植物ですね。
絹: セダム?
稲: “セダム”ですね、はい。一万数千円で出来ると・・・思われます。
絹: はい。皆さん、いろんな情報が出ております。調べていけば、以前よりも利口に出来る可能性がありますので、どうぞ試してみてください。
と言うことで、そろそろ、お別れの時間がやってまいりました。
今日のお話、いかがでしたでしょうか?
稲: 大変ありがとうございます。京都市の方も、緑を増やすという形で、いろんな施策を進めておりますが、ただ、行政ばっかりでは、なかなか進めませんので、市民の方・・又、絹川さんみたいな事業者の方、合わせて一緒に協力しながら、パートナーシップの下、進めて行きたいと思ってますので、今後もご協力をお願いしたいと思います。
絹: はい。皆さん、京都市の建設局緑政課に行くと、稲田さんがおられて、こういう情報を沢山持っておられます。どうぞ、コンタクトしてみてください。
そして、まちづくりチョビット推進室、この番組は公成建設の協力でお送りいたしました。
いかがでしたでしょうか?本当に今日、稲田さん、ありがとうございました。
稲: あっ、ありがとうございました。
絹: あの・・これからも街づくり情報、お伝えしていきたいと思います。
ありがとうございます。
稲: ありがとうございます。
絹: それでは皆さん、失礼いたします。さよなら。
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